大容量モバイルバッテリー、3in1ケーブル、多機能時計…今すぐ準備しておきたいスマホ向け防災グッズ

万が一災害に遭ってしまったとき、連絡手段としても、情報を取得するツールとしても、いまやスマートフォンは欠かせない。もし避難先で、バッテリー切れなどでスマホが使えなくなってしまったら…。そうならないためにも、災害時に役立つスマホ関連グッズを今のうちに準備しておこう。

もしもの事態に備えよう

9月1日は「防災の日」だ。台風、高潮、津波、地震などの災害について、認識を深め、準備や心構えを改めるための日である。この記事を読んでいる人ならば、もしかすると防寒具や非常食・飲料、簡易トイレなどの用意は、すでに済んでいるかもしれない。

しかし、電気や通信関連についてはどうだろうか。ICTツールが普及した昨今、通信も実質的なインフラの一つであることを忘れてはならない。現代人の多くは、情報収集をスマートフォンなどに依存しがちであり、電気がない生活には慣れていない。

もし、避難先でバッテリーが切れてしまったらスマートフォンは使えないし、たとえ端末のバッテリーがあっても通信基地局がトラブルを起こしたら普段通りの情報収集はできない。夜中に停電が起きたら懐中電灯が必要になるし、避難先で充電用のコンセントが足りるとも限らない。災害時におこるトラブルを考えれば、キリがない。

備えあれば憂なし。ここでは、防災用として備えておきたい、スマートフォンに関連する周辺機器をピックアップして紹介しよう。

災害時にもスマホを使えるように、しっかりと準備しておこう

スマホを十分に使えるように

停電が起きたり、避難中だったりすると、普段通りに十分な充電が行えるとは限らない。たとえ一人暮らしだとしても、防災用には、複数のバッテリー関連機器を備えておくことが重要だ。

例えば、スマートフォン向けのバッテリー製品を多く展開しているAnker(アンカー)では、「Anker PowerBag」という防災セットを数量限定で一般向けに予約販売中。IPX4対応の防水バッグに、充電器、大容量モバイルバッテリー、ソーラーパネル、USBケーブルなどがまとめて入っている。

大容量モバイルバッテリー、ソーラーパネル、急速充電器、ケーブルがセットになった「Anker PowerBag」(1万6990円)。2022年8月25日から限定1500個の予約販売中(https://www.ankerjapan.com/products/powerbag2022)

また、複数人の家族で利用する場合、予算に余裕がある場合などには、ソーラーパネルを備えた充電器や、アウトドアシーンで使うような大容量のポータブルバッテリーなどを単体で備えておくのも一つの手だ。

「Anker PowerCore Solar 20000」(7790円)。IP65の高い防塵・防水性能と耐衝撃構造を備え、外での利用にぴったり。ソーラー充電機能が搭載されているため、電源が確保できないシーンで重宝する(https://www.ankerjapan.com/collections/solarcharger/products/a1650)

アウトドアシーンにも便利な「Anker 555 Portable Power Station (PowerHouse 1024Wh)」 (14万9900円)。重さ13.1kg、バッテリー容量320,000mAh。USB Type-AおよびCポートを複数、さらにAC、シガーソケットを備え、合計最大出力は1364W。一般的なポータブル電源に比べて約6倍長寿命なリン酸鉄リチウムイオン電池を使用している(https://www.ankerjapan.com/products/a1760)

汎用性の高い3in1のケーブル

モバイルバッテリーだけを用意しても、当然ケーブル類がなかったら充電は行えない。たとえ普段から多くのケーブル類を使っていたとしても、緊急時に必要なケーブルを持ち出せるとは限らないので、避難袋には防災専用のケーブルを入れておきたい。

こうした用途では、3in1ケーブルのように複数機器で使えるケーブルを備えておくと効率的だ。また、3in1であっても対応する出力が低いと機器によっては充電に使えないことがあるので、仕様もチェックしておきたい。

例えば、エレコムでは防滴袋入りで、難燃性の製品「防災用 3in1 スマートフォン用USBケーブル」を販売している。同ケーブルは、最大15W(5V/3A)での充電にも対応しているのがポイントだ。

