観光地には人が戻りつつある(写真:AP/アフロ)

 10月11日、観光需要を喚起する対策として、「全国旅行支援」が始まった。1人1泊あたり最大1万1000円が補助されるだけに、予約は殺到。だが、現場では大混乱が起きているようだ。

 今回の「全国旅行支援」は、10月11日から12月下旬までを予定しており、補助金による割引率は旅行代金の40%。上限は、日帰り旅行と宿泊のみは1人5000円まで、交通手段とセットの場合は1人8000円までと決まっている。加えて、旅行先の飲食店などで使えるクーポンが、平日1人3000円、休日は1000円ぶんついてくる。

 朝9時から予約開始となったが、直前からかなりの人数が待機していたようで、アクセス殺到により、旅行サイト各社がサーバーダウンする事態となった。

《国旅行割始まった!!どこのサイトもサーバーダウン》

《全国旅行割のせいか旅行サイトがつながらない!サーバーに負荷かかってますね。早めにとらなきゃいけないのに〜。みんな考えることは同じなのね》

「予約開始から時間がたっても、旅行サイトによってはつながらなかったり、通信が重かったりと、各所で不具合が起きました。数日前から、問い合わせが宿や旅行会社に殺到していたこともあり、混乱が収まっていない状況です。

 実は、前回の『Go Toトラベル』は全国一律でしたが、今回の『旅行支援』は自治体ごとに名称が違い、クーポン券の受け取り方やワクチン接種の回数など細かい部分でルールが異なるんです。

 各都道府県ごとに、マニュアルもバラバラですから、現場も把握しきれていない部分が大きい。利用者1人1人が、事前にしっかり情報収集しておくことが必要でしょう」(旅行ライター)

 実際にSNSでは、観光業に携わっているとみられる人々の “阿鼻叫喚” ツイートがあふれている。

《現場はギリギリに詳細知らされて、パニック状態。ただでさえ3連休で稼働9割以上なのに、問い合わせの電話や、既存予約のキャンセル対応に追われて、死にそう。客に詰められても、こっちだって知らんわ!!自分で調べろや!!ってキレそうになった》

《全国旅行支援でいろんなサーバーがダウンして現場は混乱しております もう電話で問い合わせしないで…特に旅行サイトからの予約はホテル側では適用できないので…》

 コロナ禍が少し落ち着いたこともあり、観光需要は上がっている。大和総研は「旅行需要を大きく押し上げる効果が期待できる」として、経済効果8300億円という試算を出した。その成果はいかに――。