東北道・新4号より最短最安「国道294号・408号バイパス」は使えるか 東京〜宇都宮
東京方面と宇都宮方面を結ぶメインルートといえば、東北道と新4号国道ですが、もうひとつ、東側に快走路が形成されつつあります。新4号より南北を直線的に結ぶ国道294号、408号バイパス群は、どれほど“使える”でしょうか。
国道294号・408号バイパスとは?
東京方面と宇都宮方面を結ぶメインルートといえば、高速道路の東北道と、国道4号のバイパス「新4号国道」です。東北道が群馬県館林、栃木県佐野、栃木とやや西側に迂回して宇都宮へ通じているのに対し、新4号はその東側を宇都宮まで直線的に結び、多くの区間で片側3車線となっています。
その新4号のさらに東側にも、“いい道”が形成されつつあります。それが国道294号・408号のバイパス群です。
田んぼのなかを手前から奥へ延びる国道294号常総バイパス。圏央道常総IC付近(画像:Google)。
常磐道で千葉県から茨城県に入ってすぐの谷和原IC(つくばみらい市)を地図で見てみると、そこから北へ直線的に1本の道が伸びています。これが国道294号バイパスで、栃木県真岡市にて国道408号バイパスが分岐し、宇都宮市東部へ通じています。両路線は、谷和原ICから東北道の矢板IC(栃木県矢板市)までの約100kmを結ぶ「常総・宇都宮東部連絡道路」を構成する地域高規格道路として位置づけられています。
田んぼのなかの快走路! ただ一部ボトルネックも
谷和原ICから茨城県筑西市の栃木県境付近まで約40kmの区間は、国道294号「常総バイパス」です。水海道(常総市)、下館(筑西市)など市街地を一部経由するものの、大部分は田んぼのなかを行く快走路といった趣きで、圏央道が開通した後の2019年には全線4車線化されました。
栃木県内はいまだ2車線区間が残るため、渋滞することがあるものの、そのボトルネック部分である真岡市(旧二宮町)内の「二宮バイパス」(約4km)は2020年から4車線化事業が行われています。これに続く「八木岡バイパス」(4車線)の途中で、国道408号バイパスが分岐します。
この408号バイパスが、特筆すべき“ハイスペック道路”となっています。
「高速じゃないけど80km/h区間」突入!
真岡市から宇都宮市まで段階的に整備されてきた国道408号バイパスは「鬼怒テクノ通り」の愛称で呼ばれます。ここは青看板の一般道ながら、信号がない4車線の高架道路で、自動車専用道と同等の規制が敷かれており、多くの区間で最高速度が80km/hに指定されています。
途中、北関東道の真岡ICと連絡し、鬼怒テクノ通りはさらに宇都宮市東部の清原工業団地まで続きます。そこから団地内を通過し、一部で「芳賀・宇都宮LRT」のルートと重複しつつ、団地を抜けると「宇都宮高根沢バイパス」が始まり、高根沢町で国道4号に接続しています。
実は新4号経由よりも短い! 距離と時間比較
では、所要時間はどれほどでしょうか。東京駅に近い首都高 宝町入口からJR宇都宮駅までで、「東北道経由」「東北道・圏央道+新4号」「常磐道+国道294号・408号バイパス」の3ルートをGoogle mapで比較すると、次のような結果になりました。
(1)東北道経由:135km、1時間44分
・ルート:首都高〜川口JCT〜(東北道)〜栃木都賀JCT〜(北関東道)〜宇都宮上三川IC〜宇都宮駅
(2)新4号経由:127km、1時間55分
・ルート:首都高〜川口JCT〜(東北道)〜久喜白岡JCT〜(圏央道)〜五霞IC〜(新4号)〜宇都宮駅
(3)国道294号・408号バイパス経由:117km、2時間14分
・ルート:首都高〜三郷JCT〜(常磐道)〜谷和原IC〜国道294号〜国道408号〜真岡IC〜(北関東道)〜宇都宮上三川IC〜宇都宮駅
距離のうえでは、(3)の国道294号・408号バイパス経由が最短。一部で高速道路を使う場合にも最安です。東京駅からだと時間がかかりますが、起終点次第では有力な候補になるのではないでしょうか。
鬼怒テクノ通り。最高速度80km/h区間(ドラレコ画像)。
ただ、信号がないのは鬼怒テクノ通りだけで、一部2車線区間が残ることなどが、新4号ルートと比べても時間がかかる要因のひとつ。今後どう改良されていくか注目されます。