Japan Orbic合同会社は、4Gスマホ 「Fun+4G」、4Gタブレット「TAB 8 4G」、「TAB 10R 4G」、ワイヤレスイヤホン「Orbic Ear Buds」と、アクセサリーを日本向けに展開すると発表。これにより、日本市場に参入することが明らかになりました。

 

Orbic(オルビック)は聞きなれない名前ですが、米国発のモバイルデバイスブランド。「Be Real.Value. Technology. You.」 をコピーに、ユーザーの求める性能を追求するブランドとしています。

 

2019年にブランドがスタートしてから、米最大手の通信事業者であるベライゾン・モビリティで端末が販売され、いまでは15機種が販売されるまでに拡大しています。2022年からは米以外でも展開をスタートし、2023年になって日本でも展開が決まった形です。

 

最初に投入する製品は冒頭に述べたとおり、スマホ1モデル、タブレット2モデル、ワイヤレスイヤホン1モデル、アクセサリーです。

 

基本機能を搭載し、初めてのスマホやサブ端末に向いたモデル

4Gスマホ のFun+4Gは、初めてスマホを使う人に向けて基本的な機能を搭載し、シンプルなユーザーインターフェースで使いやすくしたとするモデル。サブ端末としての使い方も想定しているようです。

↑Fun+4G。写真はホワイトカラーのモデルです。本体サイズは約161.8×73.6×9.83mm、重さは約192g。想定価格は2万4800円(税込)となっています

 

スペックは、Qualcomm Snapdragon 680 4G、4GBメモリー、64GBのストレージ、4000mAhのバッテリーとなっており、OSはAndroid 12を搭載。またカメラは背面に16MPのメインカメラと2MPのマクロ、前面に8MPカメラを備えています。

 

ディスプレイは、約6型で解像度は1560×720ドットとなっています。

↑底面。USB Type-Cを採用しています

 

↑側面の電源ボタンと音量ボタン

 

外出先で使うことを想定したタブレット

タブレット2モデルは8型サイズと10.1型サイズを用意。8型のTAB 8 4Gは、ハンドバッグに入れて持ち歩いたり、夏休みの帰省で子どもに持たせるバッグに入れたりと、持ち運びを想定したモデルです。

↑TAB 8 4G。本体サイズは約205.8×128×9.25mm、重さは約416gです。想定価格は2万7800円(税込)。

 

スペックは、Qualcomm Snapdragon 680 4G、3GBメモリー、32GBのストレージ、4300mAhのバッテリーで、OSはAndroid 12を搭載します。またディスプレイの解像度は1280×800ドット。

↑底面。こちらもUSB Type-Cを採用しています。

 

↑側面のボタン類にはカラーリングされています

 

10.1型のTAB 10R 4Gは、米軍の調達規格であるMIL規格に準拠した堅牢性に加え、IP65の防水防塵性能を備えたモデル。外作業の多いエンジニアや物流の現場などでも活用できるとしています。

↑TAB 10R 4G。本体サイズは約260×173.6×9.6mmで、重さは約690gです。想定価格は3万9800円(税込)。なお、手前のスタイラスは付属しますが、装着されているケースは別売りです

 

スペックは、Qualcomm Snapdragon 680 4G、4GBメモリー、64GBのストレージ、6000mAhのバッテリーで、OSはAndroid 12を搭載。ディスプレイの解像は1280×800ドットです。

↑完全ワイヤレスイヤホンのOrbic Ear Buds。想定価格は4800円(税込)です

 

↑Orbicの姉妹会社にあたるデンマークの「dbramante 1928」(ディブラマンテ)から、アクセサリーとして専用のガラスフィルムが発売されます

 

「消費者が必要なのは基本的な機能であり、それを手頃な価格で提供が重要」

発表の会場では、日本法人の社長であるダニー・アダモポウロス氏が登壇。日本市場に参入した背景として「地政学的な要素、技術的な背景、消費者のセグメントなどを考慮したうえ」としながら、以下のように説明しました。

↑ダニー・アダモポウロス氏

 

「(料金プランとセットで購入する場合)端末の値引きが2万円以下に抑えられなければならないという規制が施行され、インセンティブ体制も変わってきています。その結果、多くのブランドが高価格帯の商品を提供しようとしています。日本の市場において、事業者や小売業者との対話から得られた共通の認識は、多くの日本のメーカーが消費者の意向と少し乖離している可能性があるということ」

 

つまり、日本の経済状況を見たときに、消費にお金をかけるには厳しいにもかかわらず、端末はハイエンド化が進み、ミスマッチが起きているというのです。それでいて、「リモートワークの需要が増加し、オンラインサービスやタブレットへのアクセスが重要になりました。通勤時間が減り、生産性が向上する一方で、タブレット、ラップトップ、スマートフォンなどのニーズも増えてきた」といいます。

↑Orbicが分析するメーカーの状況

 

↑こちらはユーザーが置かれている状況

 

「消費者が必要としているのは、毎日のタスクを達成するための基本的な機能であり、それを手頃な価格で提供することが重要」(ダニー・アダモポウロス氏)

 

今回登場した製品は、いま消費者が必要としている製品であるというわけです。

↑ユーザーの期待に対して、Orbicが備えている製品の特徴を並べています

 

一方で、BALMUDA Phoneが市場から撤退を表明し、arrowsで知られるFCNTが民事再生手続きを申請するなど、端末にとっては厳しい時代。そのなかで、Orbicはどう立ち回れるのかに注目が集まります。

 

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