「ずんぐりむっくりエアバスA320」なぜ誕生? あえて胴体短縮の珍モデル「A319」初飛行-1995.8.25
どう見ても明らかに“短い”です。
A320と比べ約4m短縮
1995年8月25日、エアバスの旅客機「A319」が初飛行しました。A319は世界中で多くの航空会社が採用している、エアバス社のベストセラー旅客機「A320」の派生型のひとつで、A320と比べ約4mの胴体短縮が図られているのが特徴です。
エアバスA319(乗りものニュース編集部撮影)。
旅客機の業界では、初期モデルが出たのち、客席のキャパシティ増大を図った胴体延長タイプの派生型が出現するというのが一般的ななか、このA319は、胴体を短縮するという、いわばこのスタンダードに逆行した派生型ということもできます。
エアバス社ではA320が商業的に成功をおさめたのち、胴体を7m延長したタイプのA321をデビューさせます。ついで150席クラスのA320ではキャパオーバーとなってしまうような路線もカバーすべく、このA319を生み出すことになりました。その後A319をさらに短くしたA318もデビュー。このことで100席から200席の単通路機を、共通性の高いファミリー機でまかなうことが可能になりました。
A319は1450機以上が製造され、航続距離延長タイプやビジネスジェットのサブタイプも出現するなど、短距離路線以外にも活躍の場を広げています。2017年には、エンジンなどを換装した最新派生型「A319neo」もデビューしています。
その一方で、現在エアバス社では、かつてボンバルディアの「Cシリーズ」として開発され、2018年、エアバス社と業務提携したことで誕生した新鋭旅客機「A220」がラインナップに加わっており、キャパシティの面では、A319と同じ程度。エールフランスなどでは、A319・A318の後継機にA220を選定するなど、競合しつつある状況です。一方で2019年時点でエアバス社は、A220とA319neoの2モデルを同時に販売する方針を示しています。