映画「島守の塔」が5日から栃木県内4カ所でも公開されます。

太平洋戦争末期、国内唯一の地上戦が行われた沖縄で軍の圧力に屈しながらも苦悩し、県民の命を守り抜こうとした兵庫県出身の島田叡知事と宇都宮市出身の荒井退造警察部長、そして懸命に生きようとした沖縄県民の生きる姿を描いた映画が「島守の塔」です。

6月30日に東京都内で特別試写会があり島田叡知事を演じた萩原聖人さんなどが舞台あいさつを行いました。

映画は新型コロナの影響で撮影が1年8カ月延期されるなど苦難を経て制作されました。奇しくも沖縄の本土復帰50年の年に公開となりました。

今回、出演した皆さん、そして五十嵐匠監督に話を聞きました。

五十嵐監督:「内務官僚の2人が苦悩をしながら沖縄の人たちを助けたことを知るにつれ、今だから、ウクライナの戦争もあるが撮影する意義があると考えた。(荒井退造は)地味ではあるが魅力的な方」

島田叡知事を演じた萩原聖人さん:「(島田叡知事は)発する言葉に二言がない。とにかく『人間』を見てほしい。昔の話ではなくこれからを考える人たちに見てほしい」

宇都宮出身、荒井退造役の村上淳さん:「映画界や世界に一石を投じる作品になった。先人たちが平和というタスキを渡し続けている。見ていただく観客の方々にタスキを渡せたら」 

沖縄県出身で軍国主義に染まった県職員の比嘉凛役を演じた吉岡里帆さん:「心が押しつぶされるような思いに何度も何度もなった。伝えようとエネルギーを放出しないと伝わらない。想像以上にエネルギーを込めないとと思った」

こういう出来事が実際に77年前にあったこと決して忘れてはいけないと思います。宇都宮市のヒカリ座、MOVIX宇都宮、小山シネマロブレ、フォーラム那須塩原で5日から公開されます。