TEAM SHACHIがメジャーレーベルを離れ、自主レーベル<ワクワクレコーズ>を立ち上げた。11月にリリースされたEP『舞いの頂点を極めし時、私達は如何なる困難をも打ち破る』はその第一弾作品となる。「トウカイ盤」と「カイトウ盤」の2種リリースで、先行曲「舞頂破」を筆頭にクセの強い曲が集まった。

【動画を見る】「舞頂破」ミュージックビデオ

今回は最近お休み気味の連載「めかくしストリーミング」でもおなじみの咲良菜緒にご登場いただき、レーベル立ち上げに伴う心境の変化や新作とその収録曲「東海コンプライアンス」に散りばめられたピー音に隠された謎についてなど、たっぷり語ってもらった。とりあえず、いつものように最近よく聴いている音楽の確認からスタート。

―最近、何聴いてますか?

いいの見つけたんですよ! たまたまのめぐり合わせだったんですけど……なんて読むんだろ……この人たちです(とSpotifyの画面を見せる)。

―あっはっはっ! FAITH NO MOREじゃないですか! 「Epic」!

この曲しか聴いてないんですけど、ボーカルにhideさんみをすごく感じて。「やっとこういうの見つけた!」ってなりました。ほんと、数日前に見つけて。

―やっぱり、菜緒さんは90年代の人ですねえ。これはおじさんが知ったらまた喜ぶヤツですよ。90年代の音楽を掘っていったらもっと好きなものが見つかるんじゃないですか?

本当ですか? これはもう、ドンピシャのドンピシャで好き。「こういうのも好き〜」とかじゃなくて、「これだよ、これ!」みたいな感じだった。

―ここのところの菜緒さんはインスタにポップスをあげてるのが目立ったけど。

ああ、そっちも聴いてるけど。

―ど真ん中ストライクはFACE NO MOREだったと。

でも、古い音楽は数が多いから、一度いい曲を見つけちゃえばその人たちのほかの曲を聴いていけばいいけど、見つけるまでが大変。どれから聴けばいいのかわからない。「気持ち悪いし、すごくクセ強いなあ……でもカッコいい!」みたいな、そういうのにハマっちゃうんですよねえ。

―やっぱり、ボーカルとサウンドの気持ち悪さがポイントなんですね。

ボーカルが聴きやすくていい声だといい歌に聴こえちゃいますよね。

―いい歌じゃないほうがいい?

いい歌というよりも「ゾクゾク」。何言ってるかマジでわからんけど、「なんかすごーい!」みたいになる気持ち悪い系の曲。あっはっはっ!

―最近の音楽シーンだとそういう曲は少ないんじゃないですか?

うん、全然ない(笑)。

―菜緒さんの場合、新しくてもRAMMSTEINですもんね。では、本題に入りましょうか。2月にメジャー最後となるアルバム『TEAM』をリリースしましたが、それ以降の菜緒さんの心の動きを聞かせてください。

大きかったのはシャチサマが延期になっちゃったことと(7月10日に大阪城野外音楽堂で開催予定だった「TEAM SHACHI SHACHI SUMMER 〜破茶滅茶!夏のサバイバル!〜」。10月10日に開催された)、自主レーベルを始めたこと。もともとは自主レーベルを発足する前にシャチサマをやる予定だったんですけど、順番が逆になってしまって。でも、結果的にはそれでよかったかなって。自主レーベルが8月に始まって、シャチサマは10月にあったんですけど、10月になったことで新しい曲をちゃんと大きい会場で見せられたし、それがなかったら年末のアコースティックライブでのお披露目になってたから結果的によかったかなって。あと、心境の変化としては、自分たちのそばで曲を出すことになったので、それを見てるのが面白いです。

―そうか、制作の過程がより見えやすくなったのか。

そうそうそう。今ままでは「これでーす」って言われたものをやってたから。でも、ゆうて私たちも細かいところは全然わからないから、今回も3つぐらい候補の曲を挙げてもらった中からひとつ選ばせてもらうって感じで。

―なるほど。

で、メンバーみんなで「こっちの曲がいい」とか言い合うのが面白い。「へぇ〜、これが好きなんだあ」みたいな。あと、これまでも自分たちが知らなかっただけで、こういうことをいつもやってたんだなあとも思った。でも、自分たちでレーベルを始めて変化したのはそれぐらいです。曲の制作をちょっとだけのぞかせてもらうようになったぐらい。それ以外にやってることはそんなに変わらないので、今まで通りやらせてもらってるって感じです。

自主レーベルの強み

―『TEAM』の頃から自分たちでいろいろ考えるようになったって言ってましたけど、それは今も続いてるんですよね?

