『ドラえもん』のスネ夫役をはじめ、『鬼滅の刃』の不死川実弥役や『PSYCHO-PASS』狡噛慎也役など、話題作に多数出演している人気声優・関智一さんの暮らしのエッセイ。今回は、関さんが過ごしたゴールデンウィークのお休みについてつづってもらいました。

GWにできた1日休みで関智一さんが向かった場所

ある日、ゴールデンウィークのため、レギュラー収録がお休みになることにふと気がついた。ゴールデンウィークにポッカリできた1日休み…。これはチャンスだ。遊びに行こう、そうしよう! 決心するまで秒だった。

【写真】お休みを満喫する関智一さん

●関さんが向かったのは…

決めたら僕の行動は早い。折角だから一緒に遊ぶ仲間が欲しい。数分後には2人の友人に連絡を取り約束を取りつけた。

問題はどこに遊びに行くのか。普段スタジオにこもって仕事をすることが多い僕は自然に飢えて日差しに焦がれていた。よし、思い切って東京から脱出して、自然を楽しみに行こう。

そう決めた僕の脳裏に浮かんできた場所が、群馬県利根郡川場村にあり、以前訪ねたことのある道の駅「川場田園プラザ」だ。川場村は、日本百名山の一つに数えられる標高2158mの上州武尊山の麓に位置する村。

よってこの「川場田園プラザ」は、雄大な自然に囲まれた、なんとも清々しい道の駅と言えよう。そして地元の新鮮野菜・果物が買えるファーマーズマーケットや、地元食材を使用したレストラン、パン工房、ビール工房、カフェや日帰り温泉と、魅力満載のスポットなのだ。

しかし、ゴールデンウィークの只中ということもあり、渋滞が予想された。渋滞にハマっては溜まらないと少し早めに待ち合わせ、僕は朝5時半に友人2人を車で迎えに行き一路「川場田園プラザ」へと出発した。さぁ快適なドライブへ! と思いきや、残念ながら読みは外れ、関越自動車道は大渋滞…。

結局到着したのは昼も12時に差し掛かる頃。ドライブ好きの僕も、流石に疲れを感じていたが、晴天に恵まれ緑眩しい「川場田園プラザ」は一気に僕の疲れを吹き飛ばしてくれた。

●求めていた自然がそこには広がっていた

まず目に飛び込んできたのは、キラキラ輝く美しい水面。なんと敷地内にキレイな水を湛えた池と小川があるのだ。透明度の高い綺麗な水が流れる小川では子ども達が裸足で遊び、その光景にも癒やされる。

池に泳ぐ鯉や水鳥を眺めるのも楽しい。到着して早々、念願の自然に癒やされまくりなのだ。疲れも吹き飛んだ僕らは、昼時ということもあり、早速なにか食べようという運びになった。友人はピザに蕎麦にラーメンと目移りしているが、僕の心は決まっていた。

●必ず食べるグルメ「山賊焼」って?

川場に来ると、最初に必ず食べる物がある。それは「ミート工房」で販売されている山賊焼だ。「ミート工房」ではドイツで修行を積み「ゲゼレ」の資格を取得した職人さんが激ウマな「ハム・ソーセイジ」を手づくりして販売している。それを目の前でゆで上げ、鉄板で焼くライブ販売しているのが山賊焼なのだ。

僕ら3人は山賊焼を入手し、友人たちはカワバエールなる地ビールまで購入。「川場田園プラザ」の中央にある小高い芝生の丘に腰掛けて日向ぼっこしながらパクつく。

バリっとした弾力あるソーセージは噛むと肉汁が溢れ飛ぶ。スパイスが肉のうま味を引き立てて堪らない。友人のビールも進む。僕はミート工房特製のマスタードが大好物。たっぷりとハムにつけてガブリ。ツンと来るがコレまたハムを引き立てる。緑に囲まれて日差しを受けながらソーセージに飲み物を頂く、なんてぜいたくなんだ!

その開放感も手伝ってか、3人の食欲に火がついた。すぐさま、名水と地粉を使い、手打ちした蕎麦が絶品の「そば処虚空蔵」に駆け込む。テラス席に陣取り各々蕎麦をすする。僕はとろろぶっかけ蕎麦だ。ズルズルズル、ズルル。あゝ喉越しがすばらしい。

空腹を満たされた我々は、お土産を手に入れるべく「ファーマーズマーケット」なる、地場産の採れたて野菜と旬の果物などを扱うコーナーへ向かった。川場村で採れた野菜や、田園プラザ内の工房でつくられた様々な品物を持ちきれないほど購入。

なかでもお気に入りはプラザ内の「ミルク工房」でつくられた「のむヨーグルト」。さらりとした喉越しながら、しっかりとコクを感じる逸品で、大きなボトルを2本も購入した。

日帰りの強行軍ながら、自然と食事と買い物と、すべてを大満喫し僕ら3人は後ろ髪を引かれながら帰路についた。ピザに生パスタにラーメンに、甘味処にも寄りたかった。が、僕らは必ずや、またこの地に訪れるだろう。

ありがとう「川場田園プラザ」。「川場田園プラザ」よ、永遠に。

なお、帰り道、再び渋滞に嵌ったのは言うまでもない…。