リビングにカウンターを設置する間取りが人気です。ただ、そのカウンターが散らかりがちになり、ストレスの原因になることも。5年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターも、そんなひとり。子どもがLDKで長く過ごせるようにカウンターを設置したものの、3年住んでガマンの限界に。カウンターを撤去し、移設することになりました。問題の原因や「暮らしに大切」と感じたことについて語ります。

子どものためにリビングにカウンターを設置

わが家は共働きの夫婦と娘2人(11歳、2歳)の4人家族。5年前にハウスメーカーで、延べ床面積約30坪の2階建ての家を建てました。

間取りでは2階リビングを採用。各階は以下のように部屋を配置しています。

1階:主寝室、ウォークインクローゼット、子ども部屋(2部屋)、トイレ
2階:LDK、子ども用スペース(2.3畳)、浴室、洗面所、トイレ

設計段階でいちばん意識したのは、家族と過ごす「子どもの居場所」です。共働きということもあり、家で子どもといるときは、2階リビングで一緒の時間を長く過ごせるように工夫しました。

その工夫のひとつが、リビングに設置したカウンターです。長女は工作やレゴが大好き。のびのびとカウンターで、好きなことができればいいなと採用しました。

 

最初は満足していたリビングのカウンター

入居当時、長女は小学1年生。まだ自室に閉じこもる年齢ではありません。ですから帰宅してから寝るまでを、LDKで過ごしていました。リビングにあるカウンターで、工作などの自分の好きなことや、宿題をしていました。

家を設計しているときに夫婦で思い描いていたとおりに、カウンターを活用できていると思い、筆者はとても満足していました。

 

しばらくすると散らかったカウンターがストレスに

入居して少し時間がたつと、筆者の心境に変化が生じます。カウンターの上がいつもごちゃごちゃと散らかっていることが気になり始めました。

子どもが好きなことをするということは、どうしてももので散らかってしまうもの。カウンターは、LDKのどこからでも見える位置。そのため、カウンターの上が散かっていると、部屋全体が散らかっているような印象になり、いつも落ち着かない気分になっていることに気づいたのです。

そもそも、子どもにのびのびと好きなことを、カウンターでしてほしいと思っていたのに! いちいち片づけてしまっては、設計当初のコンセプトとは違ったものになってしまいます。しかし、散らかっているとストレスを感じてしまう…。ジレンマに陥ってしまいました。

カウンター設置に後悔、ついに撤去を決断

散かったカウンターにストレスを感じつつも、週末にカウンターをきれいにしたり、ものの置き方を工夫したりして日々をやり過ごしていました。

しかし、子どもが使用することに加えて、大人もいろいろものを置いてしまったりするため、カウンターの上はすぐに散らかってしまう始末。徐々にカウンターはLDKから見えない場所に設置するべきだったなと、考えるようになりました。

入居してから3年。第二子の育休期間中に、ほとんどの時間を家で過ごすことになった筆者は、視界的に散らかっている状態に限界を感じるように。

 

夫と相談してリビングからカウンターを撤去し、キッチン脇の2.3畳の子どもスペースに移設しようと決断。わが家を建てたハウスメーカーと、その下請けの工務店に相談しました。

 

カウンターの撤去&移設費用は5万円

写真はカウンター移設先であるキッチン脇の子ども用スペースです。この場所には電子ピアノが置かれていました。

ハウスメーカーに工事をお願いすると、高くなってしまうということで、わが家を建ててくれた下請けの工務店に、直接工事をお願いすることに。工事見積金額は5万円でした。

リビングからカウンターを撤去して、子ども用スペースに移設するだけの工事なら、一日で終わるとのこと。

カウンター撤去後の壁紙の補修は、思ったよりもリーズナブルに工事できました。新築時に余った壁紙を使用できること。また、もともと使用していたカウンターを移設するために、新たな材料費が発生しないためです。

 

視覚的にすっきりしたリビングに大満足

さっそく工事をお願いして、リビングのカウンター撤去&子ども用スペースへのカウンター移設。リビングのカウンターが設置してあった場所に、子ども用スペースに置いていた電子ピアノを移動させました。

結果、筆者宅のリビングは、とてもすっきりとして落ち着いた印象に。カウンターの散らかりが原因でイライラすることがなくなり、日々のストレスが軽減され、工事を行って本当によかったと思いました。

子どもも移設先の使い勝手に満足!

一方、カウンターを移設した子ども用スペースの使い心地を、子どもに聞いてみました。

子ども用スペースはドアで仕切ることができるため、リビングにあったときよりも自分のやりたいことにより集中でき、使いやすいとのこと。

リビングの散らかりのイライラからの解放も重要でしたが、子どもの満足度も高くなり、とてもいい結果となりました。

 

カウンターがなくなりLDKがすっきりした印象に

現在は棚を設置して、リビングで使うものの収納場所にもなっています。棚の上は、季節の花や置物を飾るスペースに。カウンターがあったときより、機能的ですっきりした印象になりました。

以上、わが家のリビングに設置した、カウンターの後悔&撤去工事について紹介しました。

住み始めて痛感したのは、リビングでの視覚的な落ち着きは、とても大事であるということ。リビングが散らかっていると、思った以上にストレスを感じるということでした。

筆者の場合は、その原因を取り除くことで改善できました。これは実際にその状況を経験しないと、気づけないことだったと思います。