スポーツチーム、アイドル、インフルエンサーなど、あなたもさまざまな「応援するもの」があるはず。

近年では、ふるさと納税、投資、クラウドファンディング…など、いろいろなかたちで、「お金」をつかって何かを応援する行動が、身近なものになってきています。

今回は、堀江貴文さん、株式会社シーラホールディングス取締役会長兼CEO・杉本宏之さんの二人に「お金をつかって人を応援すること」をテーマにお話をおうかがいしました。



杉本さんが展開する“応援型”不動産クラウドファンディング「利回りくん」では、「大樹町ロケットファンド」がスタート(※10月15日をもって終了しています)。

堀江さん率いるインターステラテクノロジズ株式会社による北海道大樹町への「ロケット工場」設立を応援するこのプロジェクトが、なんと3日で目標額達成というかたちで着地しました。

社会貢献、地域創生、誰かの夢や挑戦を応援
https://rimawarikun.com/customers/products/16
※「利回りくん」は「応援を新しいカタチで」をコンセプトに、一口1万円から、社会貢献や地域創生、誰かの夢や挑戦に繋がる不動産に応援投資ができ、出資者は、家賃収入を中心とした利回りを得られるだけではなく、企画やコンセプトに共感・共鳴した事業に対して、オンライン上で応援投資家として携わることができます

このプロジェクトを踏まえ、お二人の「お金」「応援」、そして「宇宙」に関する哲学についてお話しいただこうというこの企画…。個人的には堀江さんを初めて取材させていただくので、必要以上に緊張して臨んだ取材でしたが……

〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉

天野:
お2人はさまざまな人から投資の依頼が来たりすると思いますが…

「この人を応援したい」と思う基準はどこにあるんですか?

堀江さん:
ノリ。


2文字…

杉本さん:
そんな(笑)。

堀江さん:
むしろ、ノリ以外で「応援したい」みたいな心理がわかんない

天野:
わかんない…

でも、堀江さんの著書やYouTubeを見て応援してくれてる人もたくさんいますよね?

堀江さん:
そこがよくわかんないんだよ。「俺のことが好きだから応援したい」っていう気持ちが理解できない。

最近聞いたんだけど、今って著者が自分の本を朗読するコンテンツが人気なんだって。

それで「堀江さんの本も、堀江さんに朗読してほしいんです!」って言われたんだけど、「う〜〜〜〜わ、超めんどくせえ!!!」と思った。意味わからなくない?


すっごい感情のこもった「めんどくせえ!」でした

天野:
ファンだからこそ、声が聞きたいんじゃないですか?

堀江さん:
たとえば小説を読んで内容がいいとか、好きとかはわかるけど、それって作者の人格が好きなわけじゃないし、「声で読んでほしい」みたいなファン心理は意味不明。

俺も本を出すと講演会とかやるんだけど、来る人の心理がわかんない。だって、全部本に書いてあるんだよ? 読めばよくない?

俺だったら絶対行かないもん


いつもどんな気持ちで講演してるんですか?

「ネットバブルの前と同じ。みんな可能性に気付いてない」スペースバブルがすごそうです

天野:
ただ、今回は堀江さんの夢を応援したいという人がたくさんいたんじゃないでしょうか…! 「利回りくん」のロケットファンドは、結局4億円以上の資金が集まったそうですね。

堀江さん:
それぐらい価値があるものなんだよ。

アメリカではすでに「スペースバブル」になってるわけだし。

天野:
スペースバブルなんですね…

堀江さん:
そうだよ。民間のロケット開発会社のSpaceXとか、時価総額10兆円超えだからね? 上場する宇宙開発企業もバンバン出てきてるし。

俺たちが考えている構想が実現すれば本当にすごいことになると思うんだけど…

でも正直、日本だと宇宙の可能性をみんな想像できていないんだよね。

天野:
何がそんなにすごいんでしょうか?

