体力や好奇心などが、年齢とともに下がってしまうのを実感する人は多いのではないでしょうか? 50代のトップブロガー中道あんさん(59歳)は、50代こそ「おもしろそう」と思えることはやっておくべきと語ります。その理由をつづってもらいました。

50代こそ「おもしろそう」なことはやってみよう

先日、友人から近場のホテルで1泊しようと誘われました。1年ぶりに3人であっておいしい夕飯を食べて、夜通し語り明かそう! というのです。そのためのホテル泊です。なんとまぁ、寝ずにしゃべり倒すなんて、そんなハメの外し方をしたのは結婚する前、ずいぶん大昔に終わっています。なんてエネルギシュなお誘いなのだろう。今年60歳の私にそんなおつき合いができるかな? ちょっとドキドキしながらもおもしろそうなので誘いにのってみることに。

●エネルギーは若いときほどないけれど…

さて当日のこと挨拶はそこそこに、いきなりアクセル全開で弾丸トークが炸裂します。女3人寄ったら、すごくかしましい。ほんとうにいくつになっても女子高生のノリ。でも、それも日づけが変わるくらいまでのこと。

だれとはなしに順番にシャワーを浴びてさっさと眠りにつきました。まだ話足りないとは言いつつも、みんな電池が切れちゃったのです。そうです、ハメを外してみたいと思ってもからだがついていきません。60歳近くになると口で言うほどエネルギーがないと分かりました。若さって「ハメを外せるかどうか」で計れるのかもしれませんね。

結局は大人しいホテルステイになってしまいましたが、普段から「おもしろそう」と思ったら「やってみる!」ことにしています。あれこれ考えると、やらない理由はいくらでも見つけられます。それでは、人生はいっこうに開いていきません。

よく、慎重な人は自分のことを「石橋を叩いて渡る」性格だと言いますが、なんでもかんでも叩いていたら一生変わり映えのしない人生になってしまいます。だから、ときにはエイッと始めてみるのです。それだけでも、ドキドキやワクワクを感じられれば体の内側からエネルギーが湧いてきそうです。

●まずは「やってみる」ことが大事です

仕事がら、「ブログを始めたいんだけど…迷っています」という相談をよく受けます。正直、ブログを書くことくらい迷うほどのことではないと思います。

でも、(1)こんな私がなにかを言える立場じゃない、(2)書くことでだれかを傷つけてしまったらどうしよう、(3)身バレの可能性は本当にないの?(4)間違ったことを書いちゃいけないと思うと自信がない、(5)だれかになにかを言われたらどうしよう、などなど、まだ1本も記事も書いてもいないのうちから、心配ごとのオンパレードです。

まずは日記から書いてみて発信への抵抗をなくしていく。慣れてきたらコンセプトを考えてしっかり発信しても遅くはありません。だから「やってみましょう!」と背中を押すのですが…。

(6)でも失敗したら損じゃないですか…という人もいます。

損得勘定を基準にしたら「得」じゃないと始められませんよね。それでは「おもしろそう」というワクワクの感情も一瞬にして鎮火してしまいます。そもそもブログやSNSは娯楽、つまり遊びです。そこに打算は必要でしょうか。

●50代こそ「損得勘定」は必要ない

これは私の持論ですが、「損得勘定に走ると必ず損をする」と思っています。なぜなら、「得」をして当たり前と思っているなら、それ以外は「損」だと感じしまうからです。大抵のことは最初からうまくいきません。ほとんどが失敗します。それでも続けられるのは、損得勘定を抜きにした感性から湧きあがることをやっているからです。だから「おもしろそう」と思ったことは得をするかどうかより、とりあえずやってみる。それを楽しむことに意味がある。結果ではなく、そのプロセスこそ大切にする。

というと、意識高い系なんて言われちゃいそうですが、そこは「だれかになにかを言われても気にしないでおうこう」と決めるしかありません。私は私、あなたはあなたでいいんじゃないでしょうか。そう思えるようになったのも、じつはブログのおかげなのです。

 

50代はまだまだ気持ちは若いのですが、ハメを外せるほど体は若くもない。だから心が動いたことはどんどんやっていかないと、やがて心まで固まってしまいそう。それが老化ではないかと思います。「おもしろそう」と感じるのならとりあえずやってみる。それがお金のかからないアンチエイジングであり人生を切り開くきっかけでもあります。