エレコム「防災用 3in1 スマートフォン用USBケーブル」(3278円)。Lightning、Micro-B、USB Type-Cの3端子を備える。充電器側はUSB Type-A端子。カラーはオレンジとレッドの2色展開(https://www.elecom.co.jp/products/MPA-BAMBLC20DR.html)

手回しで充電できる多機能時計

大掛かりなソーラー充電器やポータブルバッテリーを備えておくのが難しいという場合には、手回し発電に対応した目覚まし時計型の防災クロックを用意しておくという選択肢もある。

例えば、リズムが展開する多機能型防災クロック「4RQ001-003」は、USB Type-Aポートが備わっていて、乾電池からスマートフォンへの出力が行える。新品の単三形乾電池が4本あれば、スマートフォンで約1分の通話、または約18時間の待ち受けが可能な電力を確保できる。

また、備わっているハンドルを手回しすることで、内蔵する乾電池への充電も可能だ。もしハンドルを1分間に120回転で2分間回し続けた場合、スマートフォンで約2分の通話、または約40分の待ち受けが可能な電力を発電できる。

さらに、普段は目覚まし時計として使えるほか、ラジオの聴取や、懐中電灯としての利用も可能だ。

機能型防災クロック「CITIZEN 防災ラジオクロック(4RQ001-003)」(7700円)。AM/FMラジオ対応、手動発電機内蔵、3.5mmイヤフォン端子搭載。時計のアラーム機能もある(https://rhythm.jp/products/detail/?goods_cd=4RQ001-003)

スマホや声で調光・調色を設定

停電時などには、照明機器が欠かせない。夜間の照明をスマートフォンのライトに頼らないためには、懐中電灯やランタンがあると良い。ベッドサイドや玄関口などに、専用の懐中電灯などを備えておくのが定石だ。

しかし、長時間の停電でなければ、普段から間接照明として使える製品を備えておくだけでも役立つ。例えば、+Styleが展開する「+Style LEDホームランタン」は、内蔵バッテリーを使う場合、最高輝度で約3.5時間、最低輝度で約10時間の連続使用が可能だ。ゴム製の持ち手も備わっている。

普段は、充電用クレイドルに乗せておくことで、給電しながらランタンとして使用可能。こうした特徴から、いざ非常時に充電されていないという事態にもなりづらい。簡易的な防災灯としては、使い勝手が良い製品だ。

ちなみに、スマートフォンのアプリと連携することで、時間や条件による点灯やモード切り替えの制御なども行えるため、日常使いでも活躍するだろう。

「+Style LEDホームランタン(RGB調色)」(1万2480円)。電源のON・OFF切り替えだけでなく、100段階の調光に対応。2700K~6500Kの調色、1677万色のRGB調色もサポートする。IPX4の生活防水仕様(https://plusstyle.jp/shopping/PS-BSL-W02)

複数ポートの充電器も忘れず

避難所などに、十分なUSBポートがあるとは限らない。運良く発電機やコンセントなどがあったとしても、USB機器を繋ぐための充電器が必要だ。その際、コンセントから離れた位置で、複数のUSBポートに繋げる充電器があると役立つ。

例えば、MOTTERUが展開する「MOT-AC60PD30U4」は、1.5mのACケーブルでコンセントから給電し、最大5台のデバイスを同時に充電できる。具体的には、USB Type-Cを1つ、Type-Aポート(2.4A)x4つを搭載する。特に、Type-CはUSB Power Deliveryに対応し、最大30Wでの出力が可能。そのため、ノートPCや大型のタブレットなどの充電にも対応しやすい。

こちらは他のアイテムに比べると重要度が低いため、普段は仕事用のデスクなどに備えておき、災害時には持ち出せたら持ち出すという使い方で良いだろう。もちろん、価格がさほど高くないので、非常用バッグに専用の1台を忍ばせておいても良い。

MOTTERU「MOT-AC60PD30U4」(2999円)。USB Power Delivery 3.0に対応しているUSB Type-Cを1ポートと、2.4A出力対応のUSB Type-Aを4ポート搭載(https://motteru.co.jp/product/ac_charger/mot-ac60pd30u4/)

本稿で紹介した機器はあくまでも一例だ。こうした製品ジャンルを参考にしつつ、改めて防災用の周辺機器を見直してみてほしい。

文/井上晃