堀江さん:
これだよ…。1990年代末ぐらいの「ネットバブル」の時期もみんなそうだったわ。


情弱サイドの人間による取材ですみません…

堀江さん:
「インターネットがすごい」って言っても、「あれだろ? あの重たくて大したこと書いてない『ホームページ』みたいなやつだろ」って、全然心に響いてない。

それがネットバブルになったら、みんな金儲けしたくてすごい投資が集まるようになるの。

天野:
失礼しました…堀江さんの宇宙事業の構想を教えてもらってもいいでしょうか…?

堀江さん:
たとえばピンポン球サイズの超小型人工衛星をフォーメーションフライトさせて、それを自律型分散させる。


※複数機の人工衛星がお互いの相対位置・姿勢を制御しながら飛行する衛星編隊飛行技術。自立型分散にさせることで、仮に故障した機体があった場合、それを勝手に破棄して連結し直すことも可能なんだとか

堀江さん:
いま、宇宙に送れる物資のサイズって限られているんだけど、そのピンポン玉サイズの人工衛星を100万個とか打ち上げたら、宇宙空間でユニットを組ませて超巨大なパラボラアンテナみたいなのがつくれるんだよ。

すると、地球の通信速度に革命が起こせる。宇宙局にめちゃくちゃでかいアンテナを置くと、電力数は変わらずにブロードバンド通信ができるとか。

これってスマホが普及した今、すごく価値があるよね。


たしかにそれはすごそうだ…

堀江さん:
そのために俺はずっといろいろ動いてて、ロケット工場も3億円ぐらいで買い漁ったりしてたんだから。

天野:
ロケット打ち上げのときも思いましたけど、宇宙開発に関わるときの堀江さんって、かなり泥臭い活動をされてますよね。

堀江さん:
そうだよ。だって…岡田さん、岡田武史監督(J3・FC今治オーナー)もそれぐらいやってるもん。

2014年に株主になってから、まだJFLだったチームで年間9億円ぐらい集めてた。岡田さんが自分でスタジアムの看板広告を売って、「EXILEのHIROに50万で買ってもらったんだよ!」とかね

岡ちゃんだってこれだけやってんだから、俺も頑張んなきゃと思ってる。


突然のピュア発言…堀江さんも影響されることがあるんだ…

「これは、不動産投資を民主化してるんだよ!」堀江さんがうなった新型クラファン

堀江さん:
新しい事業のための融資って、本来は銀行がやるべきなのよ。将来大きくなる産業に対してお金を投じるという。

でも、日本の銀行はホントに保守的。アメリカとか中国とかがワーッと伸びた後に、ようやく入ってくるだろうね…

だから、杉本さんから「応援型不動産クラウドファンディングプラットフォーム」の構想を聞いたときは、面白いなと思ったわ。



社会貢献、地域創生、誰かの夢や挑戦を応援
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杉本さん:
ふつうのクラファンって、「応援できた」「思い出になった」という感情と、限定品が購入できるみたいな多少のメリットがあるものだと思うんですけど…

それだけじゃなくて、お金を出した人にずっと「権利」が残ったら面白いんじゃないかと。

お金を出して誰かのチャレンジを応援して、そこに“感情”だけじゃなくてちゃんと投資リターンが発生するっていう。

堀江さん:
何が面白いかって、「民主化ツール」になってることなのよ。

インサイダーしかアクセスできなかったものが民主化されていく」ってすごく価値があること。

たとえば本を出すとか雑誌を作るって、今までは一部のプロにしかできなかったけど、最近はオンデマンドプリントや出版事業のクラファンとか、民主化されてきている。初めて自分の本や雑誌を出すって、すごい興奮することなの。

杉本さん:
不動産の分野も、気軽になんでも投資できるわけじゃありませんからね。

堀江さん:
世に出回りようがなかった不動産情報にアクセスできるっていうのは発明だよ。

都心のタワマンみたいな、いわゆる投資用物件ではなく、「地方のロケットの工場」っていう銀行が絶対融資しない案件に、みんなで投資できたり、資金調達できたりする道をひらいたのはすごい「民主化」だわ。

