『タイタニック』より
 - 20th Century-Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

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 映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が驚異的な記録を叩き出し、興行収入は国内歴代2位となった。ここでは、これまで2位に長年君臨し続けた大ヒット作『タイタニック』を皮切りに、実写映画の国内歴代興行収入トップ10を振り返りたい。(数字はすべて興行通信社調べ)

 実写映画の1位は、『タイタニック』(1997)の262億円。沈む運命にあるタイタニック号に乗った人々の悲劇をダイナミックに描き、194分と3時間を超える長尺ながらも大ヒット。野心家の青年・ジャックを演じたレオナルド・ディカプリオは本作で世界的に大ブレイクした。

 2位は、J・K・ローリングの世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの映画化第1弾となる『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)の203億円。来年シリーズ20周年を迎える記念として11月6日から4DX上映が行われるなど、いまだに高い人気を誇る。また、第2弾『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002・173億円)が4位と上位になっている。

 3位は、『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003・173.5億円)。織田裕二演じる刑事・青島が主人公の人気ドラマ「踊る大捜査線」シリーズの劇場版第2弾で、実写邦画作品では1位の座を守り続けている。「レインボーブリッジ封鎖できません!」「どうして現場に血が流れるんだ」といった数々の名言でも知られる。

 5位には、『タイタニック』の監督ジェームズ・キャメロンが手掛けた『アバター』(2009・156億円)、6位には、トム・クルーズ主演で日本を舞台にした『ラスト・サムライ』(2003・137億円)がランクイン。『ラスト・サムライ』では、第76回アカデミー賞で渡辺謙が助演男優賞にノミネートされた。

 7位は135億円と同率で、スティーブン・スピルバーグ監督が地球外生命体と少年の友情を描いた『E.T.』(1982)、小惑星衝突から地球を救う男たちの物語『アルマゲドン』(1998)、『ハリー・ポッター』シリーズ第3弾『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)と3作品が続く。

 10位は、2010年代唯一の作品『ボヘミアン・ラプソディ』(2018・131.1億円)。クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリーの半生を描いた本作は、第91回アカデミー賞で、主演男優賞(ラミ・マレック)、音響編集賞、録音賞、編集賞の最多4部門を受賞した。

 数字で作品の良し悪しを決めることはできないが、この10作品の中でアカデミー賞の作品賞を受賞したのは、『タイタニック』のみ。ヒットしたから映画として優れているという判断をするのは難しいが、紹介した作品が多くの人の記憶に残っていることに間違いないはずだ。

 なお、世界興行収入1位は、長年首位に君臨していた『アバター』を抜き、昨年『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)がトップとなった。(編集部・梅山富美子)