ふだんの友人との会話と仕事で使う言葉が異なるように、ビジネス英会話も、日常の英会話とは少々異なります。でも、あまり心配しなくて大丈夫。このシリーズでは、知っておくときっと役立つ“ビジネス英語のキホン”を、英会話イーオンさんに教えてもらいます。

第4回は「ほめ方のバリエーション」を詳しくみていきましょう。

○■部下、同僚、上司で「ほめ方」は変わる



会社では、上司、同僚、部下で、ほめ方は少し変わります。以下のフレーズを例に、立場の違いごとにみていきましょう。

Thank you for being punctual. I’m glad we can count on you. (時間厳守してくれてありがとう。いつも頼りになります)

○部下をほめる場合

I’m impressed by your punctuality. You’ll go far with that mentality. (いつも時間厳守だね。そのメンタリティであればこの先成功するよ)

○同僚をほめる場合

You’re always so punctual. What do you do to keep it that way? (いつも時間に正確だよね。どうやったらそうできるの?)

○上司をほめる場合

I’m impressed by your punctuality. What do you do to keep it that way, sir? (いつも時間厳守されていますよね。どのようにしたらそうなれるのでしょうか?)

一般的に、マネージャーは、部下がまだ学びの途中であるような「基本的なスキル」はすでに習得済みであると考えられます。そのため、上司に対してはあまり基本的な事柄をほめない方が良いでしょう。

×BAD

You are very good at submitting documents by the deadline. (いつも書類の締め切りをきちんと守っていますね)

◎GOOD

Your ability to multitask and stay punctual is fantastic. How do you do it so well? (マルチタスクをしながら〆切厳守されていてすごいですね。どうやったらそのようにできるのですか?)

ここでは言葉の選び方が重要です。「マルチタスク」のように、より広範囲でチャレンジングなスキルをカバーする言葉が良いでしょう。「書類の提出」のように非常に基本的なことを述べるよりもずっと良い言葉の選択となります。

○■ほめ言葉のニュアンスとバリエーション

英語にはさまざまな「ほめ言葉」があり、それぞれニュアンスや“ほめのレベル”感が異なります。

【普通にほめるレベル】

・Nice

・Good

・OK

【高めのレベル】

・Excellent

・Great

・Amazing

【特別なほめ言葉】

・Wonderful

・Fantastic

・Exemplary

また、ほめるときには、その気持ちをきちんと届けるために声のトーンも大事です。その努力に対して「素晴らしい」と思う気持ちがそこには必要です。各単語のアクセントのある音節を強調して発音すると良いでしょう。

【例】

・éxcellent

・amázing

・wónderful

・exémplary

○■ほめられたときには、どう返す?

どのようにほめ言葉に反応するかはその個人によりますが、一般的なのは感謝を表すか、または「どう答えたらわからない」と伝えることです。外国人の中にも、シャイだったりほめ言葉が苦手な人もいます。

○Appreciation 感謝を表す

・(Oh), thank you!(ありがとう!)

・I’m glad that you appreciate my work.(喜んでいただけてうれしいです)

・Of course. I’m happy to help.(もちろんです、手伝えて嬉しいです)

○Modest / Embarrassed 謙遜/恥ずかしがる

・Thank you. Oh, sorry. I’m not very good at accepting compliments. (ありがとう。ごめんね。褒められるのがちょっと苦手で)

○行動をほめられたら…

・No problem. +[Any appreciation line above] (とんでもないです。 +上記の[感謝を表わす]言葉のどれか)

・Anyone would do the same.(他の人でも同じことをしたはずです)

なお、ネイティブでもシャイな人は、“Thank you”と言う時にアイコンタクトなし、小声で反応する場合もあります。

○【ワンポイント】英語圏でも国によって「ほめ」の文化は異なる

同じ英語圏でも、国や文化によって、ほめる方法や言葉は十人十色。一般的には、北米の人たちはよりほめることが多いようです。ほめるときには比較的カジュアルな言葉を使う傾向があります。特別なケースではよりフォーマルな言い方も使います。

U.K.(イギリス)では承認はとても大切であると考えられていますが、大げさな表現はより少ないと思います。平均的には、使われる言葉はよりフォーマルであり、実際の感情、思いを内に秘めた控え目な表現が使われています。オーストラリアでは、北米同様によりカジュアルな言葉が使われます。ですが、よりフォーマルな表現は北米やU.K.(イギリス)で使われるものとよく似ています。語彙、イントネーション、表現は、地域や国、それぞれのカルチャーグループによってもかなり異なっています。

誠実さと正直な反応は、どんなときも良い印象を残すでしょう。感情をオープンにして人とのつながりを作っていってくださいね。

Be lavish in your praise, and hearty in your approbation.

賛辞は惜しみなく、称賛は心をこめて~ Dale Carnegie デール・カーネギー

次回は、「英語のオンライン会議」で使える“お役立ちフレーズ”をご紹介します。

英会話イーオン 1973年の創業以来、語学教育を通じて、世界で通用する人材育成を目指すイーオンは、指導力・人柄ともに優れた日本人教師と外国人教師を採用し、それぞれの強みを活かしたレッスンを提供しています。学習者は苦手を克服しながらコミュニケーション力を高め、日常英会話やビジネスで使える英語力の習得が可能。通学・オンラインのどちらも提供し、ひとりひとりに合った学習プランや学習方法を案内しています。 英会話イーオン:https://www.aeonet.co.jp/ イーオンキッズ:https://www.aeonet.co.jp/kids/ オンラインレッスン:https://www.aeonet.co.jp/online/ この著者の記事一覧はこちら