50代からの暮らしやすいリビング。ものを減らして自分時間を有効に
40代後半から50代は子育てが落ち着いてくる一方で、子どもの進学に関することが慌しかったり、仕事をもつ人は働き盛りでなにかと忙しい時期でもあります。また女性の場合は更年期がぶつかるタイミングでもあり、ついイライラしてしまうことも。
「時間がない! と追われたり、心に余裕がなくなりがちだと感じるときは、リビングの見直しがおすすめです」と話すのは、自身もアラフィフ世代で収納アドバイザーの小林志保さん。50代からのリビングの考え方と片づけ方を教えてもらいました。
きれいに片づいたリビング。50代からは自分の居心地のよさを優先して
家事で忙しい、仕事で忙しい、だから時間がない! 思いつく理由はあげればたくさん出てきますが、時間がないと思っている間はなかなか、人生を楽しむことができません。一方で「自分の時間は自分でつくるもの」とは知りつつ、簡単にはできないのも事実。そこで、おすすめなのが「リビングを整えておく」ことです。
じつは私は、元片づけられない人間で、散らかりハウスの住人でした。だからこそ「部屋の乱れが心の乱れ」を身をもって体験し、部屋と心はつながっていると考えます。
たとえばいつも散らかっている部屋で過ごしていたとしても、心のどこかでは「片づけないと!」という思いがあるはずです。日々の生活のなかで気がかりなことがひとつでもあると、気持ちよく過ごすことはできないのではないでしょうか?
まず考えたいのが「リビングのあり方」です。子どもたちの成長に合わせてライフスタイルが変わるなかで、リビング収納の中身はその都度大きく変化する必要があります。
リビングは子どもの成長に合わせても変わるもの(※写真はイメージです)
子どもが小さいときはおむつや着替え、オモチャなどを収める場所が必要であり、小学生以上になるとリビングで勉強ができるように学用品を収めるスペースも必要に。中高生になると、勉強やゆっくりと落ち着ける場所はリビングから自分の部屋へ変化していきます。
親がいるリビングよりも自分だけの空間と時間を持ちたがるようになるのは、子どもの成長の証です。子どもの成長を感じたら、新たなライフスタイルの変化のタイミングと考えて。子どもの自立を促すためにもリビングからは子どものものを取り除き、親と子どもの境界線を区切ってみることも大切だと考えます。もしもまだリビングに成長した子どものものがあるなら自室へ移動してもらいましょう。
子どもがいないご家庭の場合も、自分や夫、同居する家族の仕事や年齢(体力的な部分も含め)が変化したタイミングで見直すと、片づけが進みやすいと思います。
次にリビングに置くものを選びます。
家族の共有場所であるリビングは、気をつけなければさまざまなものがたまってくる場所。だからこそ、その場所での過ごし方を明確にする必要があり、今必要なものだけをリビングに収納することをおすすめします。頭で考えるのは大変なので、書き出してみましょう。
<心地よいリビングのつくり方>
1:リビングにあるものをざっくり絵に描く
一度自宅のリビングを客観的に見て、どこにどんな家財があり収納スペースはどれほどあるのか、簡単でいいので絵にしてみてください。
2:だれがどこによくいるが印をつける
リビングの全体を絵にしたあとは、その場所でだれがなにをしているのかを明確にします。
うちの場合ですと、高校生と大学生の子どもたちや同居する義母は自室で過ごすことが多いので、リビングで自分の時間を過ごしているのは夫と私だけとなります。
書いてみると、夫はテレビ前のソファーに陣取り、私はリビングテーブルの窓際で過ごすことが多いことがわかりました。
3:それぞれの場所に必要なものの定位置を決める
夫と私のリビングでの定位置がはっきりすると、次に考えることはその場所を快適な場所へとするために、ものの定位置も決めていきます。
