53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小2の長男・うーちゃん、同じく里子から養子になった長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、宿題や歯みがきなどうーちゃんの乱れがちな生活習慣が、ある方法で改善したというお話です。

うーちゃんの規則正しい生活に○○が効果的だった件<古泉智浩の養子縁組やってみた101>

小2の男の子、養子のうーちゃんが好きなものは野球とポケモンです。毎日暗くなるまで外で近所のお友達と遊んでいます。靴下は砂だらけでお風呂場で足を洗うように言うのですが、お風呂場の足ふきマットが砂だらけになったり、お風呂の洗い場が砂だらけになったりします。

陽が短くなっており、もうちょっと早く帰宅してほしいしあんまり砂だらけにならないでほしいですが、それでもお外で元気に遊んでくれるのはとてもいいことです。お友達は4年生や1年生と学年関係なく遊んでいて、それもとてもいいことです。

 

●小学生は歯みがきを忘れがち問題

放課後は4時半まで学童保育に行っているので、そこで宿題をするように言っているのですがなかなかせず、寝る直前になってからやり始めたり、翌朝慌てて登校前にすることもあります。

「なんでも早め早めにやっておけば後はゆっくり遊べるんだよ」
口を酸っぱくして言いますがさっぱり聞いてくれません。歯みがきも言い忘れると、しないまま何日も過ごしているときがあります。

4歳の妹の保育園で、うーちゃんの同級生だった男の子のパパさんに会ったときに、お子様は元気ですか? と聞いてみました。

「歯みがきを全然しなくて、久しぶりに磨いてやったら歯ぐきから血が出た」
どこも小2くらいはまだ自発的に歯みがきをする習慣は身につかないのかもしれません。そこのお宅はお子さんが4人もいて、子だくさんだとなかなか目が行き届かすのは大変です。うちは2人なので歯みがきくらい忘れずにさせなければなりません。

 

●古泉さんが趣味のマラソンでヘロヘロになった理由

僕はマラソンが趣味なのですが、山形の長井マラソン大会に出ました。僕がマラソンを走っている間、家族はコストコに買い物に行って、買い物を終えて会場に戻ってゴールで待っていました。

 

「パパがんばれ〜」
大声で陸上競技場の入り口で迎えてくれたのですが、その日は気温が高くてすごくバテてヘロヘロでした。じつはその前の週もマラソン大会に出ていて、なにしろコロナや台風で大会が中止になって、4年ぶりの開催だったので、今年もどちらか中止になってもいいように保険で2つの大会に申し込んでいたのです。

前の週のマラソンが期待以上にいい結果で走ることができたため、山形のマラソンはキャンセルのつもりでしたが、参加費を無駄にするのはよくないし、2週連続で走るとどうなるのか気になってもいました。体が慣れてより速く走れるかもしれません。だいたい1年に1回しかマラソンを走らないから体がきついのではないかと思いました。

そうして2週連続でマラソンを走ってみたところ体の疲れが抜けていないのか、ものすごくきつかったです。絶対にやらない方がいいです。毎週マラソン走る人なんか聞いたことがないし、そんな練習方法も聞いたことがありません。

 

●子どもたちが応援してくれて感激!

とにかくそんな状態だったのだけど、子どもが2人ともゴールで応援してくれると感極まってついついスピードを上げてしまいました。

うーちゃんの前を通り過ぎるときに手を挙げていたのでハイタッチをしたら、それはハイタッチではなく捕まえたトンボを僕に見せようとして掲げていたのでした。

 

ハイタッチのつもりでトンボの羽をつまんでいる手を叩いてしまいました。走っているときはメガネを外しているので全然見えませんでした。

 

ゴールの後は、立ち上がることができず芝生に倒れていると、妹のぽん子ちゃんが紙コップの水を持ってきてくれました。寝転んでいる僕に遠慮なくのしかかってきます。子どもは容赦がありません。

●うーちゃんと温泉へ。そこで明かした「秘密」とは…

長井マラソンは山形名物の芋煮とおにぎりを走り終えた人に配ってくれます。しばらく休むとなんとか動けるようになって、芋煮のテントに行きました。ランナー以外の人も1杯500円で販売していたので、みんなで芋煮を食べました。悶絶しそうなほどすっごくおいしかったです。

その後、家族みんなであやめ温泉に向かいました。男湯と女湯に分かれて入って、ここ最近うーちゃんとゆっくり2人で会話することもなかったことを思い出しました。露天風呂で岩風呂があってそこでは2人きりでした。

「うーちゃん、今日はどうもありがとう。応援のおかげでタイムが5分縮んだよ。うーちゃんも毎日宿題やれやれ言われて大変だけどがんばってよくやってるね。じつはね、うーちゃんがやりたいかと思ってポケットモンスター、ソード&シールドのソードの方買ってあるんだよ」

 

「え?」
うーちゃんが目を丸くしました。前からゲームは麻薬的に夢中になりすぎるからよくないと禁じるようなことばかり伝えていました。

「やってみたい?」
「うん」
「そしたらさ、毎日宿題終わって、晩ごはん食べて、お風呂に入って歯をみがいて、次の日学校に行く道具を準備できたら寝るまでやってもいいよ。9時までだよ」
「わかった」

 

●うーちゃんの規則正しい生活にゲーム。効果は抜群だ!

すると、その日は温泉の後、帰宅するともう夜の8時を過ぎていたのですが、すぐに学校の道具の支度をして歯をみがきました。ポケモンがしたい様子です。寝る時間までやることにしました。

本人は男の子なので、当然男の子のキャラクターを使うと思ったら女の子を選んで、名前もアルファベットで適当にmkとつけました。なんのこだわりもないようです。しかも、ゲームを進めていくと、いろいろな説明やゲーム内の人物との会話があるのですが、一切読まずにガンガン進めます。

「ちょっと読んだ方がいいよ。けっこう大事なこと言っているし、謎が解けないよ」
そう伝えるとちょっと気にする様子ですが、それでもじっくり読むようなことはまったくなく、ガンガン進めます。

とやかく言われるとつまらないだろうし、本人なりに楽しんでいればいいのかなと思いました。見ているとあれこれ口を出したくなるから画面をあまり見ないようにしました。そんな調子ですが、それから毎日宿題をさっさと終えてお風呂も言えばすぐに入ってくれます。今のところとてもいい感じです。

 

◆この連載が『特別養子縁組やってみた1』『特別養子縁組やってみた2』という電子書籍になりました!