『ブラックパンサー』監督、チャドウィック・ボーズマンさんの死で映画製作やめようとしていた
映画『ブラックパンサー』(2018)を手がけたライアン・クーグラー監督が、2020年8月に主演のチャドウィック・ボーズマンさんが亡くなった後、映画製作をやめようとしていたと Entertainment Weekly に明かした。
アメコミヒーロー映画で初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされるなど、チャドウィックさんと共に『ブラックパンサー』を大成功に導いたクーグラー監督は、1作目の公開直後にマーベルから続編『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のGOサインを受けており、すぐさま脚本作業に取りかかった。しかし、チャドウィックさんは2020年8月に大腸がんのため死去。『ブラックパンサー』の関係者は、チャドウィックさんが病気と闘っていたことを誰一人知らなかったと、関係者が The Hollywood Reporter に告白していた。
親友でもあるチャドウィックさんを失ったクーグラー監督は「当時は、この業界から去っていく感覚でした。ひどく心が傷ついて、『ブラックパンサー』の続編や他の映画が作れるかどうかわからなかった」と映画監督としてのキャリアを終わらせようと考えていたという。死を受け入れることができずにいた監督は、チャドウィックさんのフッテージ映像やインタビュー映像を見返し、彼にとって『ブラックパンサー』の主人公ティ・チャラや架空の王国ワカンダが何を意味していたのかを再確認。「私は先へ進むことが理にかなっていることに気づいて、決断をしました」と亡きチャドウィックさんの思いを胸に、続編製作に力を注いだ。
チャドウィックさんとティ・チャラに敬意を表し、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は代役を立てずに製作。続編では、ブラックパンサーを失ったワカンダが、謎の王ネイモア率いる海の帝国との決戦に挑む。昨日公開された予告編には、ティ・チャラの意思を継ぐ新たなブラックパンサーの姿も収録されている。(編集部・倉本拓弥)