「日本が味見できるテレビを開発した」と海外で話題に
イギリスの大手新聞・The Guardianや通信社のロイターが、「日本が味見できるテレビ画面を開発した」と報じ、話題となっています。この「なめることができるテレビ画面」「味見できるテレビ画面」が一体どういうものなのかがよくわかるデモムービーが、YouTubeで公開中です。
Taste the TV: Japan invents lickable screen to imitate food flavours | Japan | The Guardian
Tasty TV: Japanese professor creates flavourful screen | Reuters
https://www.reuters.com/technology/lick-it-up-japan-professor-creates-tele-taste-tv-screen-2021-12-23/
Take a look at this delicious lickable screen to see the future we knew was coming - The Verge
https://www.theverge.com/2021/12/23/22851585/lick-taste-the-tv-screen-snozzberries-flavor-chemicals-menu
海外メディアが「lickable screen(なめられる画面)」と表現しているのは、明治大学・宮下研究室が開発した「味わうテレビ」。以下のムービーから味わうテレビがどんなものなのかを見ることができます。
TTTV: 味わうテレビ、誕生。 (TTTV: Taste Display with spray-mixing method) - YouTube
以下の画像に写っているのが、味わうテレビ。
画面の表面にはシートが貼られており、赤枠の部分でシートにスプレーを噴射し……
液滴がついた部分をスクリーン上にまで運びます。
画面をなめると、噴射された液滴の味を感じることができるわけです。
外枠を外すとさらに仕組みが分かりやすくなります。画面下部にローラーがついており……
使用済みのシートを巻き取るようになっています。シートは使い捨てなので、誰かが味見したシートを他の誰かが味見するということは起こりません。
味わうテレビの開発では、さまざまな食べ物が粉砕され……
味センサで測定。
スプレー噴射部の上部にあるケースの中身を見てみると、全部で10本の容器が設置されています。
10種の容器に入った液体をスプレー噴射で混合し、食べ物の味を再現するわけです。
味わうテレビの実際の活用方法としては「味見できるメニュー」として使ったり……
ソムリエ訓練アプリを開発したり。
味見できる料理アプリ
味覚クイズ
味覚による相性診断
味覚ゲーム
味自体を報酬にした味覚スロットマシン
乱数で味を混合した味覚ガチャ
鍵盤で味を混ぜる味覚ピアノ
また、クラッカーだけしかなくともウェブサイトから味をダウンロードしてクラッカーに噴射し、多様なトッピングを楽しむことが可能です。
味を再現するスプレーは、酸味・苦味・甘味・塩味・うま味の五味を基本としています。
また、アルコールの味や……
辛味も表現可能。
またフレーバーを使って香りも再現します。
塩分・糖分量チェックも可能なので、健康的な食事を助けるツールとしても利用できるようです。
明治大学の宮下芳明教授は、味わうテレビを、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する時代、家にいても世界の反対側にあるレストランで食事をするような体験ができるように」という考えで開発したとのこと。宮下教授は過去1年間で30人の学生と協力してプロトタイプを作成しており、商用版の作成に必要な費用を約10万円だとみています。