「知らなかった!」とならないために…家を買うなら知っておきたい5つの税金とは?
住まいに関わる税金はいくつもあります。ここでは、住宅を購入・保有する時には必ず押さえておきたい税金について整理します。支払う分はあらかじめ確保して準備をしておき、また、受けられる軽減などは漏らさず受けられるよう手続きをしたいものです。「知らなかった!」と後悔することがないようにしましょう。
消費税
家を買う際に、気になる税金の一つが消費税(10%)ではないでしょうか。
消費税は土地にはかからず、「建物」にかかります。また、新築にはかかりますが、中古の場合は不動産事業者から購入するときにはかかり、個人間売買の場合はかかりません。整理をすると下記のようになります。
建物の価格が2,000万円の場合、消費税10%は200万円。実は大きな支出です。
例)物件価格4,500万円(土地2,500万円、建物2,000万円)
2,000×10%=200万円
マンションと戸建てでは、購入費用に占める建物の割合が比較的高いマンションの方が、消費税が高くなる傾向があります。購入前に頭に入れておくと、物件選びの際に参考になるのではないでしょうか。なお、2021年4月1日から消費税込みの総額表示が義務化されたため、上記の例での物件価格は4,700万円(消費税含む)などと表記されます。
このほか、仲介業者を通じて家を購入する際にかかる仲介手数料も、通常、消費税がかかります。
印紙税
売買契約や住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)には印紙税もかかります。実際には印紙を購入し、書類に貼り、割印を押す形で納税になります。
印紙税の税額は下表の通りで、売買契約なら物件価格に応じて決まります。たとえば契約金額が1,000万円超5,000万円以下の場合は2万円です。また売買契約については、2022年3月31日まで税額が1万円に軽減される優遇制度があります。この優遇制度には特に条件や必要な手続きはありません。
登録免許税
土地や建物の所有権の移転等の登記をするときには、登録免許税がかかります。税額は、取得した不動産の課税評価額(固定資産税評価額)に税率をかけて算出します。一定の住宅用家屋の場合は、軽減税率が適用される特例があります。
不動産取得税
不動産を購入・新築すると、半年後に都道府県税事務所から請求が来るのが「不動産取得税」です。突然の請求に慌てないよう事前に準備しておくとともに、軽減措置が受けられる場合は事前の申告も忘れないようにしましょう。
税額は、土地・建物の課税評価額(固定資産税評価額)の3%(原則4%ですが、2024年3月31日までは3%)で、条件に合えば軽減を受けられます。
不動産取得税については、所定の新築住宅を取得したときに1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)の控除が受けられます。中古住宅も建てられた年度によって控除額が異なるものの、1997年4月1日以降の建築だと1,200万円の控除が受けられます。また、住宅用の土地を購入し、一定要件を満たす場合、評価額の2分の1が課税標準額となります。
不動産取得税の軽減措置を受けるには、都道府県税事務所への申告が必要です。申告期限は「取得から30日以内」「60日以内」など自治体ごとに定められています。原則として期限内に手続きをしなければ軽減が受けられないので、忘れずに申告をしましょう。
固定資産税・都市計画税
固定資産税は、毎年、1月1日時点で不動産を所有している人に対してかかる税金です。土地・建物の課税評価額(固定資産税評価額)に税率をかけて税額が算出されます。都市計画税は市街化区域内にある不動産を所有する人に対してかかる税金です。
不動産の購入時には購入以降の期間分を売主に支払って精算します。名義変更後は所有者に対して「納税通知書」が届き、その用紙を使って支払います。
固定資産税の税率は1.4%が標準で市区町村によって異なる場合があります。都市計画税の税率は0.3%を上限に、市区町村で異なります。つまり、固定資産税・都市計画税がいくらかかるかは、個々に確認する必要があるということです。
住宅用地については下記のように税額が軽減されています。
なお、新築住宅に対する軽減もあります。マンション等は当初5年間(認定長期優良住宅は7年間)、それ以外の住宅は、当初3年間(同5年間)、120平方メートル以下の部分の税額が2分の1になります。ただし、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下であることや、2022年3月31日までに新築された住宅であることなど要件があるので、事前に確認しておきましょう。
納付時期は6、9、12、2月の年4回。1年分を一括払いすることも可能です。口座振替が一般的ですが、最近はクレジットカード決済が可能な自治体も増えています(ただし、決済手数料がかかります)。
おわりに
住宅を購入する際には、忙しくて後回しになってしまいがちですが、手続き一つで軽減を受けられるものもあるので、概要だけでもしっかり押さえておきましょう。