「小学生ホスト」と呼ばれていた当時の琉ちゃろ君

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「自分の好きなことだったり、スキルを活かせたりする仕事に就きたいと思っています。小5、小6くらいから、“なんかジャニーズは違うな”と。それで中1の終わりくらいから、“数学楽しいな”、“数学者ってすげぇ、意味わからんけどすげぇ!”ってなっていって。今憧れてるのは数学者です」

【写真】『小学生ホスト』の現在は、爽やかイケメン!

 そう話すのは、元“小学生ホスト”・『琉ちゃろ』。4歳ごろからしていたという、金色に染めて“盛られた”髪に、ホストのような格好がかつて話題を集めた。あれから10年。現在、髪型は盛られてはおらず、黒髪。そんな元小学生ホストに現在・過去・未来を聞いた。

「小学生ホスト」琉ちゃろの現在

 今、琉ちゃろは14歳。中学2年生の日々は――。

琉ちゃろ「大体7時半に起床して……」

「アハハハハハハ」

 そう琉ちゃろの言葉を笑ったのは、彼の母『ちいめろ』。登録者数70万人を超える人気YouTuberとして活動。母であり、また小学生ホストの“生みの親”といえる。

ちいめろ「7時10分くらいから起こしてるんですけど、ちっちゃいときから朝が弱くて」

 14歳といえば思春期の真っ只中。なかには反抗期として母を疎ましく思う子も少なくないだろう。しかし、このふたりは母が子に、子が母にとそれぞれにツッコミを入れるなど、非常に仲睦まじい姿が伺える。

 学校が終わって帰宅後は、宿題を含め予習復習など勉強に勤しむ。

琉ちゃろ「でも、授業中とんでもなく眠くなるときがあって。そんな時……寝てしまうんです(笑)」

ちいめろ「学級委員をやってるんで、だから一応ね、学級委員の役割頑張ってるよ、ね!?」

琉ちゃろ「一応……!」

ちいめろ「生徒会とかもやってほしかったんですけど、生徒会はほかの学校との交流があるんで、学校がバレちゃうってことで、担任の先生が“やめたほうがいいんじゃないですか”って。それで生徒会は諦めました。

 上に立つ人になってほしいんです。いろいろな経験を積み重ねてほしいんで。小学生、中学生のうちから人の前に出るという経験をしてほしいと思って」

 母から見て、息子はどんな性格か。

ちいめろ「昔からよくしょうもないことをやって笑わせてくれて。結構ちっちゃいときからいろんな人と関わる経験をしてるから、すごく“陽キャ”だったんですよ。もう本当にいろんな人にしゃべりかけるし、誰とでも友達になれるみたいな。

 それが小学生の高学年あたりは“遅咲きの人見知り”というかちょっと“陰キャ”みたいな感じになったりもしましたね(笑)。中学生になったらまた戻って、みたいな」

 YouTube『ちいめろチャンネル』では、琉ちゃろの定期テストの結果を公開している。直近のテストでは学年8位と上位にいる。その動画で「良い大学に行きたい」と話したことは、複数のネットニュースに取り上げられた。

ちいめろ「そこだけがすごく抜粋されて報道されて……。変なプレッシャーを感じてほしくないと思います。“いい大学に行きたいっていうのは、“とにかく良い大学、良い大学!”っていうことじゃ全然なくて。

 今は夢が決まってないんですが、いざ夢を見つけた時に学力が足りないからなれないって言うのはもったいないと思うんです。なので夢を見つけた時のために、そして選択肢を広げるためにいい大学に行くことが目標なんです」

進学校に行けるなら行きたい

 現在中学2年生。大学の前には高校がある。

琉ちゃろ「高校は進学校……進学校って言い方で合ってる? 行けるなら行きたいですね」

ちいめろ「自分も成績として良いほう、いや悪くないほう(笑)、だったんですけど、琉は自分よりもすごく上位の成績。努力しているのが結果に出ていてすごいっていうのはあるんですけど、正直まだ努力の余地はあるかなって思ってます(笑)」

琉ちゃろ「これ以上は厳しいです(笑)」

ちいめろ「親としてはやっぱり夢を叶えてほしいという気持ちがすごく強くて。自分は夢を叶えられなかったんですよ。それを今でもすごく後悔していて。これからの子なんで、努力すればする分、可能性が大きいじゃないですか」

