ビンラディン一族からの寄付金を受領したチャールズ皇太子(画像は『The Prince of Wales and The Duchess of Cornwall 2022年7月7日付Instagram「The Prince of Wales, as Patron of the National Botanic Garden of Wales,」』のスクリーンショット)

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チャールズ皇太子(73)が、オサマ・ビンラディンの親族から多額の寄付金を受け取っていたことが明らかになった。クラレンスハウスは皇太子が自身の慈善団体のために寄付金を受領したとの報道に対し、強く反論している。

英紙『The Sunday Times』が現地時間31日、チャールズ皇太子がサウジアラビアの富豪一家の家長バクル・ビンラディン(76)と異母兄弟のシャフィークから100万ポンド(約1億6200万円)の寄付金を受け取っていたと報じた。

バクルとシャフィークは、1931年に「サウジ・ビンラディン・グループ(SBG)」を設立し、ビンラディン財閥を築き上げたムハンマド・アワド・ビンラディンの息子だ。ムハンマド・アワドには23人の妻と54人の子供がおり、バクルとシャフィークは国際テロ組織「アルカイダ」を設立したオサマ・ビンラディンと異母兄弟にあたる。

オサマは2011年5月2日、パキスタンのイスラマバード近くの施設で米軍特殊部隊によって射殺された。同紙によるとそれから2年後の2013年10月30日、チャールズ皇太子がロンドンの邸宅クラレンスハウスにバクルを迎え、非公開の会談を行ったという。

ビンラディン一族が寄付をしたのは、チャールズ皇太子の慈善団体「プリンス・オブ・ウェールズ慈善基金(Prince of Wales Charitable Foundation、PWCF)」だ。

同紙では、クラレンスハウスとPWCFの顧問はビンラディン一族からの寄付金の受け取りに反対したにもかかわらず、チャールズ皇太子が承諾したと伝えている。

その後、数人の顧問が皇太子に直接会い、寄付金を返還するよう懇願したそうだ。クラレンスハウスのスタッフまでもが「誰のためにもならないですよ」と皇太子を説得したという。

今回の報道を受け「プリンス・オブ・ウェールズ慈善基金」の会長イアン・チェシャー卿は声明文を発表し、「2013年にシャフィークとバクル・ビンラディンから受け取った寄付金は、当時PWCFの評議員によって慎重に検討されました」と述べた。

チェシャー卿によると、同団体は政府を含む幅広い分野からの情報収集をし、デューデリジェンス(適正評価手続き)を実施したという。

そしてチャールズ皇太子が寄付金を受け取ったという報道に対し、「寄付を受け入れるという判断は、すべて管理委員会による決断です。そうでないことを示唆するような試みは誤解を招き、不正確なことです」と述べた。

さらにクラレンスハウスの広報担当者も「ウェールズ公の慈善団体は、この寄付を受け入れるにあたり、徹底したデューデリジェンスが行われたと断言しています。受け入れの決定は同団体の管理委員会のみによるもので、人物を特定しようとするのは間違いです」と強く反論している。

画像は『The Prince of Wales and The Duchess of Cornwall 2022年7月7日付Instagram「The Prince of Wales, as Patron of the National Botanic Garden of Wales,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)