そうですそうです。だから、自主レーベルになって急にバン!って変わらないでよかったです。改名してライブのことやチームのことを自分たちでもちょっとずつ話すようになって、そういうことに慣れてきてから自主レーベルになったので。

―考えることがもっと増えたのかと思ってたけど。

みんなのマインドは「やりたいことをやりたい!」って感じだからけっこうシンプルなんですよね。

―これまではマネージメントがあってレーベルがあってって感じだったけど、今はマネージメントとレーベルが一緒だから話は早くなりますよね。

それに、メンバーが「これがいい」と思うものを尊重してくれるチームなので、マネージャーさんも毎日私たちのことを見てるからそこからいろいろ汲み取ってくれるし、私たち的にはやりやすいです。もちろん、意見が違って話し合うこともありますけど、お互いに納得した状態で話を進めようとしてくれるのでモヤモヤすることはない。

―となると、自主レーベルを立ち上げていろいろ変わったのはスタッフだけっていう。

そう! スタッフさんが大変(笑)。私たちはどんどん快適になってる。

―あはは! 

しかも、私たちも「なんでこういうことをやるのか」っていうことがいろいろ理解できるようになってきたし、気になることがあればすぐに「これはどうして?」って聞けるし、これまでは勝手に決まってることが多かったけど、いまは自分たちがやってるすべてのことについて理解した上で進められる。それってアイドルでは超珍しいことだと思うんですよ。人数も少ないチームだし、長く快適に活動するためにこういうことはめちゃ大事だなって思いますね。

―今までは常識としてスーッと流れていた音楽業界のあれこれについていちいち確認できる体制になったと。

そう。これまでは「こういうものなんだな」って流されてやってきたけど、途中で「なんでこれはこうなんだ?」って思うようになって、そういうひとつひとつの疑問を潰していってます。だから、何をやってるのかわからないっていうのは今はキツいですね(笑)。

―大人になるとね。

そうそうそう。人に自分たちのことを説明する場が増えてきてるのに、「いやあ、なんか知らないけどこういうことになってるんですよねえ」って言うのは恥ずかしい。だから、今みたいな環境にしてもらえて、社会人としてよかったなって思う。

―10代の頃は流されていく楽しさもあったけど。

うんうん、あったあった。

「私たちのライブのテーマ」

―でももう大人だし、自分たちのやってることに責任を持ちたい。そして、そうなってみると、これまで自分たちの知らないところで仕事を進めてくれてた人たちのありがたみもわかってくるっていう。

そう。「このことについてこう決断するってすごいことだったんだな」っていうのはちょっとずつわかってきた。でも、そこはちょっと葛藤ですね。知っちゃったからにはもう知らないふりはできないし、今は自己プロデュースみたいになってきてて自分たちの在り方が変わってきてるので、そこは難しいなって思います。

―一般的に、メジャーから離れることをポジティブに捉える人もいればネガティブに捉える人もいると思うんですけど、菜緒さん的にはどうなんですか?

自主レーベルを始めるときの話し合いでは意見が割れたりもしたんですよ。でも、私は仕事というよりも、生き方的にやりたいことをやりたくて。

―自分の人生としてね。

そうそう。少し前に決めたことがあって、「やりたくないことはやりたくないから、そうならないように頑張る」って。そういう意味では「ああ、いいんじゃない?」って感じでした。変わるのは自分たちで曲を出すってことだけじゃないですか。自分たちの意見も反映されやすくなるし。あと、周りに自分たちでレーベルを立ち上げている人も増えてる印象で、困ったときに相談できそうな人もたくさんいたからチャレンジするのもありかなあって。