杉本さん:
最近、行政さんからもお話をいただいて…

たとえば地方の県営住宅の建て替えをプロジェクト化したいんです。街を代表するコンサートホールをつくって、文化的にも地元を盛り上げていくとか。

銀行や地元の行政だけでは、正直そこまでできない。でも、クラファンのかたちで賛同する人たちが街づくりに融資できるわけです。

天野:
それはいいですね。自分の地元を応援して、投資できる感覚なのかな…

堀江さん:
俺が出資してる独立リーグの野球チームも構想があるみたいで。

運営母体がスーパー銭湯とかやってる会社だから、温泉やサウナに入りながら野球の試合が見られる球場をつくりたいんだって。地元にそんな球場があったら、応援したくなるでしょ。

天野:
最高じゃないですか!!! 行きたい。スタジアムが民主化されてるんだ…

堀江さん:
「俺たちがつくったんだ」って言えちゃう施設をつくる。

やっぱり自分ゴトになるし、お金も出して利回りが来るわけだから「俺たちも応援しよう」ってなるわけじゃん。

「まわりから見限られるときの心理状態って、そうなった人にしかわからないんだよ」

天野:
堀江さん、応援するのは「ノリだけ」って言ってましたけど…


ノリなのかもしれないけど、結果いろんな人を応援してますよね

杉本さん:
ハハハ(笑)。ちゃんと付き合いのある人に対しては大事に扱ってくれる人ですよ。僕も応援してもらった一人ですし。

前の会社で民事再生法を申請したら、誰からも連絡来なくなったんですけど、最初に電話をくれたのが堀江さんで

堀江さん:
飲んでるときに「杉本の会社やばいらしいよ」って話を聞いて、電話したの。

俺もライブドアの取締役を辞任したとき、まわりから見限られたことがあったから、気持ちがわかるんですよ。

会社が潰れるぐらい、捕まることに比べたら大したことないよって言いたくて。

天野:
なぐさめのスケールが大きい…


でも、「大したことないよ」って電話してあげる堀江さんやさしい

堀江さん:
そういう目にあってるときの心理状態って、そういう状況になった人にしかわかんないんだよね。

たとえば刑務所に入ったときもさあ…、わかんないと思うけど、手紙とかほしいわけ

天野:
刑務所の話に…

堀江さん:
みんな「手紙って手書きで書かなきゃ」と思っちゃってんじゃん。

こっちはただただ手紙がほしいだけなのよ。メッセージがほしい。パソコンとかで書いてプリントアウトした紙でいいわけ。

でも手書きだとハードルが高いから、あんまり送ってきてくれない。「いやいや手書きじゃなくて、なんでもいいから送って?」って。

杉本さん:
僕が長野刑務所に面会に行ったときも、「やっぱり孤独なのかな、なんて声掛けようかな…」と考えながら言ったんですけど…

会ったら、すごくはしゃいでて



堀江さん:
あれはたしか「2類」に上がった日かな…

2類はね、月に2回映画が観られる。しかも500円までお菓子を購入できて、お菓子食べながら映画を観られるっていう。すげーうれしいんだよね。

杉本さん:
僕が応援し返してあげなきゃ、となぐさめの言葉を考えてたのはまったく意味がなかった。あのときほど「さすがだな」と思ったことはないですね(笑)



…ということで、思わぬ獄中トークに展開してしまいましたが、“応援投資”の魅力が皆さまにもきっと伝わったことかと思います。

「大樹町ロケットファンド」は早々に募集が終了してしまいましたが、第2弾のプロジェクトも、すでに始動中とのこと。

堀江さんの宇宙構想を聞いて、ぜひ参加してみたいと感じた方は「利回りくん」にて公表されるプロジェクトをチェックしてみてください!

〈取材・編集=天野俊吉(@amanop)/文=福田啄也(@fkd1111)/執筆協力=山田三奈(@l_okbj)/撮影=森カズシゲ〉

また、本日の新R25ワイドショーでは、「『お金を使って人を応援してよかった』経験」を募集!

あなたもぜひ自分の知見を投稿してみてくださいね。

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