ポケカ異次元の高騰が社会問題化…加熱する“開封動画”で問われるYouTuberたちの責任

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「ポケカ」の愛称で子どもから大人まで親しまれ、大人気ゲームソフト『ポケットモンスター』シリーズの世界をベースにした対戦トレーディングカードのポケモンカード。しかし、そんな楽しむためのポケカが社会問題化している。

「4月14日に2種類の新パックが販売開始されたのですが、どの店舗でも即完売。地域によっては販売開始前日の深夜から早朝にかけて店舗前に大行列が発生し、警察沙汰になったところもあるそうです。また、行列の中には転売ヤーも潜んでいたようで、発売当日以降、さまざまなフリマサイトで高額転売されています。

各地での即完売を受けて、販売元は『生産体制の継続強化、並びに不足商品の再生産と出荷を進めてまいります』と文書を発表しましたが、商品の買い占めや転売については言及していません」(WEBメディアライター)

高額転売が横行しているにも関わらず規制する様子のない販売元への批判の声が高まっている。ネット上では、あわせてある人物たちにも批判の矛先が。それはYouTuberだ。14日のポケカ新発売の騒動が報じられると、ネット上には、こんな声が上がった。

《そっか今日はポケカ発売日か。遊戯王はしばし落ち着きを見せそうだから安心安心。ポケカ公式はYouTuberと組み始めてから是正する気なしだからな。。。なるべくしてこうなってる感》
《はっきり言ってポケカがこんな状況になったのはYouTuberの影響が大きいでしょ。どのYouTuberも大体高額カード系の内容だし》
《そもそも今の人たちってゲームやるためにカード買ってないじゃん?有名YouTuberでもポケカや遊戯王見てそれはいくらいくらするとか高額レア狙おうとか金銭的価値でカード吟味してるの見ると虚しくなる…。それは本来子供たちがゲームで遊ぶために作られたものなんですけどね…》
《長男が最近ポケモンカードにハマってるんだけど、なんか騒ぎになってるのね。子供が楽しむカードゲームじゃないの?どうしてこんなことになってるの?企業も転売とか無いように沢山作ればいいじゃない。高額転売されてるのを、YouTuberが購入して開封動画とかもさ、私はどうかと思うな!》

高額転売が相次ぐ背景にYouTuberたちの影響を指摘する人が少なくないのだ。

実際、HIKAKIN(33)、はじめしゃちょー(29)、ヒカル(31)などの人気YouTuberをはじめ、YouTuberたちがポケモンカードを扱った企画動画は数多く存在する。内容としては、オークションサイトやカードショップで目当てのカードを購入するためにいくらかかったか、オリジナルの非公式パックや福袋を購入したらどんな高額カードが当たったかといったものだ。いずれの企画も、希少価値の高い高額カードに焦点を当てられることが多い。

今回発売された新パック「スノーハザード」と「クレイバースト」でも、すでに人気YouTuberたちが以下の開封動画をアップしている。

【神回】ナンジャモを狙ってクレイバースト6箱開封したらとんでもねえ事にwwwww【ポケカ】(はじめしゃちょー/4月15日)

【ポケカ最新弾】クレイバースト6箱開封してナンジャモSARを引いてやるんだぁー!!!(シルクロード《フィッシャーズ》/4月16日)

いずれの企画も新パックを大人買いして、開封した結果を紹介するものだ。人気YouTuberたちもこぞって動画を作る「ポケカ企画」。しかし、人気者のYouTuberゆえに、もたらす負の影響も大きいと前出のWEBメディアライターは言う。

「人気YouTuberは資金力があるので、パックを大量に購入した開封動画やカードショップで高額販売されている激レアカードを購入する動画などを多数アップしています。レアカードは1枚数百万円を超えるものは当たり前で、HIKAKINさんは1枚5000万円で販売されているカードを購入したこともあります。

自分の好きなカードを自分の稼いだお金で購入することはなんら責められる理由はありませんし、YouTuberたちも転売を勧める意図は恐らくないでしょう。しかし、こうした動画によって、結果として、“ポケカ=稼げる”といったイメージが広まった可能性は否めません。“高額転売をやめよう!”と人気YouTuberが訴えてくれたら少しは状況も変わるかもしれませんが……」(前出・WEBメディアライター)

果たしていつまで高額化は続くのか――。