80歳の現役料理家・村上祥子さん。一人暮らしの食事を支える「冷凍保存テク」
80歳の現役料理家、村上祥子さん。いまだにひざ痛も腰痛もなく、気力も衰えない秘訣は、3食欠かさず食べることだと言います。「夫を送り出し、子どもたちが巣立ってひとりの生活ですが、食べることを楽しみながら暮らしたいと思っています。とはいえ、ひとり分の料理を準備するのはおっくうという話を周囲から聞くようにもなりました。そこで、冷凍保存をうまく活用することを思いついたのです」
たんぱく質50gと野菜100gの黄金バランスを意識
食材を買ってきたら、ゆでるなどの下処理をせずに、生のまま1食・ひとり分の食材を保存袋に入れて冷凍します。
「ただそれぞれの食材が冷蔵庫にあるのとは大違い。1食分ずつパッキングされているだけで、とっても使いやすくなります。解凍は電子レンジにおまかせ、そのままレンジ調理することも。余った食材を組み合わせるのもいいですよ」
●ひとり分冷凍パックのつくり方と使い方
(1) 野菜を切る
野菜は熱がとおりやすく、食べやすい適当な大きさに切ります。多少ふぞろいでも大丈夫です。
(2) 魚や肉を切って下味をつける
ひき肉やこま切れ肉などの場合は、切る必要はありません。魚や塊肉など、必要なものはひと口大に切ります。下味は、つけなくても大丈夫ですが、ここでは鮭に塩麹をまぶしています。下味をつけたものは、ラップで包みます。
(3) 保存袋に入れる
冷凍可能なファスナーつき保存袋に入れます。空気を抜き、できるだけ平たくします。
こうして完成したひとり分冷凍パックは、冷蔵なら2〜3日、冷凍なら1か月ほど保存ができます。
「使うときは凍ったままの調理で大丈夫です。耐熱皿に入れて調味料を加えてレンジ加熱すると、あっという間に1品完成です。汁物にするときはだし汁やわかした湯に加えて味つけすればOK」
●豚ひき肉+シメジ+ニンジンの冷凍パック
村上さんのレシピの中から1セットご紹介します。
「ひき肉は赤身ではなく、ほどよく脂身があるものを選んで。豚の脂はインスリンの働きを助け、糖質の代謝に働くといわれています。シメジとニンジンで、彩りや食物繊維を補います」
【冷凍パックの材料とつくり方】
豚ひき肉(塩麹小さじ1、ゴマ油小さじ1を加えて混ぜる)50g、ニンジン(細切りにする)50g、シメジ(石づきを除き、小房にほぐす)50gをそれぞれファスナーつき冷凍パックに入れて保存する
このセットから、2つのレシピができました。
●ひき肉のみそスープ
材料(1人分)
冷凍パック 1袋分
水 120ml
A[アマニ油またオリーブオイル小さじ1 みそ、しょうゆ各小さじ1/2]
【つくり方】
(1) 耐熱の器に冷凍パックの中身をすべて入れ、水を注ぐ。ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で5分加熱する。
(2) Aを加えて混ぜる。
[1人分175kcal]
●キノコとニンジンのピリ辛そぼろ
材料(1人分)
冷凍パック 1袋分
A[砂糖、赤みそ、ゴマ油各小さじ1 一味唐辛子少し]
【つくり方】
(1) 耐熱ボウルに冷凍パックの中身をすべて入れる。ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で4分加熱する。
(2) 軽く汁けをきり、Aを加えて混ぜる。器に盛り、リーフレタスなど(分量外・あれば)を添える。
[1人分191kcal]
電子レンジでバランスのいい1品が完成すれば、それだけでごはんづくりがグンとラクに。冷凍庫に数種類入っているだけで、心の支えになります。
発売中の『村上祥子さんの一生元気でいられるバランスごはん』(扶桑社刊)では、冷凍パックレシピのバリエーションや、あると便利な常備菜、さらに10分で完成する献立が1か月分ついて、栄養バランスも時短テクニックも盛りだくさんの内容になっています。ぜひ手にとってみてくださいね。