水泳のルールを徹底解説!競泳競技規則からプールの使い方まで

写真拡大 (全5枚)

水泳(競泳)では、スタートの仕方や泳ぎ方、着用する水着など、競泳競技規則として細かいルールが定められています。また、ジムなどのプールを使う場合も、ルールやマナーを守ることが大切です。

この記事では、水泳の基本的なルール、知っておきたいマナーについて解説します。

水泳(競泳)の基本ルール

まずは、国際水泳連盟(FINA)の競泳競技規則に沿って、水泳(競泳)の基本的なルールを説明します。

競泳のルール

競泳とは、泳ぎの速さを競うスポーツです。
自由形・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライなどの泳法があり、個人種目と4人1組のチーム種目が行われています。

■スタート時のルール

自由形や平泳ぎ、バタフライや個人メドレーのスタートは、飛び込みによって行われます。
以下のように細かい手順が定められているため、覚えておきましょう。

審判長の長いホイッスルで各選手がスタート台に上がる 出発合図員の号令(テイク ユア マークス)で、各選手がスタート台の前方に少なくとも一方の足の指をかけて、速やかにスタートの姿勢を取る すべての競技者が静止したのち、出発合図員によるスタートの合図で飛び込む

一方で、背泳ぎとメドレーリレーは、水中からスタートします。手順は以下の通りです。

審判長の1回目の長いホイッスルで選手は速やかにプールに入る 2回目の長いホイッスルでスタートの位置に着く 出発合図員の号令ですべての選手が静止したら、出発合図員によるスタートの合図で泳ぎ出す

いずれの場合も、出発合図の前にスタートしてしまうと、その選手は失格となります。

■自由形のルール

自由形は、どのような泳ぎ方でも良いという種目ですが、個人では、スピードが出る泳法であるクロールで泳ぐ選手がほとんどです。

ただし、メドレーリレーと個人メドレーの自由形については、バタフライ・平泳ぎ・背泳ぎ以外の泳法でなければならないとされています。

また、自由形にはスタート後と折り返し後、壁から15m地点までに頭が水面上に出ていなければならないというルールがあります。

潜水をしたまま15m以上進むことはできないので、注意しましょう。

■背泳ぎのルール

背泳ぎは、頭部を除き肩の回転角度が水面に対して90度未満の状態になる、仰向けの姿勢で泳ぐ泳法です。

水中からスタートするため、選手はプールの壁に取り付けられているスターティンググリップを両手で握った状態でスタンバイします。

このとき、排水溝や排水溝の縁に足や指をかけたりしてはいけません。

また、自由形と同様に折り返しの間やスタート後と折り返し後は、壁から15m地点までに頭が水面上に出ていなければならず、潜水したまま15m以上進むことは禁止されています。

