中国相手に苦戦した日本は全体的に厳しい評価に【写真:高橋 学】

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中国に2-0勝利 出場メンバー16選手を5段階査定

 日本代表は1月27日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第7節の中国戦に臨み、2-0で勝利した。

 CBの“2枚看板”として君臨してきた主将DF吉田麻也、DF冨安健洋を怪我で欠く状況だったなか、前半11分に獲得したPKをFW大迫勇也が決めて先制。後半16分にはMF伊東純也が最終予選3試合連続ゴールで追加点を挙げた。

 シュート数14対2、ボール支配率61.4%対38.6%と、中国相手に優位な試合展開を見せた森保ジャパン。この試合で各選手たちはどのようなパフォーマンスを見せたのか。出場16選手を5段階評価(最高が五つ星=★★★★★)で査定した。

<GK>
■権田修一(清水エスパルス)=★★★☆☆
 ゴールを脅かされたのは後半の直接FKシーンくらいで、90分を通じてほとんど仕事がなかった。遠藤航がピッチを去った後半28分以降は、キャプテンマークを巻いてチームを鼓舞。

(出場なし)
川島永嗣(ストラスブール)
シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)

<DF>
■酒井宏樹(浦和レッズ)=★★★☆☆
 伊東をサポートしながら右サイドの攻撃を下支えした。相手の攻撃がさほど脅威とはならなかっただけに、欲を言えば仕掛ける回数がもっとあって良かった。

■谷口彰悟(川崎フロンターレ)=★★★☆☆
 吉田麻也が不在となったなか、ディフェンスリーダーとして牽引。ラインコントロール、1対1の局面の対応ともにそつなくこなし、相手にチャンスを与えなかった。

■板倉 滉(シャルケ)=★★★☆☆
 最終ラインからの配球、球際での守備とも無難にこなす。CBコンビを組んだ谷口とは川崎時代の同僚ともあり、コンビネーションを乱すこともなかった。

■長友佑都(FC東京)=★★☆☆☆(→後半13分OUT)
 縦への推進力や打開力など、全盛期に比べると衰えは隠せない。高い位置でボール受けても簡単に失ってしまうシーンも見受けられ、見せ場は皆無に等しかった。

■中山雄太(ズウォレ)=★★★☆☆(←後半13分IN)
 長友との交代でピッチに立った直後、正確な左クロスで伊東のヘディング弾をお膳立て。前回のオマーン戦(1-0/第6節)に続いて得点機に絡んでおり、さらなる活躍に期待が膨らむ。

(出場なし)
植田直通(ニーム)
中谷進之介(名古屋グランパス)
山根視来(川崎フロンターレ)

連係が不十分だった南野、久保は随所で持ち味を発揮

<MF>
■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★☆(→後半28分OUT)
 球際での強さはもちろん、セカンドボールへ瞬時に反応し、すぐさま前線へパスを供給する働きも光った。吉田に代わってキャプテンマークを巻いたなか、中盤の要として欠かせぬ存在であることを改めて示す。

■田中 碧(デュッセルドルフ)=★★★☆☆
 中盤からのビルドアップ時には、長短織り交ぜたパス捌きで攻撃を構築。前線への鋭い楔(くさび)のパスや正確なロングフィードなど随所に光るものを見せていただけに、得点に直結できなかったのが悔やまれた。

■南野拓実(リバプール)=★★☆☆☆(→後半40分OUT)
 前半からチャンスがありながら決め手を欠いた印象。連係は不十分でボールを受けても、次にどのようなプレーをすべきか、迷いながらプレーしているようにも映った。

■伊東純也(ヘンク)=★★★★☆(→後半40分OUT)
 右サイドからの果敢な仕掛けでチャンスメイク。ドンピシャヘッドでの追加点はもちろんのこと、スペースに顔を出し上手くパスを呼び込むなど、誰よりも危険な存在であり続けた働きぶりは特筆に値する。

■守田英正(サンタ・クララ)=★★★☆☆
 中盤を幅広くカバーしつつゴール前にも積極的に顔を出し、アイデアが光ったヒールパスで南野の決定機も演出。攻守にバランスよくタスクを遂行した。

■久保建英(マジョルカ)=★★★☆☆(←後半28分IN)
 得点には絡めなかったものの、狭い局面で持ち味を発揮。ドリブルでペナルティーエリア左へ持ち込みシュート性のクロスで沸かせた後半44分のプレーなど、随所に“らしさ”を感じさせた。

■原口元気(ウニオン・ベルリン)=評価なし※出場時間短いため(←後半40分IN)
 出場時間が短く、インパクトを残せないままタイムアップ。自身と交代した南野がそこまで機能していなかっただけに、もう少し早いタイミングでチャンスを与えてあげるべきだった。

■堂安 律(PSVアイントフォーヘン)=評価なし※出場時間短いため(←後半40分IN)
 5分少々の出場時間だったが、自らボールを運びシュートを放つ場面も。右サイドのライバル・伊東が好調ななかで、自身の戦力的価値をどうアピールするかが、今後のカギになりそうだ。

(出場なし)
柴崎 岳(レガネス)

PKで1ゴールの大迫は、決定的なチャンス逃すなど物足りない出来に

<FW>
■大迫勇也(ヴィッセル神戸)=★★☆☆☆(→後半13分OUT)
 PKでの1ゴール以外で、目立った働きはなく物足りない出来。力強いポストプレーで起点になるシーンはなく、前後半合わせて決定的なチャンスを何度も逃してしまったのは看過できない。

■前田大然(セルティック)=★★★☆☆(←後半13分IN)
 味方からパスを引き出し、果敢にゴールに迫るものの終わってみればシュート0本に。それでも、持ち前のスピードを生かしたハイプレスやゴール前での鋭い動き出しに可能性を感じさせた。(FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)