5月15日にさいたま地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けていた丸建自動車(株)(TDB企業コード:270436463、資本金1500万円、埼玉県上尾市二ツ宮1069、代表本村建二氏、従業員40名)は、10月30日にさいたま地裁より民事再生手続き廃止決定および保全管理命令を受けた。

 保全管理人は監督委員の漆原梢弁護士(埼玉県さいたま市浦和区高砂3-12-9、長島法律事務所、電話048-822-2147)が選任されている。

 当社は、1988年(昭和63年)5月に設立された乗合旅客自動車運送業者。上尾市や北本市、埼玉県など地方自治体から受注を得て、「けんちゃんバス」の愛称で上尾駅や蓮田駅、北本駅などから発着する路線バスを運行。このほか観光バス事業、福祉タクシー事業も手掛け、2015年8月期には年収入高約3億2600万円をあげていた。

 2019年8月期も年収入高約3億円を確保していたが、連続赤字が続き債務超過を余儀なくされていた。厳しい業況が続くなか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い利用客が激減。足元の売り上げが大幅に減少したことで民事再生法の適用を申請、スポンサー企業を募集していた。スポンサー候補企業1社と事業譲渡契約に向けた交渉を行っていたが、民事再生法上必要とされる清算価値を満たす譲渡価格での契約締結には至らなかったため、今回の措置となった。今後破産手続きに移行する見通しであるが、上記企業とは事業譲渡契約締結に向け、引き続き協議・交渉を行っている。

 負債は民事再生申請時点では約5億円だが、変動している可能性がある。

 バス運行事業は保全管理人の管理下、これまで通り継続されている。