●スタッフの熱量に「これは頑張らないと」

お笑い芸人の出川哲朗が、フジテレビの若手ディレクター3人とそれぞれタッグを組み、3本の新企画に挑むバラエティ特番『出川のアニキ!』(31日24:55〜 ※関東ローカル)。今回放送されるのは、出川が“WHY!?”と気になった一般人の半生を自ら取材する『WHY!? そんな人間に!?』(玉置遼D/入社8年目)、出川のリアクションにつながる料理を天才キッズたちが考案する『出川哲朗が“オイシくなる”料理 〜出川専属 天才子供料理人〜』(坪井一季D/入社6年目)、令和のモテ男のデートをウオッチングする『REALにかっこよくない?』(岡耕平D/入社6年目)の3本だ。

収録を終えて「リアルガチに3本とも本当に面白かったですね」と手応えを語る出川と3人のディレクターたちに、話を聞いた――。

出川哲朗(下段)と(上段左から)玉置遼D、岡耕平D、坪井一季D

○■「リアルガチに3本とも本当に面白かった」

――今回の収録はいかがだったでしょうか?

出川:3本とも、それぞれちゃんとしたセット組んでもらってて、そこがまず一番最初にびっくりしちゃいましたね。今テレビはお金ないんですよ。なのに、料理のコーナーは『スマスマ』(ビストロSMAP)と全く同じ感じだったし、僕の顔の絵とか飾ってくれてたり。ほかのコーナーでも(出川がファンのヤクルトスワローズのキャラクター)つば九郎を置いてくれたり、僕のバスキアみたいな絵を描いてくれたりして。企画を立ててくれた3人のディレクターの方ももちろんそうなんだけど、美術さんとか他のスタッフの熱量もめっちゃ感じたんで、もうそれだけで演者は頑張ろうって思えるんですよね。だから、あのセットを見て、「これは頑張らないと」と、えーと何かを締めましたね。

――ふんどしですかね?

出川:ああ、そうそう(笑)

――それぞれの企画は、いかがでしたか?

出川:どんな感じになるのかなと思ったけど、リアルガチに3本とも本当に面白かったです。1時間半の番組でコーナーじゃなくて、1本ずつ30分の番組としても成立するんじゃないかと思いました。子どもが料理してくれるコーナー(『出川哲朗が“オイシくなる”料理 〜出川専属 天才子供料理人〜』)は、僕に長生きしてもらいたいっていう料理を用意してくれて、正直カメラがなかったら抱きしめたいくらいかわいかったですね。

坪井D:この企画は、本当に出川さんに助けていただきました。今回の番組は、僕らが出川さんの胸を借りるような企画なので、自分がいつも考えてるようなことじゃなくて、出川さんのためにできるような企画がないかと思って考えたのですが、僕の見たい出川さんが見られて、本当に幸せな時間でした。ありがとうございました。

『出川哲朗が“オイシくなる”料理 〜出川専属 天才子供料理人〜』(C)フジテレビ

出川:街頭インタビューのコーナー(『WHY!? そんな人間に!?』)も、「この人の話、本当に聞きたいな」っていう人をちゃんとチョイスしてて、上手いなと思いました。よくあるのは、(ビジュアル重視で)テレビ的な人を選びがちなんですけど、ちゃんと人間に興味があるというところでチョイスしてきてたんで、たぶんとんでもない数からあの人たちを選んでると思うんですよ。

玉置D:言っていただいた通り、テレビ的じゃなくて、本当に市井に生きてる人だけど、お話を聞いたら実はすごい人生を歩んでたり、ちょっと変わったことに熱中したりという内面の興味みたいなところをテーマに街録(街頭インタビュー)を撮っていたので、そこを出川さんにちゃんと気づいていただき、「面白い」と言っていただいたのが、一番うれしかったです。

『WHY!? そんな人間に!?』(C)フジテレビ

出川:デートのコーナー(『REALにかっこよくない?』)も、陣内くんも、ゆきりんごちゃんも…

――さゆりんご(松村沙友理)さんですね…

出川:そうそう(笑)。さゆりんごちゃんも、陣内くんも本気で「これおもろいっすね」って言ってたんですよ。デート企画っていっぱいあったけど、モテる男のデートを見せてもらうというのは、確かに今までなくて盲点だったなと思って、そこに気づいたのも素晴らしいと思うし、普通に見てて面白かったですね。ひょっとしたら、今日みたいに1人は芸能人じゃないほうがいいのかもしれない。芸能人同士だと『(恋する)ハニカミ!』(TBS)みたいになっちゃうんで、知らない方のほうが本当にデートっぽく見れるなと思います。

出川は本番でも松村沙友理に言い間違いを…=『REALにかっこよくない?』(C)フジテレビ

岡D:(デートを披露した)皇治さんと打ち合わせをして、本当に気さくでモテそうな方だなと感じたんですけど、「この人と誰が一番合うんだろう」と思って聞いたときに、(アシスタントプロデューサーの)林さんというお相手が出てきて、それを僕らも面白がれたことが、うまくデートを運べた理由なのかなと思います。モテる方って慣れてない方にリードするのがうまくて、これが相手がタレントさんだったらうまくいかなかっただろうなあというのは僕らもやっていてすごく感じていたことなので、素人の方だったからこそのロケものの良さが出せたと思います。それをまたスタジオで面白くしていただいて、良かったです。そして、出演いただいた方が、若手の僕が考えたものに「面白い」「次もありそう」と言ってくれるのが、本当うれしいです。

●最後はちゃんと男でいたい

――ディレクターのお三方が、今回出川さんと仕事をされて改めて気づいた魅力はありますか?

