【国体・障スポ応援特集】ボート少年女子 姉妹でシンクロ率高める
とちぎ国体・全国障害者スポーツ大会の注目選手・競技を紹介する特集「一期一会」です。今回はボートです。オールを漕いで原動力のない船の着順を競うというシンプルな競技です。姉妹で頂点を目指す双子の高校生を取材しました。
藤倉麻妃選手と望妃選手、佐野高校3年生の双子の姉妹です。
県の未来アスリートプロジェクトで、妹の望妃選手が中学時代にボートを体験したことがきっかけで姉の麻妃選手を誘い高校から本格的に競技を始めました。
ボートには1人乗り、2人乗りなどがありますが、いちご一会とちぎ国体で2人が出場するのは「舵手付きクォドルプル」という種目で、コックスと呼ばれるかじとりと4人の漕ぎ手の合わせて5人ひとチームで1,000メートルの速さを競います。
いかにスピードを出せるか、鍵をにぎるのは「シンクロ性」。4人が同じ方向、同じタイミング、同じ角度でオールを漕がなければボートはスピードに乗りません
栃木県チームは県内の高校ボート界をけん引する佐野と佐野東の混合チームですが、普段から同じ渡良瀬川で切磋琢磨する同士、呼吸はぴったりです。
佐野高校顧問 戸田圭一教諭:「交流練習、この日のタイムも伸びた。同じ動きをしないと船は進まないが全国でも戦える」
藤倉姉妹はチームの核を担っています。船尾側でチームのペース配分など全体のリズムを取る「ストローク」を妹の望妃選手がボートの先頭側でクルー全員を見ながらオールさばきを指示する「バウ」の役割を姉の麻妃選手が務めています。
自分たちを「本当の姉妹みたい」というほどチームには一体感がありインタビューでも息はぴったりです。
ボートは一見、手の力で漕いでいるように見えますが、足を固定した漕ぎ手のサドルはレール上で前後し、脚で押し出した力を全身を使って腕、そしてオールへと伝えます。
藤倉望妃選手:「手に見えるけれど重要なのは足、船の中でスクワットしている」
川や湖など自然の中で行われるボート競技は天候や会場によって水の状態が変わります。
この日は前日に上流で降った雨の影響で増水し水は濁っていました。
藤倉望妃選手:「ラフコンディションでも慣れるため乗せてもらう」
いちご一会とちぎ国体まで2カ月、日に日に完成度を高めるチームにあって実は藤倉姉妹が同じ船で大会に出場するのは初めて。この日のタイム測定でも記録を伸ばしたクルーは地元で日本一を目指します。