MicrosoftがInternet Explorerのサポートをついに終了
Microsoftが開発した「Internet Explorer」は、Windows 95以降で標準搭載されていたウェブブラウザ。Windows 10からは標準ブラウザがMicrosoft Edgeに置き換えられたのですが、2014年ごろまではウェブブラウザシェアの過半数をInternet Explorerが占めていました。そんなInternet Explorerのサポートがついに2022年6月15日に終了します。
Internet Explorer は Microsoft Edge へ - Windows 10 の Internet Explorer 11 デスクトップアプリは 2022 年 6 月 15 日にサポート終了 - Windows Blog for Japan
The future of Internet Explorer on Windows 10 is in Microsoft Edge | Windows Experience Blog
https://blogs.windows.com/windowsexperience/2021/05/19/the-future-of-internet-explorer-on-windows-10-is-in-microsoft-edge/
Microsoft is finally retiring Internet Explorer in 2022 - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/19/22443997/microsoft-internet-explorer-end-of-support-date
2020年からMicrosoftはInternet Explorerのサポートを徐々に縮小しており、Microsoft 365オンラインサービスでのInternet Explorerサポート終了などを発表してきました。さらなるステップとして、MicrosoftはWindows 10におけるInternet Explorerの後継はMicrosoft Edgeであると発表しています。
Microsoft EdgeはInternet Explorerよりも高速かつ安全で、従来のウェブサイトやレガシーアプリケーションとの互換性も有しているだけでなく、Internet Explorerモードを使うことでInternet Explorerベースのウェブサイトやアプリケーションにも対応しています。そのため、Microsoft EdgeはInternet Explorerのほとんどの機能を内包しており、さらにInternet Explorerにはない数々の機能を有していることから、Internet Explorerの最新版となるInternet Explorer 11のサポートを2022年6月15日(日本時間では6月16日)で終了するとMicrosoftはアナウンスしました。
by Christiaan Colen
今後のInternet Explorerのタイムラインは以下の通り。2021年5月20日にInternet Explorerの提供終了が発表、2021年8月17日にはすでに発表されていたMicrosoft 365および他アプリでのInternet Explorerサポートが終了、そしてInternet Explorerアプリの提供が2022年6月16日で終了となります。なお、2022年6月16日でのサポート終了は、提供中のWindows 10 LTSCやWindows Server上のInternet Explorer 11には影響しません。また、MSHTML(Trident)エンジンにも影響はありません。
MicrosoftはInternet ExplorerからMicrosoft Edgeへの移行について、「互換性の向上」「生産性の向上」「ブラウザセキュリティの強化」という3つの理由を挙げています。
「互換性の向上」については、古いウェブサイトと最新のウェブサイトの両方をサポートするデュアルエンジンをMicrosoft Edgeが採用しています。前述の通り、Internet Explorerでなければ表示できないようなウェブサイトやアプリケーションにも対応可能な「Internet Explorerモード」を有しているため、MicrosoftはMicrosoft Edgeについて「Internet Explorerベースのウェブサイトやアプリケーションとの互換性を兼ね備える唯一のブラウザ」と説明しています。
社内業務で使用するアプリケーションや、Internet Explorerでしか動作しないウェブサイトなども、Microsoft Edgeのデュアルエンジンを活用することでウェブブラウザを使い分けることなく利用可能となります。これにより「生産性が落ちなくなる」とMicrosoft。また、Microsoft Edgeには複数のタブを同時に開いてもコンピューターの動作を遅くしない「スリーピングタブ」機能や、ウェブ上の情報を簡単に収集・整理できる「コレクション」機能があるほか、複数のアカウントを切り替えることで仕事とプライベートをブラウザ上で使い分けることもできるため、「生産性の向上」に役立つと説明しています。
そして、「ブラウザセキュリティの強化」については、フィッシング攻撃やマルウェアの侵入を高水準で防御できるMicrosoft Defender SmartScreenをMicrosoft Edgeが採用している点を強調しています。他にも、ダークウェブをスキャンして個人情報の漏えいを検知するパスワードモニター機能も搭載。さらに、Windows 10版Chrome for Businessよりも高い安全性を誇るため、ビジネスにも最適なブラウザであるとMicrosoftは強調しています。
Microsoftが公開した「Internet Exprorlerのサポート終了に関するFAQ」によると、2022年6月16日のサポート終了に影響を受けるプラットフォームは以下の通り。
・Windows 10クライアントSKU(バージョン20H2以降)
・Windows 10 IoT(バージョン20H2以降)
影響を受けないプラットフォームは以下の通り。
・Microsoft EdgeのInternet Explorerモード
・WebOCを含むInternet Explorerプラットフォーム(MSHTML/Trident)
・Windows 8.1のInternet Explorer
・Windows 7拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)のInternet Explorer
・Windows 10 Server SAC(すべてのバージョン)のInternet Explorer
・Windows 10 IoT長期サービスチャネル(LTSC)(すべてのバージョン)のInternet Explorer
・Windows 10 Server LTSC(すべてのバージョン)のInternet Explorer
・Windows 10クライアントLTSC(すべてのバージョン)のInternet Explorer
Internet Explorerベースのレガシーアプリケーションやウェブサイトを使用しているユーザー向けには、Microsoft Edgeで使用できる「Internet Exprorlerモード」のスタートガイドも公開されています。
なお、2022年6月16日以降にInternet Explorerの実行ファイルである「iexplore.exe」が削除されることはありませんが、これを起動してもMicrosoft Edgeにリダイレクトされることとなります。