50代以降になると、住み替えなどで暮らしを小さくしようと考える人も多いのではないでしょうか。ただ、収納も少ない狭小住宅は、散らかりがちになってしまわないか、という心配もありますよね。ここでは、50歳から本格的にミニマムな暮らしをスタートさせ、自身も小さな家に住み替えたという、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さん(現在60代)に、狭小住宅ですっきり暮らすコツを教えてもらいました。

60代ミニマリストも実践。狭小住宅ですっきり暮らす7つのコツ

収納スペースがあまりない小さな住まいですっきり暮らすコツを紹介します。

【写真】60代ミニマリストのすっきりした自室

 

●1.今使うものだけを持つ

最大のコツは、余計なものを持たないこと。ものが少なければ少ないほど、部屋の中がすっきりするし、ものを使ったあとの片づけもラクです。

今の生活に必要なものだけを持ち、そうではないものはどんどん手放してください。手持ちのものを1つずつ見て、過去1年使ったかどうか、これから使うことがあるのかどうかシビアに判断しましょう。

とうの昔に用ずみになったものや、いつか使うかもしれないと思うものに、貴重なスペースを明け渡してはいけません。

●2.毎日部屋を片づける

ものを出しっぱなしにせず、使ったらまめに片づけてください。忙しくて、片づけがあと回しになる人も、1日のどこかのタイミングでざっと部屋を片づけることをおすすめします。

朝起きてすぐ、掃除をする前、朝食を食べる前、仕事に行く前、帰宅してすぐ、夕食が終わってから、寝る前など、自分の生活時間に合わせて、5分〜15分ぐらいの片づけタイムをつくるといいですよ。

私は、いつもお風呂に入る前に自室を片づけています。

●3.ベッドではなく布団を使う

スペースが欲しい人は、ベッドではなく布団で寝ましょう。ベッドがある生活が当たり前になっていると気づかないかもしれませんが、ベッドほどスペースを奪う家具はありません。布団なら使うときだけ引っ張り出せばいいので、スペースを有効活用できます。

私も昔はベッドに寝ていましたが、今は、カーペット敷きの床の上にシーツや毛布を敷いて寝ています。

床に直接寝ることができない人は、使っていないときは、コンパクトにしまえる折りたたみベッドを利用するのもいいでしょう。

●4.床に座る生活にする

可能なら床の上に座る生活を始めてください。狭い部屋にテーブルやソファ、椅子などを置くとますます狭くなります。

普段私は、居間に置いてあるデスクトップパソコンで仕事をしていますが、自室では折りたたみの机を使っており、寝るときは折りたたんで、壁に立てかけています。座るのに使用している座椅子も折りたためるタイプですが、この椅子は出しっぱなしにしています。

フローリングで、床に座る生活が不可能なときは、立ったまま使えるデスクまたはテーブルを使うと、椅子を使わない分、スペースを確保できます。

●5.汎用性のある日用品を選ぶ

1つの用途だけにしか使えないものより、いろいろなことに使えるものを導入して、数少ないもので暮らすようにします。

たとえば、米は鍋で炊けば、炊飯器でキッチンが狭くなることはありません。洗剤も、用途別にいろいろ取り揃えなければ、収納にスペースを取られません。

●6.シンプルなデザインのものを選ぶ

所持品の見直しをしていて、どれを残すか迷うときは、できるだけシンプルなデザインや色のものを残してください。シンプルなもののほうが、多目的に使えるし、収納に場所を取りません。

変わった形の食器は重ねられないので、食器棚の中で場所を取ります。洋服も、シンプルなデザインにしておいたほうが、組み合わせが効くので、少ない枚数で暮らせます。色も、可能な限り統一感をもたせると、視覚的ノイズを減らすことができます。

生活全体でシンプルライフを目指すと、部屋の大小に関わらず、すっきり暮らせます。

●7.機能的な家具や道具に投資する

普段、買わない生活をおすすめしていますが、家族が多く、住まいにほとんど収納スペースがないときは、それなりにちゃんとした収納家具を買うべきです。

雑多なものがたくさんあるとき、隙間を利用する収納グッズや、100円均一ショップで買ってきたプラスチックのケース、お菓子が入っていた缶などを使って、整理整頓しようと思うかもしれません。

しかし、間に合わせのチープなケースを使っても、問題の根本的な解決にはつながりません。多少値がはっても、自分の生活環境に合った、機能的でコンパクトな家具を買って、そこに必要な物をおさめたほうがいいと思います。

もちろん、買うのは徹底的に不用品を捨て去ったあとです。(1)でおすすめした、不用品の撤去をきちんと行えば、中途半端な収納家具を捨てることができるので、つくりつけの収納スペースだけで、十分暮らせるかもしれません。

以上、狭い家ですっきり暮らすコツを紹介しました。私自身、かなり狭い住宅に住んでいますが、狭い住まいには、広い住まいにはないメリットがあります。

第一に、住宅費が安く上がること。次に掃除などの管理がラクなこと。スペースが限られているので、余計なものを持たずにすむという利点もあります。

狭い部屋のメリットを最大限に活かして、楽しく暮らしましょう。

 

筆子さんの新刊『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)では、ここで紹介した以外にも、上手なものの減らし方や、ミニマリストになってよかったこと、体と心の健康を保つコツなど、これからの暮らしに役立つ内容をたっぷり掲載しています。