米粉輸出 前年比2倍強 グルテンフリー追い風

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 米粉の輸出が好調だ。今年1〜10月の輸出量は184トンで、前年同期から2・3倍に拡大した。米国など欧米向けが多く、今後も「グルテンフリー(グルテンを含まない食品)」のニーズが高い国での需要が見込まれる。海外でのインターネット販売を強化する事例も出てきている。

 農水省が3日、自民党農林水産流通・消費対策委員会の会合で明らかにした。米粉は中小の製粉企業が中心で、輸出は始まった段階。2019年の輸出先は米国が58%と最も多く、タイ、ドイツ、オランダが続く。グルテンフリー市場の拡大が追い風になっている。

 世界のグルテンフリー市場は、24年には1兆円に達する見込み。アレルギー・病気への対応だけでなく、著名人がライフスタイルとして発信するなどして拡大している。

 特に輸出拡大が見込まれるのがインターネット販売だ。同省は健康に焦点を当てたドイツの展示会に出展して、ネット販売サイトで商品販売につなげた米粉メーカーの事例を紹介。海外の販売サイトで日本商品の販売を支援する日本貿易振興機構(ジェトロ)の事業もある。

 同省は、米粉は形状を保ちにくく、麺やパンなどへ加工するにはコストが大きいことから、小麦粉製品との価格差が課題と指摘した。