スタイリストの山本あきこさんの人気連載。「もしかしてファッション以前?」という素朴な疑問から、「この服のスタイリングはどうしたらいい?」という現実的な着こなしまで、大人の女性の「それ、あるある!」というおしゃれのお悩みにお答えしていきます。

フォーマルまで行かない「きれいめ服」ってどんな服?

こんにちは。まだまだ寒さが続く毎日ですが、気がつけばそろそろ卒業&入学シーズン。送別会や歓迎会など、ちょっとした集まりが増える時期でもありますよね。そのような会ではよく、「ドレスコードは『きれいめ服』でいいよ!」なんて言われますが、みなさんはそこで戸惑ったことはありませんか? そこで今回は「きれいめ服」について考えたいと思います!

●「フォーマルじゃなくていい」と言われても…

と、いうのが今回のあるあるです(笑)! きちんとしすぎても浮いてしまうし、かといっていつものままで行くわけにも行かないし、「きれいめ服」って、さじ加減が難しいですよね。ただ、自分の中にルールを持っておけば、きれいめ服選びは意外と簡単なんです。

●NOT全身買い!「きちんとアイテム」は1点でOK

ポイント(1) 「ジャケット」、「シャツorブラウス」のどれかを使う

ほどほどのきちんと感が求められるシーンなら、「きちんとアイテム」は1点入っていればOK。そしてその「1点」は基本的に上半身のアイテム。なぜなら、そこがいちばん目につくからです。

具体的なアイテムでいいますと、まず間違いないのは「ジャケット」。ジャケットさえ着ていれば、たとえボトムがデニムでも、それなりの「きれいめ服」と見なされるものです。インナーは今の時期ならタートルネックなどもいいですね。もちろんシャツは間違いではありませんが、かなり「かっちり」見えてしまうので、お仕事っぽい雰囲気に見えてしまうかもしれません。

それから「シャツorブラウス」。衿のあるものやボタンのあるものは、それだけで改まった雰囲気やきちんと感を演出してくれるもの。ですから1枚着るのであれば、ニットやカットソーなどより、シャツやブラウスが効果的です。ボトムは、今年ならワイドパンツや、ロング丈のタイトスカートなどが好相性。Iラインを意識して、すっきりとしたシルエットにまとめると上品です。

 

ポイント(2) 「ワンピース」ならコーディネートも簡単

あるいは、1枚着るだけで雰囲気が完成する「ワンピース」も、「きれいめ服」として優秀です。中でもシフォンやサテンのように、落ち感や柔らかさ、透け感などがある素材のものだと大人っぽくエレガントな雰囲気に見せてくれます。このような素材だと、寒い時期にはインナーにニットなどを重ねるおしゃれも楽しめます。

 

とにかく今回お伝えしたいのは、「全身そろえなくていい」ということ。「きれいめ服」に不慣れだと、つい上から下までトータルセットでそろえた方がいいのかと思ってしまいますが、じつはまったくその必要はありません。先ほどお話ししたように、全身の中に「きれいめアイテム」が入っていれば、ちゃんと「きれいめ服」に見えるので、ぜひ試してみて欲しいです。

●アラフォーのきれいめ服、正解はこの2つ!

イラスト左は、ジャケットを使ったスタイル。パンツとジャケットはセットアップでなくてOKです。インナーにタートルを入れることで、かっちりしすぎない柔かさを出しています。無地同士の組み合わせには、スカーフをプラスするのもおすすめ! 顔まわりに取り入れるのが苦手な方は、バッグに結んでも素敵です。イラスト右は、ワンピースを使ったスタイル。落ち感のあるワンピースは、ニットと重ね着すれば肌寒い季節にも着られますね。

 

●きれいめ服は慣れれば簡単

以上となりますが、いかがだったでしょうか。私がこの春、「きれいめ服で」と言われたら……こんな感じで行きますね! 今年たくさん出ている、少しデザイン性のあるブラウスならパンツと合わせるだけのワンツーコーデでも、簡単にきれいめコーデが完成。みなさんも「きれいめアイテム1点使い」で、ぜひ、初春のイベントを楽しく乗りきってくださいね。それではまた来月!