デリカシーのない義母の珍名言集を紹介(写真:U-taka/PIXTA)

大阪に暮らす3人の子どもを持つばたこさんには、義母本人も認めるほどデリカシーのない義母がいる。

ばたこさんはそんなデリカシーのない発言をされながら、それをTwitterでユーモアたっぷりにつぶやくことで日々のストレスを発散している。著書『お義母さん、ちょっと黙ってください くそばばあと私の泥仕合な日々』から、デリカシーのない義母語録を抜粋・一部加筆して掲載する。

関西の川に沈む義母のデリカシー

義母の日々の言動に辛抱たまらなくなり、デリカシーというものはないのか?と問うたことがある。義母はまったく悪びれずに「そんなもん大和川に捨てた」と言っていた。次に聞いたときは「淀川に捨てた」となぜか場所を移動していた。

義母はポピュラーで大きめの川にデリカシーを捨てがち。関西の川はあらゆるところに義母のデリカシーが沈んでいるにちがいない。ぜひとも、今すぐに身ひとつで泳いで捨てたデリカシーを拾ってきてほしい。義母のデリカシーに欠ける発言は多くあるけれど、道徳の授業からやり直すために小学校に入り直してほしいと願った発言を紹介したい。

「なんや普通やな、上戸彩がタイプなんじゃなかったんか」

義母と出会ったとき、聞いてもいないのに旦那のタイプが上戸彩だということを教えてくれた。旦那は私と出会う前、九州出張で出会ったキャバクラ嬢が上戸彩に似ていたので、翌月も翌々月もプライベートで九州へ出向いた、という話まで聞かされた。このときは、旦那の愚かさばかりが気になって、そんなことを平気で息子の彼女に言ってしまう義母のやばさに気づくことができなかった。

「嫁ちゃん、あんた私のシミーズ、勝手にメルカリで売ったやろ」

冤罪確定。義実家のものがなくなるたびに私がメルカリで売りさばいたと疑われている。今回はまさかの下着泥棒の罪をなすりつけられている。ばばあのシミーズなんて売るわけないし、売れるわけもない。どうせ山のように積まれている洗濯物の中にあるので、血眼になりながら探してほしい。

「妊娠糖尿病も高血圧も嫁ちゃんが太ってるからやろ、自業自得やん」

義母に妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のことなどわかるはずがなかった。私は妊娠してからは必死に糖質と塩分を制限していたので、自業自得という言葉にひどく傷ついた。妊娠糖尿病・高血圧が自業自得ということは、義母世代以上のばあさんが言いがち。義母以外のばあさん何人かにも言われた。そんなことは孫を抱きたいなら言ってはいけない。私は、自業自得と言ってきたばあさんは1人残らず覚えている。

「それは遠回しに朝来てほしいっていうことか?」

義母はつねに自分時間で動いているので、私の都合などはまったく関係ない。したい時間にしたいことをする、行きたいところに好きなだけ行く、それが義母。なので、朝7時半から突撃お宅訪問したりしてくる。

子ども3人の用意で手いっぱいな私は、たとえ10分だとしても、義母の相手をしている暇はない。1分1秒が惜しい私は、本人に「本当に忙しいから来ないでほしい」とはっきり伝えたが、なぜかまったく通じなかった。もしかしたら、私と義母は操る言語が違うかもしれない。

「お相撲さんやん! はっけよい! のこった! のこった!」

私はそこそこ太っているのだけれど、ただ漫然と太っていたわけではない。ダイエットと名のつくものは大体経験してきた。りんごダイエット、黒豆ダイエット、大根おろしダイエット、肉食ダイエット、どれも続かないので当たり前だが効果は得られなかった。巻くだけダイエットに至っては、義母に「お相撲さんやん! はっけよい! のこった! のこった!」と四股(しこ)を踏まれたその瞬間にやめた。

私が子どもたちに向かって「ハイ、だっこ」と両手を広げるたび、義母に言われる「よっ!!! すしざんまい!!!」のかけ声もこの応用で、私の小太りおじさん体型をちゃかしてるのだと思われる。

私を「スマホ」代わりに使うときの一言

「ごめんやけど十二単が何キロあるか調べてもらえるか」

義母は携帯も持っておらず、インターネットから隔離された生活を送っているため、何か調べてほしいことがあるたびに私に調べるよう命じてくる。以前は旦那がこの役割を担っていたらしいが、結婚を機に私が「義母が興味あることを調べ伝える係」となった。結婚してから数年間、私はこの係をしっかりと勤め上げていた。


この係は年中無休なので、私が偏頭痛がひどすぎて寝ていたそのときも、義母はわざわざ寝室までやってきて十二単(じゅうにひとえ)が何キロか問うてきた。多分テレビで十二単を見て気になってしかたなかったのだろう。

私は面倒くささと腹立ちで適当に150キロと答え、義母は「ありがとうな」と去っていった。義母は我慢ができない。知りたいときに今知りたい。最近は「渡部、最近なにしてるんか調べてほしい、佐々木希ちゃんは大丈夫か」と佐々木希さんの心配をしていた。

義母はこれを言えば相手が困ったり、傷つくかもしれないということを考えずに、声にしている。心の声をそのまま口から出してしまっている。おそらく脳は働かせていない。その証拠に義母はこれらの失言をまったく覚えていないのだ。日をまたぐと「そんなこと言った覚えない」と、なかったことにされるので、最近はコンマ2秒で注意している。義母にはぜひ、淀川でデリカシー見つけるまで帰れまテンをしてほしい。