JR中央・総武線各駅停車の飯田橋駅は、2020年7月にホームが西側へ移設され、大きく姿が変わりました。昔のホームはまだ現地に残され、「遺跡」のような姿に。「遠くなった」東口とともに、どうなっていくのでしょうか。

誰もいなくなった飯田橋駅旧ホーム

 JR中央・総武線各駅停車の飯田橋駅がリニューアル開業して、2022年7月で2年を迎えます。

 従来のホームが曲線半径300mの急カーブ上にあり、車両との隙間が広いなど安全面で課題があったため、ホームを新宿寄り(西側)へ約200m移設。あわせて早稲田通り直結の西口駅舎もリニューアルされたのです。昨年夏には西口駅舎2階に「史跡眺望テラス」も整備され、江戸城の史跡「牛込見附跡」と「江戸城外堀跡」を見渡すことができます。


JR飯田橋駅の旧ホーム部分(乗りものニュース編集部撮影)。

 さて、ホームの位置が大きく変わった飯田橋駅。現ホームから東口改札に通じる階段までは柵が設けられて「通路」に。そこからさらに東側は立ち入り禁止となっており、放棄されたホーム跡が姿を見せている状況です。

 まるで渋谷駅の旧埼京線ホームを思わせる、延々と続く通路、そしてホームの「廃墟」。これらは今後、どうなっていくのでしょうか。

東口は再生計画あり、ではホームは?

 現ホームからやや遠くなってしまった飯田橋駅の東口は、再開発とリニューアルに向けた取り組みが進められています、2020年9月、国・都・区・鉄道事業者によりに「飯田橋駅周辺基盤再整備構想」が、それを具体化するものとして2021年11月に「飯田橋駅東口新整備構想」がそれぞれ策定されました。主体は地元の産・学と鉄道事業者による「飯田橋・富士見地域まちづくり協議会」です。

 ここでは再整備の考え方として「南側の広場化」「歩道空間の確保」「ガード下の再塗装、照明・雨除け設置」などが挙がっています。

 駅本体はどうなるのでしょうか。新整備構想図では、東口は改札外コンコースが拡張され、地下鉄との連絡階段やエレベーターなどが増強されます。また北側の飯田橋交差点に架かる歩道橋への連絡通路も整備される計画です。

 なお、東口よりも現ホームに近い位置に新たな改札を設置する案もありましたが、ホームが狭いことを理由に困難とされ、構想には盛り込まれていません。

 現在使われていないホーム自体はどうなるのでしょうか。JR東日本 東京支社は、使用停止した部分について、「今後の使用は、何かに活用するのか撤去するのかなど含め、検討中です」としています。また、現のりばと東口とを結ぶ「通路部」(=旧のりば)については、「現状で完成形になります。今後何か新たなものを新設するなどの予定はございません」とのことです。

 ちなみに、現ホームでは5月12日から13日にかけてホーム柵が設置済み。6月5日(日)始発から使用開始となります。