自宅で過ごす時間が増えたこの1年半。ARUHIとクックパッドが実施した共同調査『料理と暮らし白書2021』の結果をもとに、住まいに関する意識や行動はどのように変化したか、読み解いていきます。第6回のテーマは、在宅勤務の頻度と幸福度の関係。ワークスタイルの変化が幸福度にどのような影響を及ぼしているのか紹介します。

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働いている人の3人に1人以上が、在宅勤務を実施

出典:アルヒ株式会社・クックパッド株式会社による『料理と暮らし白書2021』

まずは、働いている人に在宅勤務の頻度(2020年4月以降のおおよその平均)について質問をしたところ「週5日以上」在宅勤務を実施している人が11.3%、「週4日」が4.6%、「週3日」が6.3%、「週2日」が6.2%、「週1日以下」が7.3%という結果に。合計35.6%の人が在宅勤務をしていることが分かりました。

在宅勤務日数が多いほど「家族・人間関係の満足度」が高い傾向

出出典:アルヒ株式会社・クックパッド株式会社による共同調査より筆者作成

在宅勤務状況別に「家族・人間関係」の満足度を5段階で聞いたところ、在宅勤務が週5日以上の人では58.8%が「満足度が高い(※)」と回答。同様に、在宅勤務が週2~4日の人は58.1%、週1日以下の人は57.0%、在宅勤務をしていない人は52.2%が「満足度が高い(※)」と回答しました。在宅勤務の頻度が高いほど、家にいる時間が長くなり、家族とコミュニケーションを深める機会も増えることから、家族・人間関係の満足度が高くなる傾向がうかがえます。

※「満足度が高い」+「やや満足度が高い」の合計

「幸福度」が高いのは、在宅勤務が週2~4日の人

出典:アルヒ株式会社・クックパッド株式会社による共同調査より筆者作成

在宅勤務状況別に生活全般の「幸福度」の高さも調べたところ、在宅勤務が週5日以上の人では45.0%が「幸福度が高い(※)」という結果に。同様に、在宅勤務が週2~4日の人は47.9%、週1日以下の人は44.7%、在宅勤務をしていない人は41.6%が「幸福度が高い(※)」と答えています。在宅勤務をしている人の幸福度が高い傾向にあり、特に在宅勤務が週2~4日の人の幸福度が高いことが分かりました。在宅勤務ならではの時間の使い方も、オフィスでしかできない仕事や交流も享受できる働き方が仕事も私生活も充実させ、幸福度の高さに繋がっているのかもしれません。

※「幸福度が高い」+「やや幸福度が高い」の合計

最も「住宅購入」「住み替え」などに積極的なのは在宅勤務が週2~4日の人

在宅勤務状況別にコロナ禍をきっかけに、新居の購入や住み替え、建て替えなどを実施・検討したか複数回答で聞いたところ、週5日以上在宅勤務している人で「実施」した人は9.9%、「検討」した人は25.8%という結果に。在宅勤務が週2~4日の人は「実施」17.8%、「検討」29.7%、在宅勤務が週1日以下の人は「実施」9.8%、「検討」22.6%、在宅勤務をしていない人は「実施」7.2%、「検討」14.6%と、在宅勤務をしている人のほうが住環境を変えたいと感じていることが分かりました。

なかでも「週2~4日」の在宅勤務をしている人にその傾向が顕著に出ています。出社日と在宅勤務日を組み合わせたワークスタイルは、通勤の利便性や在宅勤務に適したワークスペースなども必要になってくるため、バランスの取れた住まいを求め、住宅購入や住み替え・建て替えなどの意向が高くなるようです。

まとめ

コロナ禍がきっかけとなって一気に普及した在宅勤務という働き方。今回の調査結果により、在宅勤務日数が多いほど「家族・人間関係の満足度」が高い傾向が明らかになりました。また、在宅勤務と出社勤務を使い分ける、いわゆる「ハイブリット型」の働き方をしている人の幸福度が高いこともわかってきました。在宅勤務を実施している人もそうでない人も、これを機にこれからの働き方や住まいについて考えてみてはいかがでしょうか。

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