■平泳ぎのルール

平泳ぎは、両腕を胸の前で水をかくのと同時に足を後方に一蹴りする泳ぎ方です。

スタートの後と折り返し後のひとかき目については、腕を完全に脚のところまで持っていくことができ、その間は潜水のまま進んでも問題ありません。

また、スタート後と折り返し後に1回だけ、平泳ぎの蹴りの前にドルフィンキック※をすることが認められています。

基本的にうつ伏せで泳ぐ泳法ですが、泳ぎ方に関して以下のような細かいルールがあります。

1回の腕かきと1回の足蹴りの順番で行う泳ぎのサイクルの間に頭が水面上に出なければならない 両足と両足は左右対称に動かさなければならない など

※ドルフィンキック:両足を同時に上下させ、足の甲で水を蹴ること。バタフライキックとも呼ばれる。

■バタフライのルール

バタフライは、両腕を前後に回すように動かしながら、両足で2回ドルフィンキックを行って進む泳法です。

両腕と両足のタイミングが合わないと前進しないため、高度なテクニックが必要となり、クロールの次にスピードが出ます。

バタフライも、平泳ぎと同じく基本的にはうつ伏せで泳ぐ泳法です。

「両腕は同時に動かさなければならない」「足の上下運動は同時に行わなければならない」など、泳ぎ方のルールが定められています。

また、自由形や背泳ぎと同じく、スタート後と折り返し後は、壁から15m地点までに頭が水面上に出ていなければいけません。

■メドレー競技のルール

メドレー競技には、1人の選手が4つの異なる泳法で泳ぐ個人メドレーと、4人の選手が1人1つの泳法で泳ぐメドレーリレーがあります。

個人メドレーについては、泳ぐ順番が以下のように定められています。

バタフライ 背泳ぎ 平泳ぎ 自由形

メドレーリレーも、以下のような泳法と順番が決められています。

背泳ぎ 平泳ぎ バタフライ 自由形 ■競技全般のルール

以下は、競泳競技全般に該当する主な基本ルールです。

すべての個人競技は男女別に行う スタートしたレーンと同じレーンを維持し、ゴールする 折り返しはプールの壁に体の一部を触れさせて行わなければならず、プールの底を歩いたり、蹴ったりするのはNG 競技中にレーンロープを引っ張ってはならない 速力や浮力または耐久力を助けるような道具を使用したり、そのような水着を着用したりしてはならない など

競泳ではどの種目にも当てはまるルールなので、覚えておきましょう。

■水着のルール

国際試合や世界大会では、国際水泳連盟(FINA)の承認マーク付きの水着を着用することが義務付けられていることが多いです。

FINAの承認マークは、以下のような規定を満たした水着に与えられます。

体を覆う水着の範囲は、男子はへそを超えず腰まで、女子は肩から膝まで 素材は繊維を中心としたもの

FINA承認マーク付きの水着を着用していなくても出場できる大会もあります。

しかし、FINA承認マーク付きの水着は競泳用に作られているため、体を動かしやすく、水の抵抗を軽減するなどのメリットがあります。

そのため、国際試合でも国内の競技大会でも、FINA承認マーク付きの競泳水着を着用するのがおすすめです。

ほかにも、競泳では「着用できるのは水着1枚のみ(重ね着は禁止)」「水着や体へのテーピングをする際は審判長の許可が必要」といった水着のルールがあるので、覚えておきましょう。

プールで水泳を楽しむときのルールやマナー

ジムで水泳を楽しむときにも、一定のルールやマナーを守る必要があります。
続いては、公共のプールの使い方として知っておきたいルールやマナーを解説します。

水着・スイミングキャップを着用

ジムでプールに入る場合、水着とスイミングキャップの着用は必須です。

ビキニや海水パンツなどの遊泳用水着は浮いてしまう可能性が高いので、おしゃれさよりも機能性を重視して、競泳用またはフィットネス用の水着を用意すると良いでしょう。

また、ほとんどのジムでは、抜け毛によってプールが汚れないように、キャップの着用が義務付けられています。

値段が手頃で通気性にも優れたメッシュキャップが人気ですが、塩素による髪へのダメージが気になる人は防水性の高いシリコンキャップを選ぶのがおすすめです。

プールの前にシャワーを浴びる

公共のプールに入る前にはプールを汚さないために、シャワーを浴びるのがマナーです。
メイクはしっかりと落とし、ネックレスやピアスなどの装飾品も外しておきましょう。

スマホは持ち込まない

ジムのプールには、プライバシー保護や犯罪防止のため、スマホの持ち込みはNGです。プールサイドはもちろん、更衣室での写真撮影もマナー違反となり、禁止しているジムもあります。

また、通話もほかの利用者に迷惑がかかるため、ロビーや施設の外で行いましょう。

飛び込み禁止

ジムのプールでは、飛び込みは禁止されています。

大勢の人がいるプールに飛び込んで入ると、衝突してしまう危険があるため、スタート台からだけではなく、プールサイドから飛び込むのもNGです。

ビート板や浮き具は元の場所に戻す

ジムのプールでは、ビート板や浮き具などの用具を貸し出している場合もあります。
借りた用具を使い終わったら必ず元の場所に戻し、次に使う人が気持ち良く使えるようにしましょう。

ルールを覚えて水泳をもっと楽しもう

水泳(競泳)には、スタートの仕方や泳ぎ方、泳ぐ順番などについて、泳法によって細かいルールが定められています。

競技種目や泳法ごとのルールを覚えておくと、試合観戦をより楽しむことができるでしょう。

また、ジムなどの公共のプールを使うときにも、ルールやマナーは覚えておきたいところです。今回紹介した内容も参考に、みんなが気持ち良くプールを利用できるよう心掛けましょう。