羽田T2に”デカい（長い）アイツ”が帰ってきました。

JA752Aが初便を担当

　搭載エンジン「PW4000」の問題で運航を停止していた、ANA（全日空）のボーイング777-300国内線仕様機が、2022年8月27日から定期便へ1年6か月ぶりに再投入されました。27日午前7時すぎ、復帰初便となるNH51便（羽田→新千歳）が、羽田空港を離陸しています。


ANAのボーイング777-300国内線仕様機の運航再開初便（2022年8月27日、乗りものニュース編集部撮影）。

「PW4000」系エンジンを搭載するANAのボーイング777-300国内線仕様機は、全長73.9mの大きさをもち、514席を配します。標準型の777-200（400席クラス）より胴体延長と客席数増大が図られたモデルで、現在ANAでは5機を保有。現在国内航空会社で使用されている国内線仕様機としては、500席超の座席数をもつ唯一のモデルです。世界的に見ても、ここまで多い座席数を持つ旅客機はそう多くはありません。

　今回運航を再開したANAの777-300などが搭載していた「PW4000」系エンジンは、2020年12月にJAL（日本航空）運航便で、2021年2月に米・ユナイテッド航空運航便でエンジン損傷事案が相次ぎました。そのため国土交通省では、同系列型のエンジンを搭載するJALの13機、ANAの19機（当時。777-300と標準型の777-200、200ERを含む）に、運航停止の措置を下しました。ちなみに、ANA国際線で使用されている777-300ERについては、搭載エンジンが異なることから、国内線用仕様機が運航停止しているなかでも、通常通り飛行しています。なお、JALの13機は、運航停止にともなって対象機全てを退役させています。

　同省は2022年3月、エンジンのファンブレードの非破壊検査の強化、エンジンカウルの強化、火災防止のための改修といった再発防止策を実施することを条件に運航再開を認可。ANAではその後、所定の手順に従いながら、これらのエンジンを搭載する777シリーズの運航を順次再開しています。運行再開は6月から開始され、まず先んじて777-200が復活。長胴型の777-300が運航再開するのは、今回が初です。

　復帰初便を担当したのは、機体番号「JA752A」。この日はNH51便を担当したのち、NH54便、NH63便、NH66便（すべて羽田〜新千歳線）を運航する予定です。ANAによると、初便であるNH51便には幼児含め509人が搭乗したそうです。

　ANAは、「PW4000」系エンジンを搭載する777について、「必要な再発防止対策が整った機材から順次運航を再開し、10月末を目途に対象全機材の復帰を完了する見込みです」とコメントしています。