玉置D:僕が言うのもおこがましいんですけど、出川さんはすごく人に興味がある方なんだなっていう印象を改めて持ちました。それはたぶん、『充電旅(出川哲朗の充電させてもらえませんか?)』(テレビ東京)とかでいろんな人に会っているのを見て、なんとなく僕も分かってたんですけど、やっぱり優しい。VTRを見て一言言うときも、本当に人間というものが好きなんだろうなと思いました。

出川:ちゃんと見てるなあ。人は本当に好きなんです。ただ本当に僕の良くないところは、興味ないことは全く興味を示さないんで(笑)。結果、それが分かりやすいのかもしれないですけど。

(C)フジテレビ

岡D:僕はずっと小さい頃から見てきた出川さんのイメージとして、カッコいい人だと本当に思ってたんです。生き方だったり、お話しする言葉だったりとか、ささいなことからすごく素敵な人だなと思って、この企画にたどり着きました。実際に今日打ち合わせでお会いして、やっぱりモテる人だなと思いました。皇治さんのデートを撮らせていただいた後に出川さんを見ると、人に愛される隙がありながら、男らしさもあるというか、テレビで見ていた出川さん以上のカッコよさがあったんです。

出川:俺の背中を見てくれれば分かるじゃないかな。僕こんな形(なり)なんですけど、心根は男だと思ってるんで。だからこれはウソじゃなく、本当に皇治くんの考えとちょっとかぶってるところもありました。僕、恥ずかしげもなく人を褒めることもできるんで、女性がきれいだったら「きれいですね」って言うし。それはスタッフさんにも、すごい面白く編集してくれたら「いやあ本当面白かったです。ありがとうございます」とか言うんです。そういうのは言いづらいっていう人もいるけど、何ら恥ずかしいもなく言える。最後はちゃんと男でいたいというか。

岡D:この言葉がカッコいいですよね!

(C)フジテレビ

坪井D:僕は料理の企画をやるにあたって、どんなリアクションが引き出せるのかなと思って、出川さんのいろんなパターンのリアクションを勝手に勉強させていただいたんです。どのパターンもやり尽くされてると思ったんですが、子どもたちがいろんな料理を作って食べてもらう中で「そのパターンあったんだ!」って、もう圧倒されてしまいました。それと、子どもたちがみんな出川さんのことが大好きで、打ち合わせでも「こうしたほうが出川さん喜びますかね?」という話をしてたんですよ。人から愛される力が本当にすごくて、今日お会いしてその魅力にもう一度気づかされました。

(C)フジテレビ

○■30歳を過ぎて気づいたデートの仕方

――今後の展開としてはいかがですか?

岡D:僕は出川さんにもデートに行ってほしいです。実際に行ってみて、どんなデートをするのかを見てみたいなと思いました。

出川:僕、最初の頃は、湘南で逗子マリーナ行って、公園行って…ってデートコースは全部決めてずっとやってましたけど、30(歳)過ぎてから、自分の行きたいとこに行けばいいんだって気づいたんです。いつも西郷山公園でハチミツをプレゼントして、そこでチューしようとするんですけど、ほとんどできないんですよ。「いやいや、友達だから」とか言われて、「お、おう…」ってなるんですけど、「毎回ここでチューしようとか決めなくていいいんだ」「結局チューしたいときにすればいいんだ」って、30過ぎて気付いたんですよね。だから、最近はあんまりデートコースを決めないですね…いや、最近はしてないですけど(笑)

坪井D:僕は、出川さんと子どもたちの会話がもっと見たいなと思いました。今回は料理が媒体となって小学生と出川さんの絡みというを表現したかったんですけど、もっともっとその子たちに出川さんの魅力を引き出してもらったりとか、出川さんがその子たちの魅力を引き出すような番組を作れればと思います。

玉置D:出川さんは、やられている番組的にもトラベラーなイメージで、いろんな人といろんな場所で会って、“みんなの出川さん”というのが魅力だと思うんですけど、自分の今回の企画は1対1で“その人のためだけの出川さん”なので、1人の人と向き合った出川さんというのができると、新しい魅力になるんじゃないかなと思いました。おこがましいですけど。

――では最後に、出川さんから見どころをお願いします。

出川:3番組全く違う楽しみ方ができると思うんで、本当に3つとも見てもらいたいですね。3つ目とかになると眠くてたまらないけど、ちょっとその日だけは頑張って目をこすりながら、最後まで見ていただきたいです。それぐらい面白い番組だと自信を持って言えるんで。