突然の「冬用タイヤ規制」どうする? 発令時は冬用タイヤ以外はNG? 高速道路で注意すべきコトとは

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どんな規制? 「冬用タイヤ規制」の意味

 日本の高速道路では、冬になると「冬用タイヤ規制」や「チェーン規制」などが発令されることがあります。
 
 この冬用タイヤ規制が発された場合には、冬用タイヤ以外のタイヤ高速道路を走行することはできないのでしょうか。

高速道路で発令される「冬用タイヤ規制」とはどのようなものなのか

 降雪の際に高速道路などでは「冬用タイヤ規制」「速度制限」「通行止め」「チェーン規制」などが実施されることがあります。

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「冬用タイヤ規制」では、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤなど)またはタイヤチェーンなどの滑り止め装置を装着しないと走行できません。

 冬用タイヤであるスタッドレスタイヤには、ゴム質が柔らかいという特徴があり「サイプ」と呼ばれる溝の切り込み部分が、路面の水分を吸い上げて氷を掴むことで、凍結路面でもグリップ性能を発揮します。

 また、そうして積雪・凍結路面での走行性能が認められたスタッドレスタイヤには、「STUDLESS」との表記が見られます。

 NEXCO中日本の広報担当者は、冬用タイヤ規制について以下のように説明します。

「管轄の警察署など、関係各所と協議をおこない、必要性を考慮して区間ごとに規制を実施しています。

 実際、2021年11月24日には、東海北陸道の降雪が予想される一部区間において、冬用タイヤ規制を発しました」

 一方の「チェーン規制」は、スタッドレスタイヤに加えて、チェーンを装着することが義務付けられた規制です。

 これは、大雪特別警報や「大雪に対する緊急発表」など、天候が著しく悪化するとされるときに発令されます。

 例えば、NEXCO中日本の管轄では、中央道の飯田山本ICから園原IC間・須玉ICから長坂IC間、北陸道の丸岡ICから加賀IC間・木之本ICから今庄IC間の計4か所が対象です。

 このほかにも高速道路では、路面の状況によって、50km/hから80km/hの速度制限や、大雪など天候状況が深刻で、走行に支障があると判断された場合は、通行止めが実施されることもあります。

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 万が一、天候や雪の状態などの変化によっては走行中に「冬用タイヤ規制」や「チェーン規制」が実施される可能性があります。

 冬用タイヤやチェーンなどを装着していない場合は、最寄りのインターチェンジで降りることになるほか、チェーンを携行していればサービスエリアやパーキングエリア、チェーン着脱場で装着することで走行が可能です。

「オールシーズンタイヤ」の落とし穴に注意

 最近のカー用品店では、スタッドレスタイヤと並んで、全天候タイヤといわれる「オールシーズンタイヤ」も販売されています。

 オールシーズンタイヤは、その名の通り、1年中交換不要なタイヤに感じる人もいるかもしれませんが、実際には冬用タイヤ規制に対応していないものも存在。

 冬用タイヤ規制の際にも使用できるものとしては「スノーフレークマーク」が刻印されています。

 スノーフレークマークは、山のなかに雪の結晶がデザインされたようなマークで、タイヤのゴムの側面に表示されていることが一般的です。

オールシーズンタイヤに表記される真ん中の山型の「スノーフレークマーク」

 スノーフレークマークがついているタイヤは、前述のように積雪・凍結路面での走行性能が認められたタイヤとなっており、これは「米国試験材料協会」の基準に照らし合わせ、そのタイヤの雪道での走行安全性が測られた証です。

 ただし、スノーフレークマークでも、実質、走行できるのは2cmから3cmほどの積雪とされており、それ以上の降雪となった場合に使用することは危険です。

 オールシーズンタイヤはあくまでも雪がめったに降らない地域において、応急的に浅い雪道を走行できるものであると認識しましょう。

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 冬本番になれば、降雪地だけでなく都心部でも積雪が予想されます。そうした場合にも対処出来るようにクルマの冬支度をしておくことが大切です。