―今の体制だと仲間を引き込みやすくなりますよね。

あと、フィーチャリングがやりやすくなる。

―ああ、これまではレコード会社の都合もあったから。

そう。これからはいろんなアーティストさんと絡みやすくなるし、いろんな音楽と触れ合えるかもっていうのも私的には大きかったです。

―そうしてできあがったEPのタイトルが、メジャーだったら絶対に通らなかったであろう『舞いの頂点を極めし時、私達は如何なる困難をも打ち破る』で。

これ、ヤバいですよね(笑)。長いし、たぶん誰も覚えないと思う。20人ぐらいじゃないかな(笑)。でも、私、サブスクでよく音楽を聴くんですけど、アルバムタイトルがこれぐらい長かったら聴いちゃうかも。

―へぇ〜。

なんかよくわかんないからとりあえず聴いてみちゃう。だから、そういうぱっと見のインパクトはあるのかなって。

―タイトルらしさがミリもないです。

うん、文章だから。でも、これを略すと「舞頂破」(EP収録の先行配信曲)になる。もともと「舞頂破」の説明としてもらったのがこれだったんですよ。造語なんですけど、これが私たちのライブのテーマを表しているし、チームのモットーみたいな感じになってると思います。

―かつてのヘンテコさが大人になって再び戻ってきた感じがしますね。

そうなの! やっと帰ってきました。ヘンテコやりたかったんで。今回も全然まとまってないし、まとめようとしてない(笑)。

―しかも、<トウカイ盤>と<カイトウ盤>を合わせると5曲ありますけど、そのうち2曲が変拍子っていう。

難しかった、本当に。でも、どの曲もまったく系統が違いますけど、それぞれ印象に残りやすいからそれがいいなって思いますね。

―菜緒さん的に一番しっくりくるサウンドってどの曲ですか?

(即答で)「東海コンプライアンス」。これと「光」はそれぞれ3曲ある中から選んだ1曲なんですよ。「東海コンプライアンス」は東海に関する歌詞を乗せることが最初から決まってたので、これ以外にも、シャチが歌うかどうかは置いといて個人的にドンピシャな曲があって。でも、それは東海の歌詞を乗せるようなタイプの曲ではなかったんですよね。

―今日の話の流れで「ドンピシャ」って言われるとFACE NO MOREみたいな曲なのかなって思っちゃいますね。

あ、でも、若干ダークというか陰で奇妙な感じです。だから、「これは別の機会に使いたいわあ」って。テンションは低いし怪しい曲だけど、ほかのメンバー的にもすごく残ったみたいです。

―自分も「東海コンプライアンス」が一番好きです。

ですよねー! いいよねー! ノリで歌っちゃう曲というか。

―思ったんですけど、この曲のテーマが前にこの連載で聴いてもらったILLMARIACHの名古屋案内の曲と同じなんですよね。

ああ! はいはい! たしかにあったね!

―あのとき、「こんなの歌いたい!」って言ってて。

……叶ったね。あはは! EPを作る段階で「東海のことを歌いたい」って伝えてたんですよ。

―この曲の何がいいって、東海地方の人間以外ピンとこないフレーズがあちこちに出てきて、地元の人間以外を全員置いてけぼりにする感じなんですよね。それがカッコいい。ピー音で処理されているところが4箇所ありますけど、ここも地元の人ならわかるのかなあ、とか思ったり。

わかるのかなあ? でも、バレたら私たち消されちゃうかもってぐらいのことを言ってるので、本当に(笑)。

―へぇ〜! でも、○○○はわかりましたよ。ヒントが歌詞の中にちゃんとあったから。

ああ、○○○はね!

―でも、あとは全然わからない……伏せ字にするから教えてくださいよ。

(マネージャーに向かって)書かなければいいんじゃない? じゃあまず、<規則違反者は>のあとは<○○○○○行き>って言ってるんですけど、これは名古屋の○○○○○○で、○は多いんだけど○○○○ないんですよ。○○○重視の○○○○○とかを作ってて、みんなが遊び感覚で行く○○○○○○、みたいな。で、○○くて○が多いから、ネタとしてこの名前を使ってます。

―なるほど!

