照明の選び方や設置場所を工夫して、便利で心地よい住まいにしましょう。2年前に地元の工務店で家を建てた日刊住まいライターは、玄関框(かまち)に間接照明をつけて大正解だったと振り返ります。加えて、リビングや洗面所ではどのような照明計画をしたのか詳しくレポート。ちょっと失敗した、後悔した点も合わせて語ります。

玄関の框に人感センサーの間接照明をつけて大満足!

筆者は2年前に地元工務店で家を建てました。その際にこだわったのが照明です。なかでも絶対つけたいと思っていたのが、玄関の間接照明。工務店には設計時から希望を伝え、框部分に人感センサーの間接照明を設置しました。

ここは、こだわった照明でいちばん気に入っている場所。スイッチを押さずとも、人の動きを察知して、足元がやさしい光で明るくなります。ですから、夜帰宅したときも、玄関に入ってそのまま靴を脱ぐ行動に移れます。

照明がいい雰囲気でお迎えしてくれると、帰宅時の仕事疲れもやわらぎます。小さな幸せを見つけたような気分に。

間接照明を設置するうえでの注意点は、どの程度照明を隠して明るさを調節するかだと思います。わが家はトイレも間接照明にしましたが、設置位置が悪かったのか、思った以上に明るくなって、雰囲気を台なしにしてしまいました。

 

吹き抜けのリビングには、調光タイプのスポットライト

リビングを吹き抜けにすると、通常のように天井につける照明では、明るさが十分に確保できません。どうするか悩みました。

天井だけ暗くなるのは嫌だったので、壁や梁に上下にライトのあるスポットライトと、通常のスポットライトを取りつけてもらうことに。

 

調光できるタイプを採用したので、子どもがいるときは明るく、夜ゆっくりしたいときは暗めにして過ごしています。暗めにして、お酒を飲みながらテレビを観ていると、とてもリラックスできます。調光タイプにして大正解。

壁づけのスポットライトをカーテンレールの近くに設置する際には、影ができないように注意しないといけません。干渉しないように、位置に気をつけました。工務店の話だと、吹き抜けのシーリングファンとライトが干渉して、せわしなく動くファンの影が気になってしまう例もあるそう。

 

階段と洗面台はブラケットタイプでかわいらしさを演出

階段と洗面台の照明は妻が選択。かわいらしさを演出したいということでブラケットタイプにしました。普通のライトでは出せない、よい雰囲気が出ていると思います。

 

洗面台はダウンライトとブラケット両方がついています。ダウンライトは明るいので朝の準備のとき用。ブラケットは夜に入浴後のドライヤーをかけるとき用。そのときどきの気分で使い分けています。

 

ブラケットはおしゃれでよいのですが、階段に設置したものに関しては、実用面をもっと考えて、人感のフットライトにすればよかったかもしれません。

光がまぶしいダウンライト。安易に多用して後悔

こだわって満足してる照明ですが、後悔していることもあります。それはダウンライトを多用しすぎたことです。

採用したダウンライトは、電球が交換できない一体型にしてしまったので、交換の際は費用がかかることが予想されます。またダウンライトはまぶしいので、寝転がる場所には不向きです。和室に使用しましたが、点灯時に横になると、すごくまぶしいです。

 

悩む場所は引っかけシーリングが正解だったかも!?

キッチンとダイニングは、ダクトレールを介してペンダントライトをつけました。しかしペンダントライトには意外な盲点が。

傘の部分にホコリがつくのです。わが家はまめに掃除ができるタイプではないので、常にホコリがあります。傘が小さい、もしくは、傘のないタイプの照明に変更しようと思っています。

また通路部分で人感ライトにした場所がありますが、点灯してほしくないときにもついてしまうので、オフにしています。人感にする場所は、実際の暮らし方をしっかりイメージして検討した方がいいと思います。

照明に関しては2年間暮らしてみて、ほかにも感じることがあります。照明が必要か不要かで悩んだ場所には、とりあえず、引っかけシーリング(室内型照明器具を天井に取りつけるための電源ソケットおよびプラグのこと)を設置しておくのが正解だったかもしれません。

とりあえず、照明器具はつけずに暮らし始め、必要だと感じたらあとづけすればよいのですから。それに、引っかけシーリングは汎用性が高いので、照明も選びやすいでしょう。

ダウンライトを採用しすぎたこと、また、引っかけシーリングの設置が不十分だったこと。この2点は後悔していますが、わが家の照明計画はおおむね成功。とても満足できる住まいとなりました。