【2週間以上保つ!】中川たまさんに教わる「夏野菜を味わう保存食」のレシピ

中川たまさんおすすめ! 元気が出る夏野菜の保存食3品

暑さで身体も心も疲れが出やすいこの季節。料理をするのが億劫に感じている方も少なくないはずです。

そんなときに役立つのが保存食。作り置きとはまた違い、数週間日持ちがする料理のことで、作ってしまえば「あとひと品何か欲しい」というときにとても重宝します。

この記事では、旬の食材をシンプルに味わう料理が人気の中川たまさんに、夏野菜を使う保存食のレシピを教わりました。

「私がこの季節によく作る大葉バター、セミドライトマトの醤(ジャン)、焼き野菜のオイル漬けの3つの保存食をご紹介します。

お料理をするのがちょっと面倒……というときに大活躍。どれも簡単にできて2週間以上保存がきくうえ、アレンジの幅も広い優れものです。旨味と栄養がたっぷり詰まった夏野菜を、シンプルに楽しんでくださいね」

1. 爽やかな香りが食欲をそそる。大葉バター

「夏になると庭に自生している大葉がぐんぐん育ちます。あまりにたくさん採れるので、そのまま食べるだけでなく、保存がきく洋風メニューにアレンジしてみました。室温にもどしたバターに刻んだ大葉を練り込むだけという手軽さ。清涼感たっぷりで夏らしいひと品です」

材料

・大葉……10~15枚
・有塩バター……80g

作り方

1. バターを室温にもどし、大葉と混ぜやすいようにやわらかくする

2. 大葉をみじん切りにする

3. 1と2をまんべんなく混ぜ合わせてラップで包み、冷蔵庫で冷やす

中川さんおすすめの食べ方

「炊き立てのコーンご飯に大葉バターを混ぜれば、あっという間にピラフ風に変身。爽やかな香りとコクに箸がすすみます。

炊き込みご飯だけでなく、トーストに塗ったり、たらこパスタに和えたりするのもおすすめ。洋食でよく使われるパセリとは、また違った風味が楽しめます」

「バターは湯煎にかけずに室温でやわらかくしてから調理することで、バターと大葉の香りがしっかりと生きます。きちんと保存すれば1ヶ月ほど持ちますので、いろいろなお料理にちょい足ししてみてください」

2. 旨味がギュッと詰まった、セミドライトマトの醤

「こちらも我が家の庭で採れるミニトマトの保存食として考えました。夏のミニトマトはとても味が濃く、スーパーでもお手頃価格で買える魅力的な食材のひとつ。乾燥させてセミドライの状態にすることで、栄養と旨味がギュッと凝縮します。夫が好きな和食や中華にも合うように、ごま油でアレンジしてみました」

材料

・ミニトマト……2パック(約400g)
・青唐辛子……1本
・しょうが……1片
・しょうゆ……大さじ1杯
・太白ごま油……大さじ3杯 ※ほかのごま油でも代用可

作り方

1. ミニトマトを縦4等分に切り、オーブンシートを敷いた天板に並べて塩(分量外)をふる

2. 100度に温めたオーブンに入れ、途中で裏返しながら1時間程度焼く。ひとまわり以上縮んで、表面が乾燥している状態が完成の目安

3. しょうがはすりおろし、青唐辛子はみじん切りにする

4. 2と3と、すべての調味料を混ぜ合わせて保存瓶に入れ、冷蔵庫で保存する

中川さんおすすめの食べ方

「セミドライトマトの甘味と酸味、ごま油のコクと風味、青唐辛子のピリッとした辛さ。いろいろなおいしさがふんだんに詰まった万能調味料です。

冷やっこにのせれば、それだけで満足感のあるひと皿に。そのほか、素麺や中華麺とあえたり、スープや卵焼きに入れたりするのもおすすめです。

栄養がしっかりと詰まっていてさっぱりと食べられるので、夏バテの時期にぴったり。2週間ほどで食べ切るようにしてくださいね」

3. 彩り豊かな夏野菜たっぷり! 焼き野菜のオイル漬け

「夏野菜の特徴は、瑞々しくジューシーで味が染み込みやすいこと。そしてカラフルで見た目からも元気をもらえることです。そんな夏野菜をハーブ入りのオイルに漬け、香り高く色鮮やかな保存食にしてみました。

夏野菜を漬ける前に焦げ目をつけて焼くことがポイント。旨味がしっかり引き出され、香ばしさが加わりますよ」

材料

・ズッキーニ……1本
・パプリカ……1本
・なす……1本
・にんにく……1片
・オリーブオイル……適量
・ローリエ……1~2枚
・バジル……適量
・塩……小さじ1/3杯

作り方

1. ズッキーニ、パプリカ、なすを食べやすい大きさに切る。にんにくは半分に切る

2. フライパンに1を並べ、焦げ目をつけながら火が通るまで焼く

3. 保存瓶に野菜、塩、ローリエ、バジルを入れ、その上からオリーブオイルをひたひたになるように注ぎ、冷蔵庫で保存する
※オイルが固まった場合は湯煎にかけて溶かす

中川さんおすすめの食べ方

「野菜はもちろん、にんにくやローリエの香りが染みわたったオイルも活用してください。

トーストしたカンパーニュに漬けた野菜をのせ、上からオイルを回しかければお手軽タルティーヌ風に。ほどよくオイルが滲み入ったパンが、じゅわっとおいしいですよ。夏野菜らしい華やかな色合いや、爽やかなハーブの香りを堪能してくださいね」

「もちろん、そのままお惣菜として食べるのもよし。野菜を刻んでオイルパスタにするのもよし。アレンジの幅が広く2週間は保つので、最後まで余すことなく楽しみましょう」

夏野菜の魅力が詰まった保存食で、心も身体も元気に!

旬の夏野菜をシンプルに味わうレシピ3品をご紹介しました。簡単なので、ご家庭でささっとできるうえ、保存もきいて、アレンジも自在。疲れがちなこの季節に大活躍すること間違いありません。ぜひ、ご自身のお好みの味わい方を見つけてください。

夏のおいしさと栄養をたっぷりと味わいながら、心も身体も元気を取り戻して残暑を乗り切りましょう。


取材・文/丸山夏名美
撮影/實重かおり(macaroni 編集部)