30代から急速に「オジサン化」する人がやりがちな3大悪習慣
■「オジサン」判定される原因は、年齢ではなく「見た目」
あなたは、実際の年齢より「若く見える」でしょうか。それとも、「老けて見える」でしょうか。「自分は若く見えるはず」と思っている人は多いかもしれませんが、実は他人からの評価は真逆だったりします。
まだまだ若いと思っているのは自分だけで、友人・知人や職場の同僚などからみたら、「残念なオジサン」だと思われているケースは多いのです。
あなたの「オジサン度」をチェックするために、こちらの質問に答えてみてください。
2:髪は自然乾燥で、ドライヤーは使わない。
3:汗をかいてもそのまま。ケアをしたことはない。
いかがでしょうか。当てはまるものが多い人は、見た目のケアが不足しているため、自分でも気が付かないうちに「残念なオジサン化」してしまっている可能性があります。
個人差はありますが、30代半ば頃から年齢よりも若く見える人と、どんどんオジサン化していく人との差が大きくなってきます。
では、若く見える人と、オジサン化していく人との差はどこにあるか――。私は美容皮膚科医として、これまでに1万人以上の患者さんと向き合ってきました。その経験から、オジサン認定の有無は、「肌」「髪」「ニオイ」の3つで決まるということに気づきました。
今回は拙著『男は見た目が9割 美容皮膚科医が教える嫌われない男の美容大全』より、オジサン化・三大要素の一つである、男性の肌についてお伝えします。
■ケアは難しいことではない
若い頃は、顔を洗ったあと何もしなくても特に問題はなかったかもしれませんが、年齢とともに肌や皮脂の量も変化し、乾燥やシミ・シワ、たるみなどが生じてくるようになります。入浴後、髪が濡れたまま寝てしまうと、薄毛・抜け毛や頭皮のニオイの原因になります。
また、汗をかいたあときちんとケアをしないと、加齢とともに分泌される物質により、加齢臭やミドル脂臭など不快なニオイが発生してしまうこともあります。
もちろん、年齢による変化はやむを得ないものですが、きちんとケアをしながら受け入れていくことと、何もしないまま、ただ老化・劣化していくのでは、周りの印象は、まったく異なります。
シワやシミが目立つ肌、ベタついていたりフケや脂っぽいニオイがする髪、加齢臭など不快なニオイが漂う残念なダサいオジサンと思われてしまうのは、できれば避けたいですよね。
ここでいうケアとは、難しいことではありません。高い化粧品を使ったり、メンズエステに通ったりしなくても、日々の生活の中で少しずつ気を付けるだけで、若々しい肌や髪、オジサン臭のしない体を取り戻すことができます。
■あなたの肌は「ヨレヨレのスーツ」のようになっていないか
三大要素の中で、とくに大事なのは一番大きな面積を占める「肌」です。
肌は、スーツと同じです。いくらこだわりの時計や靴、バッグを身に着けていたとしても、スーツがヨレていたり、シワシワだと、ちょっとダサく見えてしまいます。
それと同様に、いくら目鼻立ちが整っていても、肌がたるんでいたり、シミやシワ、肌荒れがあると印象が台無しになってしまうのです。逆に、肌を整えるだけで人に与えるイメージは格段によくなります。
美肌になるためのポイントは、「洗い方」「保湿」「紫外線ケア」の3つです。この3つを変えれば、あなたの肌は若々しさを取り戻すことが可能です。
■洗い方のポイントは「脱ゴシゴシ」
特に男性の場合、あまり気にしていない人が多いせいか、必要以上に力を入れて、ゴシゴシこすってしまいがちです。顔の肌は体に比べて薄くて繊細なので、強くこすると肌の細胞を傷つけ、たるみやシワの原因になります。
また、体を洗うついでに同じ石けんで顔も洗ってしまうという人は多いかもしれませんが、体用の石けんは洗浄力が強く、顔の肌には刺激が強すぎることがあるのでNGです。顔は専用の洗顔料を使い、指の腹を使ってやさしく洗いましょう。
ポイントは、洗顔料をしっかり泡立てること。泡が汚れを吸着するので、肌に負担をかけずに皮脂や汚れを落とすことができます。
手のひらや泡立てネットで洗顔料を泡立て、できた泡を手のひらに乗せて逆さにしても落ちないくらいの泡がベストです。泡をつぶさないくらいのやさしい力で、肌をなでるように洗いましょう。
■潤いがオジサン化を防ぐ
洗顔後の「保湿」も重要です。乾燥は肌荒れやニキビの原因になるとともに、シワのもとになり、オジサン化につながります。洗顔後は化粧水で肌に潤いを与え、クリームや乳液など油分の入ったもので皮膚の水分を逃がさないようにしましょう。
私のおすすめは、フェイスパックを使うこと。
