【スポーツメンタル】メンタルコーチングを受ける事が「心の弱さ」を認めることに繋がるのか?

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 メンタルコーチングでしたり、メンタルトレーニングを受けたいと考えながらも受けないスポーツを頑張る人が世の中にはたくさんいます。特に若いスポーツ選手ほど「自分には必要ない!」と考えている方も多いと思います。実際にそういった声を何度も聞きます。しかし、逆に、「もっと早く受けに行けばよかった」と若い頃とは別の意見を持ち始める20代後半に差し掛かる選手が口を揃えて話をしてくれます。そんな思いをもった選手たちのために綴りました。

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なぜメンタルコーチングやメンタルトレーニングを受けたくないのか?

多くの理由として挙げられるのが、メンタルトレーニングやメンタルコーチを受けるということがスポーツシーンにおいて自分の心を弱いと認めてしまう行為につながるのではないかと考えている選手がいます。その結果、メンタルコーチングを受けたくなかったという話を聞きます。

私自身も、現役時代にメンタルトレーンングを本を読んでいた際に指導者から「メンタルが弱いお前が読んでも変わらない」「メンタルトレーニングって宗教だろ?」と何度も言われたことを覚えています。だから、いまだにスポーツメンタルに関わる面においてサポートを依頼する怖さがあって当然だと思っています。

最近ではメンタルコーチングを受けること自体がスポーツでは一般化され始めました。それでも中には他人の目が未だに気になる方もいます。メンタルコーチングを受けていること自体を誰かに知られると、それによってバカにされたりする怖さがあるようです。他にも、メンタルコーチングを受けているのに結果が伴わないからダメなんじゃないかと周りに思われる怖さがあるそうです。

メンタルコーチングを受ける怖さ

メンタルコーチングやトレーニングを受けることが弱いことを認めてしまうことにつながると考えている人にとってちょっと辛いことを書きます。それは、「弱さを認めない限りは前に進めない」のです。自分の本心を認めず、自分を隠すことが心の葛藤や心が疲弊する要因を作っていきます。スポーツではこの心の葛藤や囚われがなくなるとゾーンに近づけると言われています。

だからこそ、まずはメンタルについて困っていることを認めると、メンタルの問題は改善しやすくなります。まずは弱さを認めるということが重要になってくるのです。その過程において、自分を認めることがスポーツで大成するために重要になってきます。

自分を認めてあげるということができないスポーツ選手は、いつまでたってもある状態で苦しみます。それが「自分の否定」です。自分に対する否定がずっと続くとどうなっていくか?頭ではポジティブでありたい自分と、心ではネガティブな自分が葛藤してしまいます。頭と心がケンカしてしまっている状態です。この状態が続くと、スポーツのパフォーマンスが上がりません。当然、スポーツの結果も出なくなってしまいます。こういった状態を避けるためにも、自分自身を認めてあげ、次の一歩を考える必要があるのです。

周りの目が気になる怖さ

もう一方で、自分自身がメンタルコーチングを受けていることをまわりに知られる怖さがあります。これについてお話すると、自分自身がメンタルコーチングを受けていることを公に人に話す必要はまったくありません。

私自身、24歳でうつ病を経験してます。心療内科や精神科に通ってました。カウンセリングやコーチングも受けましたがこういった心の悩みを打ち明ける場所について、家族にも黙っていました。それくらい、知らせたくない気持ちがあって当然だと思うのです。だからむやみやたらとメンタル面について人に語る必要はないと考えています。

しかし、最近だとSNS上でメンタルコーチやメンタルトレーナーの方々が、実際に受けてくれている選手・アスリートのスクリーンショット画像を貼り付けたり、その選手が特定されないように顔にモザイクやスタンプを隠してSNSに投稿している実態があります。部屋の雰囲気とか身体の雰囲気とかで察しがついちゃう人がいるかもしれないので、誰かにバレる可能性があります。そういう利己的なメンタルコーチやメンタルトレーナーの人がいることで、メンタルのことをサポートしてもらうと誰かにバレるかもしれないという怖さを抱く方が増えてしまっているのだと思います。

本当にサポートが必要な人を支えたい

我々、一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会ではそういった行為はしないようにしています。うちの講座を卒業されたスポーツメンタルコーチの方々は、基本的にはアスリートとの秘密は第一に厳守して行動することを大事に取り組んでもらっています。

なぜならば、スポーツで頑張る選手が自分の話したことが人に伝わる怖さや不安を最大限に減らしてあげたいのです。心理的にすでに悩んでいるスポーツ選手なのに、利己的なことで本来支えるべきはずのスポーツ選手の心が支えられないことは本末転倒だと思っています。

そうならないためには、我々は基本的にサポート中の選手についてSNSなどでご紹介はしません。(選手から紹介してほしいなどの除く)そういったことを大事にしているメンタルコーチは当協会以外にもいるのでそういった方を見つけて欲しいなと思っています。そして、そういったメンタルコーチのコーチングを安心して受けに来ていただけたら業界としても健全な世界になっていくと信じています。

最後になりますが、メンタルコーチングでは何か特定のことをやってくださいと選手にお願いすることは基本的にはありません。そうではなく、選手一人ひとりの心の声に寄り添いながら、選手一人ひとりのパフォーマンスを高めていくために、思い込みの蓋を外していく認知行動変容を第一に取り組んでいます。

そして、選手一人ひとりの自発性、自主性を最大化できるメンタルコーチングの仕組みを提供し続けていきます。もし、困ったことがあれば、お気軽にお問い合わせください。

[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人

1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。