鎮火はしたものの、足利市の山火事で、新たな問題に直面している寺があります。

山林火災の火が間近まで迫った足利市大岩町にある最勝寺です。

寺に祀られているはずの毘沙門天像の姿がありません。山林火災から守るため地元の人たちの協力で別の場所に避難させたためです。

仏像や絵馬、巻物などひとつひとつ毛布にくるんで運び出し、その数はおよそ150にも及びました。

なんとか火の手を逃れたものの移動させたことによる問題に直面しています。

関東最古とも言われ、県指定の文化財にもなっている毘沙門天像は、およそ260年に渡り本堂から出た記録がありません。

本来であれば数カ月の調査を経て慎重に運び出すところをわずか数時間で終えたため、経年劣化があった仏像の一部に傷ができてしまいました。

修復には毘沙門天像一体だけで一千万円かかる見込みで、修復が必要な仏像や絵馬などが少なくとも8つあるといいます。

このうちの7つは県や足利市の指定文化財です。

山林火災から逃げ延びた文化財を後の世に残したい。そんな思いから寺はホームページで募金を呼びかけています。

今後はクラウドファンディングも計画しているということです。