矢を放って1年の安全を祈る伝統の行事「武射祭(むしゃさい)」が4日、奥日光の日光二荒山神社中宮祠で行われました。

室町時代から伝わるという武射祭は、日光の男体山の神様が大蛇に、群馬の赤城山の神様が大ムカデに姿を変えて土地をめぐって争った際に弓の名手が大ムカデを射抜いたという伝説にちなんだ伝統行事です。

雪がちらつく中、白装束に身を包んだ中麿 輝美宮司が掛け声とともに赤城山の方角にある中禅寺湖に向かって矢を放ちました。

続いて神職や県弓道連盟の役員たちが次々と矢を放っていきます。

例年だと福があるとされる放たれた矢がお守りと交換されますが、今年は新型コロナ対策のため交換は中止されました。

それでも訪れた人たちは今年1年の福をつかもうと夢中になって矢を拾っていました。