ユニバーサル園芸(東証スタンダード)。オフィスなどへの観葉植物レンタルの大手で、園芸雑貨や生花も手掛けている。コロナ禍のハイブリッドワークの影響を受けたのだろうな、と収益動向を確認した。

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 意外だった。20年6月期に続き、前6月期も増収増益(17.15%増収、5.9%営業増益)、そして今期も「30%の増収(300億円)、45.4%の営業増益(29億3000万円)」計画。第3四半期決算時で状況をこう説明している。「主力のグリーン事業で新規顧客の獲得や販売促進のマーケティング活動に注力し、売上は順調に推移。通販や園芸百貨店といった個人向け需要も堅調な推移を見せている」。

 普段、園芸とはほぼ無縁の身。「本当・・・」と、データを調べて見た。こんな結果と出会った。

★2022年3月のREPORTOCEANレポートはこう伝えていた。「2021年の芝生・園芸用消耗品の世界の市場規模は161.7億ドル。22年から30年までの年平均成長率は3.4%/30年の市場規模218億3000万ドルを予想する」。

★「巣ごもり状況下での」と銘打った、総務省統計調査はより興味深かった。2人以上世帯の(I)読書に費やした費用、(II)手芸・工芸費用、(III)園芸用植物&園芸用品費用をこう記していた。I:2016年4万3224円が20年3万9692円、II:982円が1770円、III:8444円が8695円。「そもそも園芸市場は大きく、コロナ禍の巣ごもり期にも着実に増えた」と読める。

 と見てくると「園芸」企業:ユニバーサル園芸は、着実な収益動向を示すのも「もっとも」と受け止められる。それを示すように2013年の初値で株を取得し9年半近く保有していると、分割等の影響を勘案した修正値ベースで投下資金は5倍余りに増えている。

 第3四半期時点でユニバーサル園芸では、各セグメントをこう語っている。

『グリーン事業』: 海外エリアはロックダウンの影響を引きずったが、国内分野は(前年同期比)23.1%の増収、60.4%の営業増益。

『卸事業』: 引き続き植物への需要が高く、10.0%増収、39.8%営業増益。

『小売り事業』: 順調に推移、20.4%増収、51.8%営業増益。「なお、母の日や季節要因で最も繁忙期」と但し書きをつけている。

 今後についても堅調な推移が見込まれる。関東・関西の市場に加え4月末に福岡県のSCに出店、九州進出の橋頭保を築いた。また「来店客数増」を理由に大阪府茨木市の本社併設のガーデンセンターの駐車場を拡充した。