夫の居場所である、テレビ前のソファー周りを例に説明します。
夫は帰宅するなりソファーに直行。休日もソファーに寝そべって一日じゅうテレビ番組や配信映画などを見ています。その時間が夫にとってはゆったりとくつろげる時間となっているようです。
しかし。人が長時間同じ場所に留まっていると、その近辺にはものがたまってきてしまいます。何度片づけても、テレビのリモコンや爪楊枝、保湿用のクリームなどが気づけばローテーブルの上に無造作に置かれていきました。
そこで、枠となるケースを用意して夫がテーブル上で使うものをひとまとめに。そうすることで、ものが散らかることなく使ったものもケースの中に戻っていく仕組みになるのです。毎日使うものは棚にしまい込む必要はなく、ほんの少し手を加えるだけで出しっぱなしでも十分にすっきりと見せることができます。
次に、自分のものです。
私は自宅でパソコン作業もすることも多く、リビングテーブルの窓際は私の指定席となっています。この場所に座ってパソコン入力をはじめ、本を読んだりお茶を楽しんだり、自分の時間を過ごしています。
私の背後にはリビング収納棚があり、その扉を開けると、最近読んだ本やよく読み返す本が入っています。読みたい本がすぐに取り出せて読むことができる場所は、私にとっては気分が落ち着く大切な場所となっています。
ポイントは、自分がよくいる場所によく使うものをおき、それ以外は置かないこと。好きなものも、ここに入る分だけ、と決めると増えすぎを防止できます。
ほんの数年前は子供たちがワイワイしながら、どちらかというと騒がしい場所だったリビングですが、今ではすっかり静かな時間を過ごす場所と変化しました。
これから先、夫婦2人でお互いに心地よく過ごしていくためには、夫婦で会話や楽しめる時間と、それぞれの自分時間を大切にできる空間をつくることが必要だと感じています。
もしもいま、落ち着く場所がない、自分の時間が取れないという方はぜひ、まずはリビングから使わないものを取り除き、だれがどの場所で過ごしているのか? 客観的に観察してみてください。そうすることで、きっとライフスタイルに合った、理想の暮らし方が見えてくると思います。
●教えてくれた人
整理収納アドバイザー。夫、長男、長女、義母と暮らす(義母とは同居14年目)。元散らかりハウスの住人。ものに囲まれものに振り回される暮らしを改善すべく、整理収納を勉強し資格を取得。主婦の目線を生かして、家族が笑顔になるような片づけ術を片づけ大ポートや講座をとおして提案している。ホームページ『slowly walk
』、インスタグラム(@shiho.slowly
)にて、片づけ情報を発信中
「時間がない! と追われたり、心に余裕がなくなりがちだと感じるときは、リビングの見直しがおすすめです」と話すのは、自身もアラフィフ世代で収納アドバイザーの小林志保さん。50代からのリビングの考え方と片づけ方を教えてもらいました。
どこにいても落ち着かないのは、リビングが散らかっているからかもしれない
きれいに片づいたリビング。50代からは自分の居心地のよさを優先して
家事で忙しい、仕事で忙しい、だから時間がない! 思いつく理由はあげればたくさん出てきますが、時間がないと思っている間はなかなか、人生を楽しむことができません。一方で「自分の時間は自分でつくるもの」とは知りつつ、簡単にはできないのも事実。そこで、おすすめなのが「リビングを整えておく」ことです。
じつは私は、元片づけられない人間で、散らかりハウスの住人でした。だからこそ「部屋の乱れが心の乱れ」を身をもって体験し、部屋と心はつながっていると考えます。
たとえばいつも散らかっている部屋で過ごしていたとしても、心のどこかでは「片づけないと!」という思いがあるはずです。日々の生活のなかで気がかりなことがひとつでもあると、気持ちよく過ごすことはできないのではないでしょうか?
