カタール史上最大の軍艦 揚陸艦「アル・フルク」進水 伊フィンカンティエリ
カタール初の本格的な揚陸艦です。
全長143m、排水量8000トンある大型艦
イタリアの造船メーカー、フィンカンティエリは2023年1月24日、カタール国防省から受注した新たなドック型輸送揚陸艦(LPD)の進水式を行ったと発表しました。
フィンカンティエリのパレルモ造船所で進水したカタール海軍向けドック型輸送揚陸艦「アル・フルク」(画像:カタール国防省)。
進水式にはイタリア側からグイード・クロセット国防大臣、カタール側からハリド・ビン・モハメド・アティーヤ副首相兼国防担当大臣らが参加し、同艦は「アル・フルク」と命名されたとのこと。
フィンカンティエリによると、設計はRINAMIL(海軍船舶分類規則)規則に準拠して行われており、船体サイズは全長約143m、幅21.5mで、排水量は約8000トン。船内には兵員約550人を収容することができ、2つの車両ランプと注水することで小型舟艇が進水可能な、いわゆるウェルドックが備えられるほか、船上には上陸用舟艇(LCM)の積載スポットと揚降用クレーンも装備、さらにNH90ヘリコプタークラスの発着が可能な飛行甲板も設けられています。
兵装については、艦首に62口径76mm速射砲を1門備えるほか、遠隔操作式の30mm機関砲や「アスター15」および「アスター30」の両艦対空ミサイルシステムを装備。さらに魚雷などの攻撃かをかわすためのデコイ発射機も搭載しています。
カタールは2017(平成29)年にイタリアとの間で海軍艦艇7隻を建造するため、総額50億ユーロの一大建艦契約を結んでいます。契約の内訳は全長100mクラスのコルベット(小型水上艦)4隻、両用戦艦艇1隻、巡視船2隻であり、今回進水した「アル・フルク」はこの両用戦艦艇にあたります。