 ちなみにちいめろ家では、「学年15位以内に入らないと携帯電話とゲーム機を没収」というルールがある。

ちいめろ「常に高みを目指してほしいので、目標があったほうがいいじゃないですか。何かのために結構、人って頑張れると思うんで。琉ちゃんにとって携帯ってすごく大事なんですよ」

琉ちゃろ「生命線」

ちいめろ「命の次に大事なんじゃないかっていう大事な携帯を取られるってなると頑張るかなと思って。だから目標を設定して、ダメだったら没収にしました」

 大事な携帯とゲームを死守しながら、琉ちゃろは現在、勉強に励んでいる。そんな彼の現時点の“夢”は。

琉ちゃろ「憧れてる人がいて、それはラマヌジャンです」

 シュリニヴァーサ・ラマヌジャン(1887年12月22日生〜1920年4月26日没)。インドの数学者で、直感的かつ天才的な閃きにより「インドの魔術師」の異名を取った(ウィキペディアより)。

琉ちゃろ「最初はあまり成績は良くなかったみたいなんですけど、高校くらいで数学に目覚めて、そこからすごく頑張った人なんです」

ちいめろ「なんか数学者の中の有名人みたいな感じ、らしいです(笑)。数学が好きなんですよ」

 母として息子になってほしい職業などはあるのか。

ちいめろ「琉がやりたい職業に就ければ何でもいいと思っているんですけど、ただ生きていくためにはお金も必要なので、その辺を踏まえた上で、将来、自分が困らないような仕事に就いてくれればいいかな。って思いつつ、まだ心の、心の奥底ではジャニーズになってほしいなって思います(笑)」

憧れはジャニーズから数学者へ

 琉ちゃろが当時、ホストのような格好をしていたのは、母が思う“かっこいい”がそれだったということもあるが、有名になってほしいという思いもあった。ジャニーズに入るために"知名度を上げておこう"という目論見もあったという。息子は"ジャニーズになる"という事に対してどう思っていたのか?

琉ちゃろ「昔は本当にジャニーズになりたいって思ってました」

 本人の“きっかけ”は『Hey! Say! JUMP』の山田涼介。

琉ちゃろ「(母の頬をツンと指しながら)どこぞの誰かさんがね、家でミュージックビデオを流したりしてたんで。それを見て“かっこいい”って思ったんですよ」

ちいめろ「もともと自分がジャニーズが好きで、琉ちゃんがちっちゃいときから“ジャニーズになってね、なってね”って。そんな感じで育っていったなかで、たぶんハマったのが山田くんだったんだと思います」

 自身もジャニーズへ入る願望はあったが、その思いは成長とともに消え、冒頭のように数学者を“カッコいい”と思うようになった。

琉ちゃろ「数学をやっているうちに、(問題を)“こんな感じで解くんだ”、“俺も解けるように頑張ろう”って思うようになりました。問題が解けるのが楽しい、面白いって」

ちいめろ「YouTubeでも数学の動画見てたりしますね」

 小学生ホスト時代、心無い批判もあったが、それと同時に“カッコいい”・“かわいい”という声も多かった。14歳の琉ちゃろは“モテるのか”。最後にふたりに聞いてみた。

琉ちゃろ「僕はまっっっっったくモテませんね。中学校は保育園、小学校からずっと一緒な幼馴染みたいな子がたくさんなので、なんかそういう関係じゃないな、みたいな感じです。あと、授業中に寝てることがあるのでそれかなぁ……」

ちいめろ「違うよ、琉ちゃん! やっぱり運動音痴だからだよ(笑)! ちっちゃいときからダンスやってたのにねぇ(笑)」

 4歳のホストからジャニーズ志望、そして憧れは数学者……。幼児だった彼は、10年経ち少年となった。さらに10年後、青年となった彼はどんな職業に就いているだろうか。

「今でも“芸能人いいよ”って言ってるんですけどね(笑)」。

 母がそう言うと、息子はこの日いちばんの「それないわぁ……」という顔をして笑った。もしかしたらホストの格好と同じく、中学生の息子をYouTubeに出演させることに否定的な人はいるかもしれない。しかし、動画の中でも、この取材でも、息子は母とのやり取りをとても楽しんでいるようだった。