【働きたくない】コロナ後も戻らぬ雇用、“生き方”の再定義が進むか?
コロナをきっかけに、人々の働き方は大きく変化しました。通勤不要の在宅勤務がその代表例でしょう。
そして、この働き方の変化に伴い、米国民の間では“仕事の定義”や“生き方の定義”に関しても、変化が訪れています。この変化は、米国だけではなく、日本国民の価値観にも当てはまるはずです。
コロナで見つめ直される、自身の生き方
画像:Marina Andrejchenko/ShutterstockITmediaビジネスオンラインによると、米国では既にコロナ不況を脱し、「景気拡大に伴って求人も増加」しているそうです。しかし、「9月の雇用統計では、雇用者数の増加が前月比でわずか19万4000人にとどまるなど、雇用の伸び悩みに直面している」(※1)とのこと。
さらに、景気の拡大にも関わらず、就職しない人も増えているのが現状だそうです。加えて、コロナ前から会社員だった人が退職するケースが増加しているといいます。
コロナ不況によって仕事を失った人々が、景気回復に伴って就職活動を進める……という展開になっていない理由として、前述した“コロナによる働き方の変化”が上げられるでしょう。在宅勤務をきっかけに、会社で働くデメリットや非効率性を感じ、退職してフリーとして働く人々が増えている、という見方もできます。
SNSでの反応
この報道について、SNS上ではさまざまな意見が上がっています。
「わかる…わかる…家族の時間を大事にしたり自分の時間をもっと取りたい…労働時間が長すぎるのだよー!」と、仕事とプライベートをもっと両立したいという考えに賛同する声がみられました。
本来であれば会社で過ごしていた平日5日間を、自宅で過ごすことになったことで、家族との時間が増えた人々も多いはずです。また、通勤や終業後の飲み会がなくなったことで、自分の趣味やスキルアップ、副業に当てる人も多くなりました。そのため、“そもそも会社の労働時間が長い”という理由で、コロナ不況脱却後は会社に通わず、退職して自宅で仕事をするという意思決定を考える人が増えたのではないでしょうか。
また、「コロナウイルス等で、誰でも突然命を失う可能性があるということを、自分事として感じやすくなっている今、生き方を見直す人が増えるのは当然だと思う」という意見も。コロナにより、国内外問わず多くの命が失われました。この事実を、我々は日々、新聞やテレビ、ネットニュースなどで目にしてきました。こうした状況から、家族の時間を大切にしたい、自分の夢や、やりたいことに時間を使いたい、という人々が増えたという見方もできるでしょう。
そして、「コロナ関係なく仕事しないで遊んで過ごせるならそうしたい…」という声もありました。コロナで仕事を失ったことで、「自分の趣味をビジネスにしてみよう」「これをきっかけに、やりたいことをやってみよう」と考えた人も少なくないはずです。こうした人々の成功を背景に、“好きなことをして稼ぐ”ことが可能であるという価値観が広まったということも考えられます。
日本でも働き方の価値観は変わっていく?
日本においても、人生を充実させるプライベートの時間を優先したいとの考えを持ち、仕事は生活やプライベートの充実のための手段として位置付ける考え方も持つ人もいるでしょう。コロナ禍では自分を見つめ直すような時間も増え、そのような考え方が加速しているかもしれません。
仕事をプライベート充実の手段とする価値観があるなかで、コロナ前はお金が稼げる仕事であればある程度時間を犠牲にしなければならない傾向にあり、プライベートを確保しようとすればお金が減るという社会全体の認識がありました。
しかしコロナ後、お金とプライベートどちらを取るかというトレードオフがあるという価値観から脱却した人々も多いはずです。こうした価値観が広まる中では、企業側も労働力を確保するために、社員の“働かせ方”を変えていかなければいけないでしょう。
生産性高くできる仕事は何か、生産性を高めることでお金がより多くもらえる環境であるかを改めて考えることが、コロナ後の世界を生き抜く処世術になっていくかもしれません。
【画像・参考】
※1 米国で仕事に戻りたくない人が続出。日本にも波及か? - ITmediaビジネスオンライン
※@ritsuri_m・@DXlozSubIY4YMnI・@denchiman/Twitter
※nito・Marina Andrejchenko・marvent/Shutterstock