化粧水や乳液をつけるのと同じ効果を一度にまとめて得られるので、肌ケアなんて面倒くさいと思っている男性にこそ、便利なアイテムです。顔を洗った後にフェイスパックを10〜15分ほどつけるだけで、潤いを補い、肌の老化も防げます。
ほうれい線や目元・口元のシワは見た目年齢を一気に引き上げてしまうので、そうならないためにも、日頃の保湿ケアを徹底することをおすすめします。
■紫外線はオジサン肌のもと
若い肌をキープするために絶対忘れてはならないのが、「紫外線ケア」です。
実は、肌が老化する原因の8割は太陽光線です。太陽光線を無防備に浴び続けると、皮膚にシミ、シワ、たるみといった老化現象が現れるようになります。これを「光老化」ともいいます。
男性だと、日焼け止めを塗るのは海に行くときぐらいだったり、そもそも何もケアをしていないという人も多いかもしれませんが、将来のシミ・シワ・たるみの有無に確実に影響しますので、とくに紫外線の強い春〜夏の時期は、しっかり日焼け止めを塗って対策することをおすすめします。
紫外線は天候に関係なく降り注いでいるので、晴れている日だけでなく、曇りや雨の日でも塗るようにしましょう。
■人気の美顔ローラーや自己流マッサージは逆効果のことも
シワやたるみの改善法として、美顔ローラーやマッサージを試している方もいるかもしれませんが、皮膚科医の立場でいうとおすすめできません。
首から上の皮膚は薄くて弱いので、摩擦による刺激で肌の内側が傷つき、かえってシワの原因になってしまうことがあるからです。
美顔ローラーなどを使うとシワが伸びたように感じるかもしれませんが、それはあくまでも一時的なもの。毎日、しかも長時間続けていると、シワやたるみを深くしてしまうこともあるので要注意です。
また、シワやシミは、食生活を改善することでも防ぐことができます。詳しくは拙著『男は見た目が9割 美容皮膚科医が教える嫌われない男の美容大全』でも解説していますが、炭水化物の摂り過ぎなどは、肌を老化させるので注意が必要です。
■「オジサンだから…」とあきらめたら試合終了
ここでは、肌に関する見た目ケアの基本をいくつかご紹介しましたが、拙著『男は見た目が9割 美容皮膚科医が教える嫌われない男の美容大全』では、男の髪ケアや年代別の体臭ケアなども詳しく解説しています。
加齢は誰もが避けて通ることはできませんが、「オジサンになってきたから仕方ない」「もう○歳だからしょうがない」と放置していると、あっという間に肌や髪はツヤを失い、見た目年齢が上がってしまいます。
20代までは若さで何とかなっていても、30代、40代になるとケアをしているか・していないかで、見た目年齢に大きな差がついてきます。
コロナ禍による外出自粛で人と会う機会が減っている間は、「外に出ないから」「人と直接会わないからいいや」と考えがちですが、この間に何もしないでいると、久しぶりに会った友人や知人から「あれ、しばらく会わないうちに老けたな……」と思われてしまうかもしれません。
逆に、家にいる時間が長い今のうちに、しっかりケアをする習慣を付けておけば、「久しぶりに会ったらなんだか若返ったね、印象が変わったね」と思ってもらえるチャンスです。
見た目ケアによって得られる清潔感や好感度は、仕事でもプライベートでも大きな武器になります。中身の良さが伝わらないうちに、外見の第一印象だけで「一緒に仕事をしたくない」とか「食事に行きたくない」と思われてしまうのは、もったいないことですよね。
ぜひ、見た目ケアで若々しい外見を取り戻し、好感度を高めていきましょう。
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堀江 義明(ほりえ・よしあき)
美容皮膚科医、産業医
1987年、千葉県生まれ。医療法人天翔会理事長。東海大学医学部卒業。大手美容クリニック皮膚科責任者を経て、2014年、恵比寿美容クリニックを開院。2015年、男性美容クリニックを全国6院に展開した後に事業譲渡。2018年、医療法人天翔会を設立、理事長就任。2020年、新たにMET BEAUTY CLINICを表参道で開院。国際医学会での講演や国際医学論文の執筆を行う傍ら、自身が代表幹事を務める日本未来医業研究会で後進の指導も行う。また、産業医として産業保健の理念や心身の健康増進を目指した活動に取り組む。メディア出演実績も多数。著書に『男は見た目が9割 美容皮膚科医が教える嫌われない男の美容大全』(アスコム)がある。
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(美容皮膚科医、産業医 堀江 義明)