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塩尻市および塩尻市振興公社はネクスト・モビリティ、アルピコタクシーと共同で、10月1日(金)から3月31日(木)まで、人工知能を活用した乗合いのオンデマンドバス「のるーと」の有償実証運行を実施することを発表した。

●AI活用型オンデマンドバス「のるーと」とは
「のるーと」はネクスト・モビリティが運行主体となり、決まったダイヤはなくAIがユーザーのリクエストに応じて適宜ルートを設定しながら運行する乗合型の交通サービス。SpareLabs社(カナダ)の配車・運行管理システムを使用し、AIが利用データを蓄積・学習することで、より効率的な運行が可能となる。また、普通二種免許での運転が可能なためドライバー採用の裾野が広がり、人手不足解消につながることも期待できる。

ラッピングをリニューアルしたのるーと塩尻
オンデマンドバス「のるーと」は既存のコミュニティバスとは異なり、利用者が必要な時にアプリで呼べる新しい「乗合バス」で、システムが乗合い状況や道路状況に応じて車両に効率的なルートを案内する。これにより、公共交通の利便性向上と安定的・効率的で持続可能なモビリティサービスの構築が期待できる。

アプリや電話で予約ができる(のるーと電話予約センター 0263-50-8668)

オンデマンドバス「のるーと」の利用方法:



・運行期間
令和3年10月1日(金)〜令和4年3月31日(木)
※12月30日(木)〜1月3日(月)は運休

・運行時間
平日:午前7時〜午後8時
土曜日:午前9時〜午後8時
日曜日・祝日:午前9時〜午後6時

・運行エリア
高出地区、桔梗ヶ原地区、大門地区の全域と広丘郷原・洗馬・塩尻東地区の一部

・運賃
大人:200円
小学生・障がい者:100円(障がい者手帳の提示が必要)
乳幼児:無料

・前回からの変更点
乗降拠点を40箇所増やし、市内111箇所に設置
バスのラッピングを変更

・のるーとホームページ
https://knowroute.jp/

●実証運行・試乗会実施の背景と目的
塩尻市では人口減少・超高齢化などによる公共交通の利用者減少、バス運転士の担い手不足等の課題を抱えている。そこで、安定的且つ効率的で持続可能なモビリティサービスを構築するため2020年から自動運転技術やAIを活用したオンデマンドバスの実証運行などICTを活用した実証運行に取り組んできた。

昨年の実証運航の様子
同プロジェクトの中でAI活用型オンデマンドバスの運行は2020年11月に無償で実証運行を行い、目標乗客数1,500名を大きく上回る2,410名(日当たり平均約80名)の利用があり、高いサービス水準を期待できる結果が得られた。また、同時に実施した利用者アンケートでは、約8割の方が高い満足度を示され、早期に社会実装を望む声が多数寄せられたことから、2022年4月1日以降に地域振興バス「中心市街地循環線」とのサービス代替を検討するため有償での実証運行を実施することとなっている。

【2020年の実証運行から得られた主な結果】:

オンデマンドバス「のるーと塩尻」:
乗客数(1日当たり):80名
平均乗車時間:7.39分
平均移動距離:2.03分
平均待ち時間:11.73分
地域振興バス(R元年度):
乗客数(1日当たり):18名
平均乗車時間:目的地よっては大きく迂回し、20〜30分程度の時間を要する
平均移動距離:目的地よっては大きく迂回し、20〜30分程度の時間を要する
平均待ち時間:1日6便運行(2〜3時間間隔)



●塩尻市が目指す交通ネットワークの姿と今後の実証運行について
塩尻市は持続可能な地域公共交通を実現するためのマスタープランとして、塩尻市地域公共交通計画を2021年7月に策定。この計画では目指す交通ネットワークの姿として、「まちなかの便利な生活」と「農山村地域のゆとりのある生活」を両立する地域公共交通体系の実現を掲げ、市街地ゾーンとその周辺の既存集落区域までの拠点間移動については鉄道及び地域振興バスでスムーズな移動を確保し、市街地ゾーン内の移動は地域振興バス又はオンデマンドバスでカバーすることにより、移動困難者の足の確保と市内地域に集積する生活利便施設へのアクセス向上を目指している。

塩尻市の目指す交通ネットワークの姿
このような交通ネットワークを構築していくため、市街地ゾーン内のオンデマンドバスへの転換については、2021年〜2027年にかけて中心市街地循環線、塩尻東線、みどり湖・東山線、広丘駅循環線、塩尻北部線、片丘線の6路線について段階的に実証運行を行い、地域振興バス路線との代替が可能か否かを検証していく。検証時には地域振興バスを同時に運行しながら利用者調査を実施し、地域振興バス又はオンデマンドバスのどちらのモビリティサービスが利用者にとって望ましいかなど利用者の意向を考慮した検討を進め、塩尻市が目指す「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」の都市構造への再編を推進していく。

のるーと塩尻の今後の実証運航スケジュール(予定)

(山田 航也)