その次は<○○○の池>なんですけど、これは○○○○○○○○のことです。○○○○でここに行く○○が多いんですけど、愛知県にはそれにまつわる伝説があって、誰かが○○○○を池に落としたって言われてて、○○○○でここに行くときには事前に「絶対に○○○○を池に落とすな」って説明を受けるんですよ。だから、本当のところはわかんないけど、愛知県民はみんな誰かが○○○○を池に落としたっていうことを知ってるんですよ。そういう話からこのフレーズは生まれてます。

―全然知らなかった。

で、<ひよっこ嬢ちゃん>のあとは<○○○○噛むぞ>で……。

―あっはっはっ! そりゃあダメだ!

これが一番危ない!(笑)そんな感じかな。

―いやあ、いい話ですねえ。この曲はほかにも<さるぼぼ>がわからなくてググりました。

あ、さるぼぼ知らなかったですか? みんな付けてましたねえ。

音楽面での新機軸

―そうやって様々な新機軸はありつつも、デビュー時から楽曲提供している浅野尚志さんの楽曲はあるという。

いつもの浅野くんとは違う曲だけど。

―浅野さんってTEAM SHACHIにとってどういう存在なんですか?

ええ〜? 万能な人かな。

―これまでのアルバムで浅野さんの曲が収録されないことはなかったじゃないですか。それぐらい欠かせない人物なんですよね。

浅野くんが書く歌詞は、雰囲気が本人たちに合ってる気がするんですよね。難しいことは言わないしストレートなんだけど、きつすぎない。メンバーのマインドもそんな感じで、めっちゃシンプルなんですよ。私はワーッといっちゃうけど、他の子はマイペースでほわほわしてるから、そういう雰囲気が浅野くんの言葉と合ってる気がします。

―曲ももちろんいいけど、どちらかというと歌詞の方に重要性を感じてる。

言いにくいなあとか、こういう言葉は使わないなあって感じることが少ないんですよ。ずっと歌ってるからっていうのもあるかもしれないけど。

―その一方で、永澤和真さんは今作から参加している新しい作家さんですよね。

そうなんです。「舞頂破」と「東海コンプライアンス」。でも、さっきも話したけど、「東海コンプライアンス」は3つある中から選んだらたまたま永澤さんだったっていう。

―なんか、TEAM SHACHIの新たなキーマンになりそうな気がしますけど。

あ、なると思います。

―大人になったTEAM SHACHIの新たな軸を作ってくれそうですね。

うん。ね!

―でも、キャリアとともにやることは変化してきていますけど、4人とも声の雰囲気が変わらないですよね。

あ、それはめっちゃ大事にしてます。上手く聞こえる発声とか声質ってあるじゃないですか。でも、私たちの場合は個性を生かしたままピッチをよくしたり、表現できるニュアンスを増やしたりっていうやり方でボイトレをしてるから、敢えて変えないようにしてます。

―そこは努力してる部分なんだ。

そう、わざと。

―それはまたなんで?

最初からそういう方針で。昔はヘンテコな曲が多かったから声にも個性があるほうが面白いっていうことで、みんなで同じものを目指すんじゃなくて、それぞれの強みを活かしていくっていうことになってた。でも、メンバーもそっちのほうがいいと思ってたし、私たちは曲を聴いたときに「あ、これはこの子の声だ!」ってすぐにわかりたい人たちだから、歌いグセとかを敢えて直してないんですよ。

―さすがに昔のような幼さはないですけどね。

歌い方でだいぶ変わっちゃうんだと思いますけど、そこはすごく気をつけてやってます。だから、ボイトレの先生もメンバーによって教え方が違うと思います。自分の無意識なクセを注意しないでくれてたり。

―これからもそこは変えないし、特に変えたいとも思ってない。

うん。ふふふ。4人になってからハル(坂本遥奈)はラップのパートが増えたし、それぞれの得意分野というか、似合うパートが増えてきてるから、その子らしさはより大事にしていきたいですね。

―『TEAM』でようやく新しい体制の全貌が見えたと思ってたんですけど、今となってみるとあれは総まとめだったんですね。

そうですね。いったんまとめたって感じ

―で、ここからまた新たなTEAM SHACHI像が作り上げられていくという。

そう。改名してから自分たちのことがわかってきて、そこからまた遊び始めるようになったのかもしれない。

―『TEAM』って菜緒さん的にはどういう立ち位置なんですか?

