日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。「周りからは夫婦仲がいいと思われているんですが、もう20年以上レスで悩んでいます」と語るのは美容師として働く主婦の摩季さん(仮名・50代)。テーブルに置き忘れた夫の携帯電話をついつい見てしまったら、そこにはガールズバーの女性との秘密のやり取りが…。

営業部へ異動になった夫。キャバクラ接待はアリ?ナシ?

平日に休みを合わせてデートの日をつくり、夫婦生活を維持しようとしていた20代の頃。ところが、30代も半ばに差しかかろうかという頃、夫が営業所へ異動となり、完全土日休みに。

しかも営業という仕事柄、接待という名目で女性がいるお店へも出入りすることが増えていったのです。

●レスの夫がはじめてキャバクラへ行ったら…

本社に勤務していた頃に比べると、夫の帰りの時間が一気に遅くなりました。営業は接待が多いとは聞いていたし、新しい職場でなじむためには飲み会などのおつき合いも必要。それほど口うるさく言うことはなかったのですが、接待という名目の飲み会の中には、二次会でキャバクラや女性がいるバーへ行くことも少なくなかった様子。

夫はそういう“オネエサン”がいるような場所へ行った経験自体が今までなかったので、よほどおもしろかったのか、私にあまり隠すような素振りもありませんでした。スーツのポケットからは明らかにホステスさんのものとわかるカワイイ名刺が出てくることも。

いい気はしないけれど、一緒に仕事をしている先輩がそういうお店を気に入っているらしく、お客さんと一緒にワイワイ出かけて行くことをとても楽しそうに話してきます。それで仕事がスムーズにいっているなら、まあいっか! と大目にみていたのですが、だんだんと夫自身がのめり込んでいってしまったのです。

●「風俗は絶対許さない!」と釘を刺しておいた

明らかに浮かれている夫を見かねて、また接待があると言われた日の朝「キャバクラくらいならいいけれど、風俗とか行ったら即離婚だからね!」と強めに言いました。私とレスになっているのに、そういう場所でお金を使って処理するなんて許せません。

一方的にこっちのイライラを伝えたのですが、夫は「お客さんもいるし、風俗とかそういうところは行かないよ。ただお酒飲んでくるだけ。じゃあ、夕飯は大丈夫だから、行ってきまーす」と、軽い調子で出かけて行ったのですが、この数日後に浮気が発覚しました。

●日曜日。家族でランチに出かけようとしたら…

夫と子どもが休みの日曜日。私の仕事が夕方からだったので、みんなで近所のファミレスへランチを食べに行こうと話していました。ところが、そこへ夫の携帯が鳴りました。

夫「ごめん、仕事が入った! お金、ここ置いておくから、僕抜きでランチ行ってきてくれる? いっぱい食べておいでね〜」

なんだかうれしそうに出かけていく夫。今まで休みの日に仕事が入ったことなんて一度もないのに。しかも、スーツじゃなくて普段着で出かけて行ったのです。

怪しいな〜と思いつつも、子どもを連れてランチへ出かけようとした瞬間、テーブルの上に夫が携帯を置き忘れていったことに気がつきました。やだ、仕事なのに大丈夫かしら…! と心配する気持ちと、本当に仕事なの…? という疑念のせめぎ合い。

見てはいけないとわかっていながらも、携帯を手にしたタイミングで、またメールが。ついつい開いて見てしまいました。

●夫の携帯にメールを送ってきた人は仕事の人ではなく…

メールの送り主はAさん。苗字しか登録されていなかったのですが、開いてみると「わーい、日曜日なのに会えるなんてうれしすぎー」という文面。やっぱりという気持ちでした。

落胆よりも怒りがこみあげてきて、そのメールのやりとりをどんどん遡ってみました。すると、その女性は当時流行り始めていた「ガールズバー」の店員さんで、接待としてお店を使う日もあれば、彼女の出勤日を聞いて個人的に会いに行く日もあったのです。

それどころか、Aさんに「携帯代が払えなくって、止められちゃってたの。連絡遅くなってごめんね」と言われれば、「携帯代くらい、相談してくれたらいつでも払ってあげるのに」などと調子がいいことを言って、夫がお小遣いを渡しているようなやり取りも。
私は頭に血が上ったまま、夫とAさんの待ち合わせ場所へ子どもを連れていきました。

●何事もなかったかのように、夫に携帯を届けた

待ち合わせ場所の駅で、鼻の下を伸ばしながらAさんを待つ夫を発見。「携帯、忘れていたよ、はい」と私が声をかけると、夫は真顔になりました。

子どもの前でケンカする気はなかったので、「じゃあ私たちは、そこのファミレスに行ってくるから。仕事のAさんによろしくね」と言って、わざと彼女の名前を口にして立ち去ると、子どもの「パパばいばーい、いってきまーす」の声にも反応できないくらい夫は固まっていました。全部バレたと察知したのだと思います。

ファミレスでメニューの注文をし終えた頃、今にも泣きだしそうな顔をした夫がお店に入ってきました。「あれ、パパ、仕事終わったの?」とうれしそうな子どもに、かなり無理のあるつくり笑いをしながら「うん、ごめんね、終わった終わった〜」と答える夫。
私が「Aさんとの仕事は楽しかった?」と聞くと、汗をいっぱいかきながら、両手を合わせてゴメンのポーズをしてきて、あまりにも小さくなっている夫の様子を見たら笑ってしまいそうになりました。

笑いをこらえてにらみつけましたが、相当怖かったのか、それ以降は私と目を合わさず子どもとの会話に終始していました。
そしてこの日の夜、子どもが寝ついたあとにきっちり夫を問い詰めたました。そのお話はまた次回したいと思います。