「つらい」JALが国内線割引廃止…一部顧客には値上げも

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新規感染者数もかなり減ってきたコロナウイルス。県境を超える移動制限も緩和されつつありますが、どこかへ旅行に行きたいと考えていますか? ワクチン接種を済ませ、すでに計画している人も多いかもしれません。

そんな中、ある報道(※1)によるとJALが国内便の早期割引の廃止、実質的な値上げを発表。基本運賃システムの大幅な見直しが行われるようです。目的は「新型コロナウイルス禍で利用客が落ち込んでおり、コスト削減と合わせた運賃の見直しで業績を底上げする」ためと報じられていました。

このような値上げから私達にどのような影響があると考えられるでしょうか。また、航空会社が値上げをせざるを得ない状況に陥っていることから、どのような支援が求められているのでしょうか?

JAL国内線割引が中止!運賃を3種類程度に見直しか

画像:simpletun/Shutterstock

日本経済新聞の報道(※1)によると、“日本航空(JAL)は2023年から国内線の基本運賃を見直す。普通運賃のほかに「先得」など8種類ある早期割引を廃止し、予約の変更ができるかなどの条件の違いを基にした3種類ほどの運賃に絞る”とのこと。

変更の詳細については、“JALの国内線の基本運賃は現在、満12歳以上の「大人」を対象とした普通運賃に加え、搭乗日から一定期間早く購入すると適用される「特便」や「先得」の8種類の割引運賃がある。今回の見直しで早期割引は廃止する。普通運賃のほかは予約変更や無料で払い戻しができるかなどの条件の違いを基に運賃を設定し、3種類程度に絞る”と説明されていました。

運賃の値上げやシステム簡素化の理由の1つとして、コロナ禍で半永久的にテレワークに切り替えた企業も多く、コロナ収束後も客足が戻らない可能性が考えられることも関係していると思われます。

また、今回は国内線での話ですが、コロナが収束したとしてもワクチン接種率は国によってかなり差があるため、国際線での収益が下がることも見越しているのかもしれません。今回の値上げによって、特に若い人の間で利用が多いLCC(格安航空)に客足を取られてしまう可能性も懸念されます。

JAL国内線割引中止と値上げに対する人々の反応

画像:Terence Toh Chin Eng/Shutterstock

この報道についてTwitterでは様々な反応がみられました。

肯定的な意見として「分かりにくい運賃体系から変わるなら、これはいい」という声も。料金システムが単純化されることで、予約がとりやすいというメリットがあるかもしれません。

一方で、「地方民なのでめちゃくちゃ困る…だいたい1年前から早割りで取ってんのに…」と困惑している様子も。盆や年末などの帰省シーズンで早割りを利用していた人も多く、そのような人達からショックを受けている様子が他にも多くみられました。

さらに、「国内線の早期割引廃止はつらい。今後楽天トラベルなどの旅行予約サイトのパックやマイレージなどの割安価格には反映されるのか気になる」という声も。航空料金の値上げは、それに付随する旅行会社のサービスにも大きな影響があるかもしれないことが懸念されています。

コロナ禍で旅行業界の需要が縮小され、以前と変わらない経営は難しい状況であり、値上げやシステムの改定は仕方のないことだと言えるかもしれません。しかし、航空料金の値上げは旅行会社や宿泊施設、レジャー施設などにも影響を与えることになり、旅行業界全体がさらに苦しい状況になってしまう可能性が考えられます。

GoToトラベルなどの短期的な支援では不十分かもしれません。トラベルジャーナルオンラインの報道(※2)によると、アメリカでは「コロナ救済パッケージ3兆ドルのうち250億ドルの救済資金を米国のメジャー旅客航空会社10社(アメリカン、デルタ、サウスウエスト、ジェットブルー、ユナイテッドなど)に直接支給すると発表」しており、手厚い支援をしているようです。

今までのような支援を続けるだけでは、航空会社の状況を変化させることは難しいでしょう。経営難ゆえに、他業種への社員の出向が話題になったこともありました。日本でも、航空会社へと焦点を当てた一刻も早い支援が必要ではないでしょうか?

※1 新型コロナ: JALが国内線の早期割引廃止 23年から、一部値上げも - 日本経済新聞
※2 コロナ危機と航空への公的支援 - トラベルジャーナル
※@ykdtydt・@kure_souko・@halcyon7422/Twitter
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