改名してからわりとずっと真面目だった印象で、もちろん今も真面目にやってますけど、当時はみんな大人になったし、キャリアも上がるから、楽曲のベースを上げるための基礎トレというか、自分たちの軸を鍛えた3年間。で、今はやっと私たちの本当のテンション、「東海コンプライアンス」みたいな曲で「いえーい!」ってやりたいっていう気持ちが出てきた。これが私たちの根本なんですよ。だけどそれをやるためにはやらなきゃいけないこともあるじゃないですか。自分たちのレベルを上げないと遊びの部分が本当にただの遊びに見えちゃって面白くなくなるから、それがより楽しくなるように軸を固めてたんだと思います、いま振り返ってみると。

―やりたいことをやるための基礎づくりの結果が『TEAM』だった。

だから、代表曲みたいなものはこの3年間のほうが挙げやすいと思うんですよ。メッセージ的にも軸になる曲が多かったと思うし。

―ということは、表現面では厳しい時間だったんじゃないですか?

そうですね。やりたいことをやりたいマインドの人からすると特にそういう面はありました。「これがいつまで続くのかな……?」って。コロナのことも含めてそう思ってたところはありましたね。

―でも、その時間がなかったら今回のEPもなかったわけで。

そうそう、そうですね。だから、この3年でいろんな曲が増えたので、そこでだいぶ鍛えられました。しゃちほこ時代は真面目な曲からわりと逃げてきたので。いや〜、改名ってデカいですね。しかも、ただのゼロスタートじゃなくて、なんとなく形があっての改名だったから、まとめるのに時間がかかりました。

―じゃあ、これからはやりたい放題だ。

本当ですよ! お遊び曲がいっぱい欲しいですね。今回も「光」とか「解凍ガール」は別ですけど、他はふざけてますからね。絵音くんの「江戸女」もだいぶふざけてるし。

―TEAM SHACHIの今後が楽しみになってきますね。

本当ですか? でも、けっこう先まで予定は決まってるんですよ。そうやって先がちゃんと見えてるのも自主のいいところだと思います。

―今後、ねちょねちょ曲が出てくるかもしれないですね。

ね〜? 出してくれるかなあ?

―「1曲だけ! 1曲だけ!」ってお願いしたら出してくれるんじゃないですか?

ちょっと言ってみようかなあ。(TEAM SHACHIで)無理そうだったら次のソロ曲にします。あはは! 私はグループでやりたいけど!


TEAM SHACHI 左から坂本遙奈、咲良菜緒、秋本帆華、大黒柚姫

ふざけてるときが一番いい顔してる

―ところで、「舞頂破」のジャケ写が何のオマージュか聞いてますか?

あ、SYSTEM OF A DOWN。

―そう。この連載で聴いたの覚えてます?

覚えてますよ! わりと好きな部類のバンドだから。これ、気づいてる人、何人かいましたよ。

―このへんの音が好きな人なら一発で気づいたでしょうね。

さすがにこれは気づくよね。あ〜、KNOTFEST行きたいんだよね。さすがにそろそろ行かないと私、人生後悔しそう。

―本当にそう!

本当にそうだよね! マジで! だから、レッチリを諦めてKNOTFESTに懸けようと思ってます。レッチリはサマソニで観れたんで。

―コロナを何年も経験してきたことで、やりたいことは今やらないとっていう感覚になってきますよね。

本当にそう。でも、やりたいことをやるって難しいじゃないですか。そもそも「何すればいいの?」ってなることも多いし、自分も最初はそうなってたし。でも今はそのためのやり方とか考え方みたいなのを身につけられてるから、自主っていいなと思います。これまでは「こうしたいならこうすればいいんじゃないの?」っていうことは考えない立場だったけど、「そんなんじゃもう無理だな」って。

―じゃあ、いいタイミングだったんですね。

だいぶ。

―ライブはどうなっていくんですか?

年末と1月と2月にぽんぽんぽんとあるんですけど、そのあとはまだ決まってないんですよね。ステラボール、Zepp NAGOYA、渋公。

―表現は変わっていくんですかね?

