マロッタと(左)とモウリーニョ(右)。開幕前からバチバチだ。(C)Getty Images

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 現地時間7月14日、セリエAは2021-22シーズンのリーグ日程を発表した。だが、その前からすでに戦いは始まっている。

 見どころ満載の新シーズンだが、ファンの楽しみのひとつは、かつてインテルを3冠に導いたジョゼ・モウリーニョが、ローマの指揮官として戻ってきたことだ。

 そして、そのモウリーニョは8日、ローマ監督就任会見で、さっそく古巣を皮肉った。ローマは持続可能な成功を目指すと強調し、「1回勝って、給料を払わないのは簡単だ」と述べたのだ。

 ユベントスの連覇を9で止め、モウリーニョ時代以来となる11年ぶりの優勝を果たしたインテルだが、オーナーの蘇寧グループの経営問題から給料遅配などの問題を抱えたのは周知のとおりだ。

 財政事情から、インテルはこの夏すでにアシュラフ・ハキミをパリ・サンジェルマンに売却している。スクデット獲得のキーマンのひとりだったハキミを、わずか1年で手放したのが本意でなかったのは当然だ。
 
 名前こそ出さなかったが、ポルトガル人指揮官がインテルのこの状況を揶揄したのは明らかだろう。これに対し、インテルのジュゼッペ・マロッタCEOは14日、「我々はモウリーニョが大変なキツネであることを知っている。彼は狡猾なんだ」と返した。

「彼はライバルたちをつつき、苛立たせて、おそらくは刺激することに慣れているんだよ。もちろん、私は刺激されたと感じている」

 メディアを巻き込んでライバルたちを刺激するモウリーニョのやり方を、インテルの関係者はよく知っているだろう。開幕まで1カ月以上あるが、早くも駆け引きは始まっている。

 インテルと、インテルにかつて栄光をもたらしたカリスマ指揮官の対決は、大きな注目を集めるだろう。インテルとローマは12月の第16節、来年4月の第34節で対戦することになった。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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