残業阻止のために受付嬢が無双します! 『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』は可憐で危険…狂気の“処刑人”が大暴れ

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 ファンタジーといえば冒険者、冒険者といえばギルド、ギルドといえば――そう、受付嬢さん!

 ニコニコ漫画「電撃大王」にて掲載中の『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』は、まさかの受付嬢にスポットライトを当てた斬新ファンタジーです。

 受付嬢の知られざる実情に耐えかねた主人公。彼女は、その身に宿した強大な力を持ってして、過酷な残業の日々に終止符を打つべく立ち上がるのでした……!

オッサン冒険者にキレ散らかす受付嬢

 受付嬢とは、冒険者ギルドにおいてなくてはならない存在であり、おもなお仕事は窓口対応や事務作業など。

 戦場に咲いた一輪の花のごとく華やかで、泥臭さとは無縁。ファンタジー世界でもダントツに安全で手堅い職業だと言えるでしょう。

 主人公のアリナ・クローバーも、受付嬢という職業には大方そんなイメージを持っていました。……実際に自分が受付嬢として働くようになるまでは。

 大都市イフールのギルドに務める彼女は、今日もカウンターの中で青筋を立てながら冒険者たちに愛想笑いを振りまきます。

 アリナに促されてカウンターにやってきたのは、ギルドでも精鋭と謳われるガンズという冒険者でした。

 重装甲のせいか、はたまた自身の実力を誇示するためか、その足取りは極めて鈍重。

 また面倒なのが来たなとばかりに、アリナはイライラを募らせます。

 この日、ガンズが受注しようとしていたのは“ヘルフレイムドラゴン”の討伐。これまで、なかなか攻略者が現れなかった高難度クエストのようです。

 応対するアリナは規定通り、彼にライセンスカードの提示を求めるのですが……返ってきたのは「確認せずともわかるだろう?」という不躾なセリフ。

 もちろん、彼女とてあのガンズの階級が2級と知らないわけではありません。

 この仕事を続けていれば、嫌でも有名な冒険者の姿や等級は覚えますし、彼が携える“遺物武器(レリックアルマ)”を見落とすはずもなく。

 しかし、それでもあえてライセンスの提示を迫ったのは、これが受付嬢に課せられた責務だから。

 冒険者たちの命を守る最初で最後の砦として、この手続きだけは絶対に省略できないのです。

 そんなアリナの意図を汲み取ったか、さすがのガンズも「……そうか、ならば」と応じ……。

 鎧を脱ぎ捨てて、素敵なドヤ顔を見せつけてくれるのでした。だから、ライセンスを提示しろと言っとろうが!

 いやはや、こんなファンタジー世界にもいるんですね。コンビニの年齢確認に突っかかってくるオッサンみたいな輩……。

「――絶対、定時で帰ってやる……!」

 毎日多忙なうえに、ひとクセもふたクセもある冒険者たちを応対せねばならないアリナ。

 先輩受付嬢たちに押し付けられた事務作業は深夜になっても終わらず、デスクに向かって愚痴をこぼします。

 積もり積もった残業も、とめどない疲労感も、「ぜんぶあのボスのせいだ……!」とアリナ。

 じつはここ最近のギルドの大混雑は、あの“ヘルフレイムドラゴン”がいつまで経っても討伐されないことが原因だったのです。

 強い魔物は別の魔物を呼び寄せ、魔物がいれば冒険者が寄ってくる。それが完全攻略間近となれば、今度は駆け込み需要も発生するわけで……。

 いくら受付嬢の自分ががんばったところで、ボスが健在な限りこの無限地獄は続いていく。

 今回の修羅場を一時的なものと思って、何とか耐えてきたアリナの精神もすでに限界を迎えていました。

 冒険者たちの体たらくにほとほと嫌気が差したアリナは、ついに立ち上がります。

 「ボス一匹倒せない、無能な冒険者どもが……!」と吐き捨てた彼女の手に握られていたのは、ライセンスカード

 そこに刻まれていた“I”の文字は、彼女があのガンズをも凌ぐ凄腕冒険者であることを証明していました……!

アリナのオーバーキルが止まらない!

 ベルフラ地下遺跡の最深層に、長きにわたり君臨していた“ヘルフレイムドラゴン”。

 精鋭パーティー 《白銀の剣》でさえも、未だ接近すらままならないという事実が、このボスの強大さを物語っています。

 あれだけ自信に満ち溢れていたガンズも、自慢のバトルアックスをへし折られ戦意喪失。

 さては遺物(レリック)を食った強化種なのだろうと絶望する彼らの前に、どこからかひとりの冒険者が現れ……!?

 ひと目で女子だとわかる華奢な体躯に、吹けば飛ぶような軽装防具。

 明らかに場違いと思われた彼女が謎のスキルを発動すると、虚空から神々しい大槌が顕現します!

 武器を生み出すスキルなど見たこともないと周囲の冒険者が驚くのも気にせず、“ヘルフレイムドラゴン”に相対する少女。

 目深にかぶったフードの奥底では、ありったけの憎悪を宿した瞳がギラリと輝いています。

 残業地獄の元凶を葬るべく、軽やかな跳躍から渾身の一撃を叩き込んだ少女。

 ……その正体は言わずもがな、受付嬢のアリナでした!

 なぜ、アリナがこれほどの実力を持つのか。そもそも、どうして受付嬢なんかやっているのか!?

 もちろん彼女の素性を知らぬ 《白銀の剣》の面々は、恨み節とともにオーバーキルされ続けるドラゴンをみて唖然とするほかありません。

 辛うじて思い至るとすれば、“処刑人”と呼ばれる謎の冒険者のウワサ。……驚愕の大立ち回りを披露したアリナの今後の活躍が気になった方は、ぜひ続きをチェックしてみてください!

(画像はニコニコ漫画『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』より)