ステラボールではアコースティック曲をやるし、Zepp NAGOYAは名古屋では久しぶりのワンマン。渋公は前にコロナで一度中止になってたので、メンバー的には若干リベンジの気持ちもあります。まだ内容は詰めてないけど。

―でも、タイトルは決まってます。『SHACHI CARNIVAL〜仮面を外してワックワク!?はちゃめちゃ祭典〜』。

マジでふざけてる(笑)。

―一周回ってらしい活動になっていくんですね。

そうですそうです。結局、ここが好きだし、落ち着くんですよ。ちょうどいい。

―いろいろ経験してきたけど、結局戻ってくるのはここっていう。

そう。ふざけてるときが一番メンバーがいい顔してる。お客さんも。

―2023年はどんな年になるんですか?

2023年、そうだなあ……「このチームは遊ぶんだ」っていうことを知らしめていきたい。めちゃめちゃ遊んでるところをもっと伝えられるようにしたいと思ってます。そういうテンション感はここ最近あまりなかったので、そういうのがもっと伝わったら本当に楽しいと思います。

―なるほど。

あと結局、私たちは振りコピ文化のグループなんで、それを極めたいですね。今回のEPのタイトルもそういう意味なんで。<舞いの頂点>っていうのは振りコピのこと。みんなが踊ってるカオスな状態が楽しいし、それが私たちの強みなので、「みんなで踊って、何でも乗り越えていこうぜ!」って意味なんです。なので、振付はめちゃくちゃに大事にしてます。

―自分たちだけのことを指しているわけではない。

うん。みんなのことも含めてる。

―そうすると振付の発注先にもメンバーの意見が反映されていくと。

完全にそうです。曲よりも振付のことのほうが言うかも。めっちゃ言う。「これ、いらない」「これもいらない」みたいに。

―つけてもらったものをそのままやるんじゃなく、そこからもっとブラッシュアップしていく。

そうそうそう。

―では、これからの変化を楽しみにしています!

はい!

<INFORMATION>

『舞いの頂点を極めし時、私達は如何なる困難をも打ち破る』
TEAM SHACHI
ワクワクレコーズ
発売中
https://ssm.lnk.to/mainochouten


(トウカイ盤)
税込:\1,500- (税抜:\1,364-) 品番:SDPC-1030
<収録内容>
M1「江戸女」 (作詞作曲:川谷絵音 編曲:川谷絵音)
M2「舞頂破」 (作詞作曲:永澤和真 編曲:永澤和真)
M3「光」(作詞:秋本帆華 作曲:岩瀬晃二郎 編曲:山下洋介)
M4「東海コンプライアンス」 (作詞:安藤正基 作曲:永澤和真 編曲:永澤和真) ※トウカイ盤収録


(カイトウ盤)
税込:\1,500- (税抜:\1,364-) 品番:SDPC-1031
<収録内容>
M1「江戸女」 (作詞作曲:川谷絵音 編曲:川谷絵音)
M2「舞頂破」 (作詞作曲:永澤和真 編曲:永澤和真)
M3「光」(作詞:秋本帆華 作曲:岩瀬晃二郎 編曲:山下洋介)
M4「解凍ガール」 (作詞作曲:浅野尚志 編曲:浅野尚志) ※カイトウ盤収録

▼咲良菜緒 Instagram
https://instagram.com/nao_sakura_official

▼TEAM SHACHI linkfire
https://ssm.lnk.to/TEAMSHACHI

TEAM SHACHI「鯱の大感謝祭」
2022年12月24日(土)
<1部>open 13:45 / start 14:30
<2部>open 17:45 / start 18:30
【会場】
東京・品川ステラボール

TEAM SHACHI 「トーカイ王国祭」
2023年1月28日(土)
<1部>
〜鳴かぬなら一緒に踊ろう!ホトトギス〜
open 14:00 / start 15:00
<2部>
足らんならまだまだ踊ろう!ホトトギス〜
open 17:30 / start 18:30
【会場】
愛知・Zepp Nagoya

TEAM SHACHI「SHACHI CARNIVAL 〜仮面を外してワックワク!?はちゃめちゃ祭典〜」
2023年2月25日(土)
open 16:30 / start 17:30
【会場】
東京・LINE CUBE SHIBUYA

https://teamshachi.nagoya/

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