●子どもが成長したら、リビングから子どものものをなくして
まず考えたいのが「リビングのあり方」です。子どもたちの成長に合わせてライフスタイルが変わるなかで、リビング収納の中身はその都度大きく変化する必要があります。
リビングは子どもの成長に合わせても変わるもの(※写真はイメージです)
子どもが小さいときはおむつや着替え、オモチャなどを収める場所が必要であり、小学生以上になるとリビングで勉強ができるように学用品を収めるスペースも必要に。中高生になると、勉強やゆっくりと落ち着ける場所はリビングから自分の部屋へ変化していきます。
親がいるリビングよりも自分だけの空間と時間を持ちたがるようになるのは、子どもの成長の証です。子どもの成長を感じたら、新たなライフスタイルの変化のタイミングと考えて。子どもの自立を促すためにもリビングからは子どものものを取り除き、親と子どもの境界線を区切ってみることも大切だと考えます。もしもまだリビングに成長した子どものものがあるなら自室へ移動してもらいましょう。
子どもがいないご家庭の場合も、自分や夫、同居する家族の仕事や年齢(体力的な部分も含め)が変化したタイミングで見直すと、片づけが進みやすいと思います。
●リビングには今自分に必要なものだけを置く
次にリビングに置くものを選びます。
家族の共有場所であるリビングは、気をつけなければさまざまなものがたまってくる場所。だからこそ、その場所での過ごし方を明確にする必要があり、今必要なものだけをリビングに収納することをおすすめします。頭で考えるのは大変なので、書き出してみましょう。
<心地よいリビングのつくり方>
1:リビングにあるものをざっくり絵に描く
一度自宅のリビングを客観的に見て、どこにどんな家財があり収納スペースはどれほどあるのか、簡単でいいので絵にしてみてください。
2:だれがどこによくいるが印をつける
リビングの全体を絵にしたあとは、その場所でだれがなにをしているのかを明確にします。
うちの場合ですと、高校生と大学生の子どもたちや同居する義母は自室で過ごすことが多いので、リビングで自分の時間を過ごしているのは夫と私だけとなります。
書いてみると、夫はテレビ前のソファーに陣取り、私はリビングテーブルの窓際で過ごすことが多いことがわかりました。
3:それぞれの場所に必要なものの定位置を決める
夫と私のリビングでの定位置がはっきりすると、次に考えることはその場所を快適な場所へとするために、ものの定位置も決めていきます。
●ものの定位置のつくり方、使いやすいしまい方
夫の居場所である、テレビ前のソファー周りを例に説明します。
夫は帰宅するなりソファーに直行。休日もソファーに寝そべって一日じゅうテレビ番組や配信映画などを見ています。その時間が夫にとってはゆったりとくつろげる時間となっているようです。
しかし。人が長時間同じ場所に留まっていると、その近辺にはものがたまってきてしまいます。何度片づけても、テレビのリモコンや爪楊枝、保湿用のクリームなどが気づけばローテーブルの上に無造作に置かれていきました。
そこで、枠となるケースを用意して夫がテーブル上で使うものをひとまとめに。そうすることで、ものが散らかることなく使ったものもケースの中に戻っていく仕組みになるのです。毎日使うものは棚にしまい込む必要はなく、ほんの少し手を加えるだけで出しっぱなしでも十分にすっきりと見せることができます。
●趣味のものをリビングに収めることで自分時間を楽しむ
次に、自分のものです。
私は自宅でパソコン作業もすることも多く、リビングテーブルの窓際は私の指定席となっています。この場所に座ってパソコン入力をはじめ、本を読んだりお茶を楽しんだり、自分の時間を過ごしています。
私の背後にはリビング収納棚があり、その扉を開けると、最近読んだ本やよく読み返す本が入っています。読みたい本がすぐに取り出せて読むことができる場所は、私にとっては気分が落ち着く大切な場所となっています。
ポイントは、自分がよくいる場所によく使うものをおき、それ以外は置かないこと。好きなものも、ここに入る分だけ、と決めると増えすぎを防止できます。
●部屋が整うことで、心地よいゆったりとした時間が手に入る
ほんの数年前は子供たちがワイワイしながら、どちらかというと騒がしい場所だったリビングですが、今ではすっかり静かな時間を過ごす場所と変化しました。
これから先、夫婦2人でお互いに心地よく過ごしていくためには、夫婦で会話や楽しめる時間と、それぞれの自分時間を大切にできる空間をつくることが必要だと感じています。
もしもいま、落ち着く場所がない、自分の時間が取れないという方はぜひ、まずはリビングから使わないものを取り除き、だれがどの場所で過ごしているのか? 客観的に観察してみてください。そうすることで、きっとライフスタイルに合った、理想の暮らし方が見えてくると思います。
●教えてくれた人
【小林志保さん】
整理収納アドバイザー。夫、長男、長女、義母と暮らす(義母とは同居14年目)。元散らかりハウスの住人。ものに囲まれものに振り回される暮らしを改善すべく、整理収納を勉強し資格を取得。主婦の目線を生かして、家族が笑顔になるような片づけ術を片づけ大ポートや講座をとおして提案している。ホームページ『slowly walk
』、インスタグラム(@shiho.slowly
)にて、片づけ情報を発信中